2015/07/30

150729松本1-3川崎(J1 #22)

松本1-3川崎(松本平広域公園総合球技場, 19:00KO, 15,610人)

アルウィンは15,610人の観客と盛況。
J1に昇格してきた松本とは、等々力では2-0で勝利(J1 #16)した。
お互いに中3日の試合が続いてのアウェイゲーム。

先発は、前節清水戦(J1 #21)から森谷が外れ、船山が入った。
清水戦は前半にリードを許し、後半逆転したが、その後半のメンバーで臨んだ。

■1st half
川崎は面白いようにパスをつなぐ。
松本のプレスが弱く、ほとんどの選手がフリーでボールを持てる。
中央の縦パスが通り、PA内まで簡単に入り込む。
次のプレーを選択する判断が早かったので、守りを絞らせなかった。
中から中から攻撃を仕掛けたたため、サイドを使う必要がなかった。

松本はラインがずるずると下がってしまう。
苦し紛れのクリアが多く、何度も攻められて走らされる。
縦へのロングボールも質が低く、すぐに奪われることを繰り返した。

得点は時間の問題だったが、16分。
MF岩間雄大(5)から中村がボールを奪い、素早く田坂へ。
田坂はDF酒井隆介(30)をステップでかわして、左隅にゴールを決める。
酒井がスライディングしたものの、GK村山智彦(1)がファーを大きく空けてしまった。

続いて25分には中村のFK。
GKとDFの間に入ったボールを、谷口が足で合わせて追加点。
谷口をマークしていた酒井が振り切られてしまった。

さらに35分。
船山と一緒にルーズボールを奪った大久保がミドルシュート。
誰も寄せきれないまま、美しい軌道を描いてゴール左に決まった。

3点ともいずれも良いゴールだったが、前半の松本は悪すぎた。
前半が終わるまで、なすすべなく川崎の攻撃を受け続けた。
手を打たなかった反町監督の采配には疑問が残る。

■2nd half
後半になると、まったく異なる展開となった。
松本は酒井に代えてFW前田直輝(22)を投入。
FWオビナ(9)と2トップ気味にして、前線から人数をかけてプレス。
大島をしっかりマークすることで、川崎を慌てさせてパスミスを誘った。

松本の攻撃は主にセットプレー。
CK、FK、そしてロングスロー。
いずれもMF岩上祐三(8)がゴール前に放り込む。

69分、ロングスローから混戦となり、FW阿部吉朗(39)に蹴り込まれて失点。
川崎は防戦一方で、早い時間に失点していれば難しくなったかもしれない。
しかし、攻められても決定機は作られず、1失点で収めることができた。

■summary
川崎が素晴らしかった前半と、松本が攻め立てた後半では、様相がまったく異なった。
ただ、決定機を量産していた川崎に対して、松本はゴール前にボールを放り込むものの、崩すところまではいかなった。
結果は、妥当だったといえる。

川崎は、前半のペースを後半にも続けることができなかった。
いい時間をもっと長く続けたいところ。

■goal
69阿部吉朗(39)
16田坂祐介(35) 25谷口彰悟(5) 35大久保嘉人(13)

■judge
新井章太(30) 5.5 69分の失点は、ロングスローをクリアミスしたことで生まれた。
武岡優斗(17) 6.0 FWオビナとマッチアップする。しっかりと抑え込んでいた。
井川祐輔(4) 6.5 3バックの中央にどっしりと構える。安心して見ていられた。
谷口彰悟(5) 6.0 1ゴールを決める。ヘディングを空振りしてピンチを招いた。
エウシーニョ(18) 5.5 チームが中央から攻撃したため、あまりボールに触れなかった。
小宮山尊信(8) 5.5 65分のミドルシュートなど、要所要所でPA近くに入り込んだ。
大島僚太(16) 6.5 フリーでボールを持てた前半は、ミスが少なくプレスに動じなかった。
中村憲剛(14) 7.0 前半だけで2アシスト。後半は走れなくなり、バイタルを空け気味に。
船山貴之(15) 6.5 ギャップを突いてチャンスを作ったが、今日もシュートは決まらず。
大久保嘉人(13) 6.5 前半、多くのチャンスに絡むが、後半は孤立気味になってしまった。
田坂祐介(35) 7.0 復帰後初ゴール。さらに、攻守に気が利いたプレーを見せた。

