2015/11/23

151122川崎1-0仙台(J1 #34)

川崎1-0仙台(等々力, 13:30KO, 22,511人)

J1リーグ最終節はホーム仙台戦。
天皇杯はガンバ大阪戦(天皇杯 R16)に敗れたため、2015シーズンの最終戦となる。
チャンピオンシップ開催の影響で、2014シーズンより2週間早くシーズンが終わる。

先発はガンバ大阪戦から杉本が外れ、森谷が入る。
ベンチには7月の柏戦(J1 #20)以来、久しぶりに三好が入った。

仙台とは4月のユアテックで小林、レナト、大久保のゴールで勝利(J1 #6)
ナビスコでは、6月の等々力で1-1のドロー(YNC GL #7)

仙台は14位ですでにJ1残留を決めている。
天皇杯では勝ち残っていて、シーズン最終戦ではない。

■1st half
仙台はラインを高めに設定。プレスも前から掛けてくる。
川崎もパスをつなぎながらプレスをかわして攻撃を仕掛ける。
中村と大島のボランチに、森谷がうまく絡んでパスコースを作る。

20分過ぎから中盤での簡単なパスミスが川崎に目立つ。
仙台が攻勢を強めてくるが、ゴールは奪われずにすんだ。
29分にはFW金園英学(11)との1対1を新井がストップ。

川崎は9分の大久保の反転シュート、車屋の左からのクロスなど、あと少しの場面は作る。
ただ、仙台の守備を決定的に崩し切ることはできなかった。

■2nd half
後半、小宮山に代えて田坂を投入する。
車屋がCBに、中野がウィングと1列ずつ下がる。
結果的に車屋が失点に関与することとなったガンバ戦と同じ交代。

スタートから仙台が押し込み、パスをつないでゴールに迫る。
51分、FWハモン・ロペス(20)のミドルがバーを叩く。
大島が寄せてはいたが、素晴らしいシュートを放たれた。

55分すぎからは、川崎の攻撃の時間が長くなる。
3年連続得点王を目指す大久保にラストパスを供給する。
もっと良い選択肢があるときでも、無理に大久保を使っていた。
大久保は65分にオーバーヘッド、68分にヒールでシュートするが、いずれも難しかった。
他にも62分の中村のドリブルシュート、75分のエウシーニョのシュートなど、チャンスは作るが決めらない。

80分、右サイドで田坂、エウシーニョとボールをつないで大久保へ。
PA枠外から大久保がミドルシュートを決める。バックスタンドから弾道が良く見えた。
距離があったが、GK六反勇治(1)が触れない見事なコースのシュートだった。

■summary
天皇杯ガンバ戦に続いて、攻撃は良くなかった。
ボランチの2人に森谷、後半からは田坂が触媒となって、パスはつながった。
ゴールに近づくことはできたが、仙台DFを崩し切ることはできなかった。
最後に大久保の個人技で勝つことができた。

仙台は引き籠ることなく、果敢にラインを上げてきた。
コンパクトな陣形で、守備は粘り強かった。
ただ、インプレーでの攻撃には脅威を感じなかった。
サイドから早いタイミングでクロスを入れることができればと思われる。

今シーズンの結果は勝ち点57で年間6位。
レナトがシーズン途中で移籍し、小林が長期離脱した影響が強かった。
タイトルには遠かったが、面白いゲームも多かった。


ありがとう村上 仙台で2度プレーしてくれて

仙台サポーターは契約が満了するDF村上和弘(36)に横断幕を掲げた。
今日はベンチ外だったが、素晴らしい横断幕。
川崎にも2007-09までの3シーズン、在籍してくれた。
34才となったが、これからもプレーを続けてほしい。
(12月28日、現役引退が発表された。)

■goal
80大久保嘉人(13)

■judge
新井章太(30) 6.0 14分、飛び出して間一髪でクリアする。29分には1対1をストップした。
武岡優斗(17) 6.5 何度もPA内まで上がった。38分でフリーのシュートは枠に飛ばしたい。
谷口彰悟(5) 6.5 パス出しも良く、最後まで破綻せず、きっちりと守り切った。
小宮山尊信(8) 6.0 28分、ハモン・ロペスのドリブルをカット。前半のみで戦術的な交代。
大島僚太(16) 6.0 中盤の底でチームを動かす。局面は打開できず。51分、PA内で潰される。
中村憲剛(14) 6.0 長短のパスでチームを操った。62分にはドリブルからシュート。
エウシーニョ(18) 6.0 ゴール前でチャンスに絡み、多くのシュート。決勝アシスト。
車屋紳太郎(20) 6.0 天皇杯よりは良かった。特に前半、左サイドからクロスを供給。
森谷賢太郎(19) 7.0 トップ下からボランチまで広くカバー。走ってチームを牽引した。
大久保嘉人(13) 7.0 強引だったがシュートを多く放つ。80分、ゴラッソを叩き込んだ。
中野嘉大(22) 6.0 66分、長いドリブルからゴールに迫る。シュートをもっと打ちたい。

■sub
HT(8)田坂祐介(35) 6.5 ボールを引き出す。ゴールシーンは全力で走りコースを空けた。
90+3(19)杉本健勇(9) 5.5 ロスタイムに投入される。ポストプレーを1つだけこなす。

■bench
西部洋平(21) 井川祐輔(4) 橋本晃司(7) 三好康児(26) 船山貴之(15)

■coach
風間八宏 5.5 交代枠を使う余地がある展開だが、動かず。大久保のゴラッソで勝利する。

■referee
吉田寿光 6.5 ゲームを妨げないジャッジ。両チームのファウルが少なかった。

2015/11/16

151115川崎0-2G大阪(天皇杯 R16)

川崎0-2G大阪(万博記念競