■sub
37(17)車屋紳太郎(20) 5.5 武岡のケガで急遽出場。長い時間、守備に追われた。
58(15)杉本健勇(9) 5.0 ポストプレーは良かったが、ボールが来る回数が少なかった。
86(8)實藤友紀(2) 5.5 今シーズン初出場となった。右CBでプレーする。

■bench
西部洋平(21) 山本真希(6) 森谷賢太郎(19) 中野嘉大(22)

■coach
風間八宏 6.5 先発メンバーの選択が当たり、松本を圧倒。選手交代は今ひとつだった。

■referee
吉田寿光 6.5 笛が多いように感じたが、ゲームを的確にコントロールした。

2015/07/27

150725川崎3-2清水(J1 #21)

川崎3-2清水(等々力, 19:00KO, 20,040人)

柏戦(J1 #20)に負け、中5日で等々力に清水を迎える。

柏戦をケガで欠場した武岡が復帰。
井川も先発に戻り、車屋、杉本がベンチに入る。
ユニフォームは、等々力陸上競技場の新スタンド完成記念の特別なもの。
スタンドの図柄は目立たないが、レギュラーのユニと違って襟がなく、格好よかった。

清水はFW鄭大世(9)が先発。
年間勝ち点最下位に沈む清水が、Kリーグ水原三星(KOR)から獲得して初出場。
2010年、川崎からドイツ2部のボーフム(GER)へ移籍して以来のJリーグ出場となる。
奇しくも、等々力でのJ再デビューとなった。

アウェイでの対戦(J1 #14)は、5-2と大きく負けている。

■1st half
清水は前線からプレスを掛けてくる。
カットするとFWピーター・ウタカ(18)と鄭大世のカウンターを仕掛ける。

川崎はパスが引っかかることが多かったが、愚直に中央から攻めていく。
清水は5バックで固めるが、少しずつ穴を作って崩していく。

11分、森谷とのワンツーで、大久保がPA内右側でボールを受ける。
清水のDFが寄せきれないまま、GK杉山力裕(21)を抜いてゴール。
幸先のよい先制点となった。

この後、清水のカウンターが効く。
22分、クリアボールを拾ってMFミッチェル・デューク(19)が左クロス。
シンプルだったが、ウタカが谷口のマークを外して、豪快なヘッドでゴール。

清水の時間帯が続き、30分のMF大前元紀の右からのCK。
再びウタカが谷口を振り切って、ヘッドで逆転されてしまう。

清水の攻撃に厚みはないものの、ウタカと鄭大世の個人技で仕掛けてきた。
井川はギリギリの対応をしていたが、谷口のポジションが甘くなった。

川崎の攻撃はFWが大久保1人だけ。
中盤のプレーヤーが多く、スペースの使い方が効果的ではなかった。

■2nd half
後半開始から、森谷に代えて船山を投入。
2トップに移行して、船山が最終ラインの裏を狙う動きを繰り返す。

清水のプレスが目に見えて遅くなり、バイタルでもボールを持てる。
もちろんボランチもフリーで、中村から前線にロングボールが供給される。
小宮山を中心として左サイドからの攻撃も見られた。

多くの決定機を作りながら、56分。
遠目からの中村のFK。田坂が頭で合わせたが、GK杉山が素晴らしい反応ではじく。
しかし、こぼれたボールを武岡が蹴り込んで同点とする。
武岡は、横浜FCからの移籍後初ゴールとなった。

続けて71分。
カウンターから田坂が左サイドを駆け上がる。
船山がスルーしたクロスボールを大久保がダイレクトで蹴り込んで、逆転に成功した。

このあと、清水のカウンターには怖さが見られない。
逆に川崎が面白いように攻撃を仕掛け、タイムアップを迎えた。

■summary
先制したものの、前半で逆転された。
アウェイでの大敗の悪夢がよぎったが、後半、船山がバランスを取り戻した。

清水の最終ラインは、人数は揃っているが、ラインが統率されていない。
5バック、4ボランチで厚い陣を敷いていながら、スペースを与えていた。
攻撃は鄭大世、ウタカの2トップは強力だが、個人頼み。
カウンターを仕掛けても、後ろからの押し上げが少なかった。

清水の年間順位は引き続き最下位。
とても厳しい状況だと思われる。

川崎は清水の最終ラインに救われて、逆転に成功。
田坂の出来がとても良く、前線の選手層が厚くなっている。
疲労によるケガ人の発生、クオリティの低下が相変わらず心配なところ。

■goal
11,71大久保嘉人(13) 56武岡優斗(17)
22,30ピーター・ウタカ(18)

■judge
新井章太(30) 5.5 プレー機会は少なかったが、2失点。ただ、GKとしてはやむを得ない。
武岡優斗(17) 6.0 ケガからの復帰戦で同点ゴールを決める。移籍後初ゴールとなった。
井川祐輔(4) 6.5 中央でカウンターに対処した。谷口のマークミスもフォローしていた。
谷口彰悟(5) 5.0 ウタカをフリーにして2失点に関与した。守備で精彩を欠いた。
エウシーニョ(18) 6.0 69分、ゴール前でGK1対1のシュートが枠に飛ばなかった。
小宮山尊信(8) 6.5 左サイドから好機を作った。43分、69分とGKとの1対1を迎えた。
大島僚太(16) 5.5 ミスパスで決定機を作られた。ボールを持っても前線が動かなかった。
中村憲剛(14) 6.5 前線・サイドへのボール供給でゲームをコントロールした。
森谷賢太郎(19) 5.5 先制点をアシスト。バイタルで動いていたが、前半で交代。
田坂祐介(35) 6.5 上下動でボールを呼び込んだ。ボールロストも少なかった。
大久保嘉人(13) 7.0 2ゴール。ボールをもらってシュートまでの動きが早い。

■sub
46(19)船山貴之(15) 7.0 チームの雰囲気を一変。チャンスはあったが、ゴールが遠い。
90+2(13)杉本健勇(9) 5.5 プレーにほとんど関与しなかった。
90+5(17)車屋紳太郎(20) 5.5 武岡のケガで、右のストッパーに入る。

■bench
西部洋平(21) 實藤友紀(2) 山本真希(6) 中野嘉大(22)

■coach
風間八宏 6.5 船山の投入で勝利を手繰り寄せた。前半の失速には早く手を打ちたかった。

■referee
扇谷健司 6.0 判定基準があいまいなところも感じたが、両チームに偏り少なく判定した。

2015/07/20

150719柏1-0川崎(J1 #20)

柏1-0川崎(日立柏, 19:00KO, 14,055人)

2ndステージ第3節、アウェイ柏戦。
柏とのホームゲーム(J1 #8)は、1-4と大敗している。
中3日が続き、3連休の中日の日曜日、19時キックオフ。

水曜日の鳥栖戦(J1 #19)で途中交代した武岡はベンチ外。
井川、船山も外れて、森谷、杉本、田坂が先発する。

ベンチから小林が外れ、J22に招集されてJ3で2試合を経験した三好が入った。
再びケガ人が目立ってきている。

■1st half
川崎は久しぶりの4バックでスタート。
武岡が欠場したため、フォーメーションを変えてきた。
ボランチでの出場が続いていた谷口は、右のCBで出場。
大島が1ボランチとなって、アンカーを務める。

柏は大島を囲んでパスコースをふさぎ、ボールを奪う。
斜めのパスを織り交ぜて、川崎のDFラインを破る。

15分、中央からダイレクトパスをつなぎ、FW工藤壮人(9)がゴール。
DFが釣り出されたスペースをうまく使われた。
オフサイドを取り切れず、工藤に背後に抜け出された。

その後も柏の的確な攻撃が光る。
28分、MF茨田陽生(28)のシュートはエウシーニョがブロック。
31分にも工藤が決定機を迎えたが、谷口に当ててしまう。

川崎は最終ラインからなかなかボールを運べない。
大島が2CBの間に落ちるため、前線との距離が遠くなった。
それでも5分のエウシーニョ、34分の大久保、35分の森谷など、いいシュートは放った。

■2nd half
後半開始から杉本を下げて井川を入れる。
4バックから5バックに移行して2ボランチとすると、攻撃が活性化する。
ボランチが前を向いて、左右のウィングを使って攻略した。

柏は前半ほど動けず、スペースを埋めきれない。
川崎のポジション修正を追いかけて、こまめにシステムを動かしてくる。
ただ、前半ほど中盤を抑えることができなかった。
途中で投入された船山、橋本も、時間は少なかったがアクセントを加えた。

48分の田坂、61分の中村、82分の大久保、86分の船山など、決定的なシュートが増える。
しかし、GK桐畑和繁(1)の好セーブなどがあって、ゴールを割れなかった。

■summary
柏のいい時間帯は前半に限られたが、そこで工藤が決めて勝利した。

川崎はいい攻撃をたくさん繰り返したが、ゴールが決まらなかった。
前半はボールをうまく運べず、柏のカウンターを浴びていた。
後半、3バックに移行すると、ボールロストが明らかに減った。
柏を押し込んで、連続して決定機を作り出したが、ゴールがなかった。

J1リーグでの柏戦はダブルを喫するという残念な結果となった。
ただ、田坂が後半、右ウィングで機能し、森谷も久しぶりに復帰した。
大久保や中村が決定機を決めきれなかったが、悲観すべき内容ではなかった。

■goal
15工藤壮人(9)

■judge
新井章太(30) 5.5 失点はやむを得ないところ。22分、クリアミスでCKを与えてしまう。
エウシーニョ(18) 6.0 中央に切れ込むドリブルで存在感を見せる。SBより前で使いたい。
谷口彰悟(5) 5.5 ラインを上げきれず、工藤のゴールを許した。井川が入ると安定した。
車屋紳太郎(20) 5.5 パスの選択肢が悪く、前に運べない。自信を失い消極的になった。
小宮山尊信(8) 6.0 左サイドの高い位置に張ってボールを呼び込んだ。クロスも良かった。
森谷賢太郎(19) 6.0 動きは良かったが、少しずつ走れなくなる。早く交代させたかった。
大島僚太(16) 5.5 中盤で囲まれてボールを奪われることが多く、積極性が見られなかった。
中村憲剛(14) 6.0 疲労で動きは少なくなっていたが、パスやシュートを狙い続けた。
田坂祐介(35) 6.5 ロストが少なかった。ゴールへの意図を持って前に向かってプレー。
杉本健勇(9) 5.5 24分のヘディングシュートなど、悪くはなかったが、良くもなかった。
大久保嘉人(13) 6.0 PA内でチャンスが多く、良いシュートを放ったが決められなかった。

■sub
46(9)井川祐輔(4) 6.0 中央をしっかり締めた。カウンターに対処して反撃に貢献した。
80(19)船山貴之(15) 6.0 86分、カウンターから決定機を迎えるが、GKに当ててしまう。
90(16)橋本晃司(7) 6.0 ロスタイムだけだったが、前線で動き回った。FKも蹴る。

■bench
西部洋平(21) 角田誠(3) 山本真希(6) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 5.5 前半の4バックは失敗。後半の選手交代は適切だった。船山と橋本にはもっと時間を与えたかった。

■referee
西村雄一 6.0 少し笛が多かったが、偏らず的確に試合をコントロールした。

2015/07/15

150715鳥栖1-1川崎(J1 #19)

鳥栖1-1川崎(ベストアメニティスタジアム, 18:00KO, 7,524人)

FC東京戦(J1 #18)から中3日、2ndステージの第2節。
水曜日の18時キックオフ。
台風が近づいているものの、陽射しは強く、選手には酷な環境。

レナトが広州富力(CHN)に移籍し、先発メンバーには船山が入った。
ベンチには新たに杉本が入る。

■1st half
鳥栖はプレスのかけどころが悪く、川崎のボランチが前を向く。
縦パスを面白いように入れて、中央からチャンスを作る。

17分、大久保が素早いリスタートから左サイドの船山へロングボール。
船山はドリブルでPAに入り込み、クロス。
中村が抑えたボレーで先制点を決めた。
美しい連携から崩し切ったプレーだった。

この後、徐々に鳥栖がペースを掴んでいく。
ロングボールで走らせて、少しずつ中盤を押し上げてくる。
セットプレーを中心に攻撃を仕掛け、セカンドボールを拾った。

39分、右SBの吉田豊(23)がPA内に侵入。
追いかけた船山がシャツを引っ張ってPKを与える。
崩されてはいたが、ゴール前にはDFが揃っていただけに、もったいないファウルだった。
吉田豊は清水在籍時、等々力(2014 J1 #31)でも活躍している。

FW豊田陽平(11)がPKを決め、同点とされる。

■2nd half
後半開始から、船山に代えて小林が入る。
さらに51分、右CBの武岡にアクシデント。
左ヒザを痛めて、田坂が投入される。
田坂が左ウイングに入り、小宮山が右CBに回った。

鳥栖のロングボールが、フリーのMF水沼宏太(8)に入っていく。
左CBの車屋と田坂のマークの受け渡しが悪く、後手後手となった。

川崎は受ける動きが少なく、ボールをうまく運べない。
ボランチには強くプレスをかけられる。
ゴール前まで進めばチャンスとなったが、決定機を作り出せない。

川崎のバイタルが空き気味で、厳しい状況となっていく。
オープンな展開となっても、鳥栖の動きは落ちなかった。
セットプレーも多く与えたが、なんとか失点せずにドローに持ち込んだ。

■summary
内容的に押されていたのは川崎だった。
アウェイで勝ち点1を拾えたのは、良い結果といえる。

鳥栖のFW鎌田大地(24)はフル出場。
G大阪JYから東山高校に進んだルーキー。
等々力(J1 #13)では途中出場だったが、すでに攻撃の中心となりつつある。
柔らかいドリブル、そして視野の広いパス出しでチャンスを作っていた。

川崎はFC東京戦よりも格段に動けなかった。
去年も同じだったが、いい内容の試合があっても、続けられない。
暑い時期に中3日の試合が続くと、クオリティが保てない。
フレッシュな選手を投入しなければ、改善は難しい。
次も中3日で柏戦(J1 #20)がやってくるだけに、厳しい状況といえる。

■レナト(10)の移籍
レナトが移籍することとなった。
7月13日(月)、中国スーパーリーグの広州富力から最初のオファーが届く。
14日(火)には広州富力が移籍金満額の約6億円を提示し、移籍が決定。
川崎では1年約1億円だったが、1年約2億円の3年契約と報道されている。
15日(水)の鳥栖戦には帯同せず、17日(金)には移籍が公式リリースされた。

レナトは2012シーズンに加入。
ジュニーニョの10番を引き継ぎ、3年半在籍。
素晴らしいドリブル、美しいプレーを見せてくれた。
チームの戦力を考えれば痛手だが、経営的には残してくれる移籍金は大きい。
レナトが新天地で活躍することを強く願う。

■goal
17中村憲剛(14)
39PK豊田陽平(11)

■judge
新井章太(30) 6.0 4分、致命的なミスパス。70分のDF金民友(10)のシュートを防ぐ。
武岡優斗(17) 6.5 左サイドからの攻撃を抑えていた。51分、左ヒザを痛めて交代。
井川祐輔(4) 6.0 23分、ミスで豊田に決定機を与える。PA内で動かれてもボールを奪う。
車屋紳太郎(20) 6.5 豊田の動きを抑えた。終盤、攻め上がったが決定機を生み出せず。
小宮山尊信(8) 6.0 左サイドの守備で劣勢。右CBに動いてからは無難に守っていた。
谷口彰悟(5) 5.5 ボランチで出場。86分、ゴール前でヘッド。難しかったが決めたかった。
大島僚太(16) 6.0 トラップの技術でプレスをかいくぐる。積極的にゴールに向かいたい。
エウシーニョ(18) 6.0 試合開始15分ほどはチャンスに絡んでいた。76分、ミドル。
中村憲剛(14) 6.5 PA内で良い動き出しからゴールを決める。後半は動けなくなった。
大久保嘉人(13) 5.5 ゴールから離れたプレーが多くなった。パス出しも今ひとつ。
船山貴之(15) 6.0 先制点をアシスト。PKを与えてイエローをもらった。前半で交代。

■sub
46(15)小林悠(11) 5.5 後半の攻撃の中心となった。ロングボールの受け皿にはなれず。
51(17)田坂祐介(35) 5.0 左ウィングだったが、周囲と呼吸が合わなかった。

■bench
西部洋平(21) 角田誠(3) 山本真希(6) 森谷賢太郎(19) 杉本健勇(9)

■coach
風間八宏 5.5 3バックへの布陣変更で1失点で抑える。選手交代は効果的ではなく、1つ枠を余らせた。

■referee
岡宏道 6.0 後半、ファウルをとらずに流すことが多くなったが、偏りはなかった。

2015/07/12

150711川崎2-0FC東京(J1 #18)

川崎2-0FC東京(等々力, 18:30KO, 23,793人)

J1リーグ2ndステージの初戦、第26回多摩川クラシコ。
FC東京のホーム(J1 #9)と同じく、23,793人と多くの観客が入った。
アウェイゾーンも、いつもよりも大きく配置されている。

2週間前の鹿島戦(J1 #17)の先発メンバーに中村、大島が入り、森谷、船山がベンチに。
4日前のドルトムント戦(PSM)の前半メンバーからは、中村が入り、船山が外れている。

■1st half
川崎はポゼッションして、FC東京のプレスをかわしてサイドに散らす。
PAの中には進入できなかったが、バイタルから多数のミドルシュートを放った。
ミドルの精度は高くなかったが、少しずつFC東京のプレスを緩めていく。

FC東京は守備が中心となった。
攻撃はDF太田宏介(6)のセットプレーに頼る。
ボールを持っても、崩してくることが少なかった。
木村主審がファウルを多くとっていて、FW前田遼一(20)がファウルを多くもらう。
前田は器用なFWで、笛を吹かせるプレーも上手だった。

35分すぎからは、FC東京のプレスが弱まり、川崎のパスが回るようになる。
パスを出すタイミングが早くなって、ボールが動く時間が増えた。

■2nd half
後半になると、FC東京はますます動けなくなってくる。
特にボランチの米本拓司(7)と梶山陽平(10)がボールホルダーに寄せられない。
これによってボランチの谷口と大島が前を向いて、ボールをさばく。

52分、バイタルでパスを回し、レナトがPA左の小宮山にパス。
大久保がFC東京の最終ラインをゴール前に張り付ける。
空いたスペースにクロスを入れて、フリーのエウシーニョが右アウトサイドでゴール。
難しいタイミングだったが緩やかなシュートでコースを突き、4試合連続ゴール。

その後も、63分の大久保など、多くの決定機を作る。
73分、レナトがPA手前でドリブルしてファウルをもらう。
レナトは壁の上をゆっくり抜くFKを決めて2点差となった。
厳しいコースではなかったが、GK権田修一(1)の反応が遅れた。

3枚の交代カードを少しずつ使いながら、ゲームを終えた。

■summary
川崎はドルトムント戦と大きく変わったところはない。
ただ、ドルトムントの質があまりにも高く、相対的に良く見えた。
4日前はパスやトラップの小さなミスが致命傷となったが、FC東京戦では問題とならなかった。

1stステージよりも、ボールを持って逡巡することが少なくなった。
クオリティを上げていくのは簡単ではないが、続けていってほしい。

FC東京はフィッカデンティ監督による守備的なチーム。
FW石川直宏(18)が走ってカウンターを仕掛けて、前田がファウルをもらう。
セットプレーが一番のチャンスで、1stステージ2位と結果を出している。
ただ、結果が出なければ、観客にとって見どころが少ない。

ドルトムント戦から中3日だった影響は見られず、動けていた。
ケガ人も戻ってきて、杉本や三好ですらベンチに入れない。
次も中3日と連戦が続くので、コンディションをキープできるかが重要となる。

■goal
52エウシーニョ(18) 74レナト(10)

■judge
新井章太(30) 6.5 クロス対応、リスタートの判断が的確。5分に石川のシュートを止めた。
武岡優斗(17) 6.0 13分にミスパスで決定機を与えたが、スピードと対人の強さで対処。
井川祐輔(4) 6.5 中央に構えて守り切った。90+4分、ゴール前まで走ってシュート。
車屋紳太郎(20) 6.5 左サイドを封じる。最終ラインからパスを的確につないでいった。
小宮山尊信(8) 7.0 良い動きで何度もフリーになる。52分のクロスによるアシストは完璧。
谷口彰悟(5) 6.5 少し前目のポジションでボールを受けた。ボランチで空中戦を制した。
大島僚太(16) 6.5 細かなパスワークの中心。65分、安易なボールロストでピンチを招く。
エウシーニョ(18) 7.0 52分のゴールは芸術的だった。47分のイエローは少し酷な判定。
中村憲剛(14) 6.5 守備の役割が軽い攻撃的MFで出場。パスをたくさんもらって、輝いた。
大久保嘉人(13) 6.0 ミドルを放っていって、73分に決定機があったが、決められず。
レナト(10) 7.5 キレのあるドリブルで、FC東京の守備陣を混乱させた。FKは完璧。

■sub
84(18)田坂祐介(35) 5.5 公式戦での復帰戦。右ウィングに入る。プレー機会は少ない。
88(10)小林悠(11) 5.0 ロングボールやポストプレーを受けきれなかった。
90+1(13)船山貴之(15) 5.5 相手ボールを追いかけたが、攻撃する機会はなかった。

■bench
西部洋平(21) 角田誠(3) 山本真希(6) 森谷賢太郎(19)

■coach
風間八宏 6.5 中村を戻して機能させる。2点目を取ってから早く選手交代させたかった。

■referee
佐藤隆治 5.0 偏ることはなかったが、軽いコンタクトまでファウルと判定していた。

2015/07/10

150707川崎0-6ボルシア・ドルトムント(PSM)

川崎0-6ボルシア・ドルトムント(等々力, 19:00KO, 24,650人)

J1リーグ1stステージと2ndステージの間のプレシーズンマッチ。
ボルシア・ドルトムント(GER)のアジア・ツアーとして開催。

ドルトムントには、2人の日本人選手、香川真司(23)、丸岡満(31)が所属。
さらにマルコ・ロイス(11)、イルカイ・ギュンドアン(8)、ピエール・エメリック・オーバメヤン(17)なども来日していて、豪華なメンバー。
2014-15シーズンのブンデスリーガは、7位だった。

川崎は次のFC東京戦(J1 #18)まで中3日。
コンディションを考えると難しい日程だが、フルメンバーでドルトムントに立ち向かった。

■1st half
前半は香川が2ゴールを決める。
ドルトムントはあらゆる面で川崎を上回った。
次のプレーを選択するタイミングが早く、トラップやパスの技術も高い。
ピッチを広く使いながらも、機を見て縦に早く攻め込んでくる。

川崎は守備的になることなく、あくまでも攻撃的なスタイルを貫く。
大島と谷口の2ボランチが、ボールを運ぶことができればチャンスを作れた。
ただ、プレッシャーが強いため、ゴールを脅かすまではできなかった。

■2nd half
後半開始から、ドルトムントは丸岡以外の10選手を一気に交代させる。
まったく新しいチームとなるが、ギュンドアンやオーバヤメンなど、著名な選手が含まれていることに変わりがない。

川崎は中村、田坂、小林を入れる。
ある程度は機能していたものの、中盤でボールロストしてから素早い攻撃を浴びた。
高いオフサイドラインを簡単に破られて、独走を許した。
オーバヤメンの美しい2ゴールに続いて、丸岡にもゴールを許す。
次々に失点を重ねてしまった。

■summary
ドルトムントの素晴らしさが十分に出たゲーム。
興行的な側面が強いマッチメークだが、見るべき技術が多かった。
6失点は妥当な結果といえる。

プレーを比較すると、川崎はまだまだスピードが遅い。
次のプレーを選択する判断が遅く、パススピードも遅かった。
トラップも最適な場所に落とせずに、時間を費やしてしまった。

コンディションは、シーズン開幕前で遠征中のドルトムントの方が悪かった。
しかし、ドルトムントには、これを覆すだけの技術を持った選手が揃っていた。

■goal
5,36香川真司(23) 53,57ピエール・エメリック・オーバメヤン(17) 59丸岡満(31) 80ジョン・スタンコビッチ(2)

■judge
新井章太(30) 5.5 好セーブも見せてはいたが、4失点を喫した。
武岡優斗(17) 5.0 右サイドを攻められつつ、なんとか防いでいた。あまり上がれず。
井川祐輔(4) 4.5 縦への突破に付いていけなかった。34分、危険なミスパス。
車屋紳太郎(20) 4.0 パスの判断が悪かった。4点目はオーバメヤンに寄せきれなかった。
小宮山尊信(8) 5.5 タイミング良く上がってボールに絡んだ。
谷口彰悟(5) 4.0 ボランチでもCBでもパスミスを繰り返してしまった。
大島僚太(16) 6.0 トラップでボールを置く位置が良く、プレスをかわしていた。
エウシーニョ(18) 4.5 攻守両面で良いところを見せられなかった。
船山貴之(15) 5.5 前線でのフリーランでパスを呼び込んでいた。
大久保嘉人(13) 4.5 下がりっぱなしでボールに触れなかった。
レナト(10) 5.5 J1リーグのようには抜けなかったが、ドリブルで仕掛けた。

■sub
HT(4)中村憲剛(14) 4.5 パス出しは良かったが、ボールロストが多かった。
HT(17)田坂祐介(35) 5.0 ドイツから復帰。50分のヘディングシュートなど、縦横に動いた。
HT(15)小林悠(11) 5.0 オフサイドに引っかかったが、縦へ飛び出した。89分に決定機。 
58(30)西部洋平(21) 5.0 連続失点を止めることはできなかった。
67(13)杉本健勇(9) 4.5 交代した大久保と同じようにボールに絡めず。
67(16)森谷賢太郎(19) 5.0 中村を攻守でサポートしていた。
72(5)角田誠(3) 5.5 CBに入り、ラインを統率して落ち着かせた。
76(10)橋本晃司(7) 5.5 左ウィングに入る。89分、左サイドからPA内に入ってクロス。
84(8)山越享太郎(25) 5.0 左SBに入る。ケガが長く、久々の出場となった。
84(20)山本真希(6) 5.0 右SBに入る。高いポジションを積極的にとった。
84(18)實藤友紀(2) 5.0 CBに入る。6点差があったため、相手は攻めてこなかった。

■bench


■coach
風間八宏 5.5 ドルトムントは川崎が目指すべきプレーを見せてくれた。主力はもっと早く交代させたかった。

■referee
木村博之 6.0 接触プレーをファウルとすることが多いように感じたが、中立的なジャッジ。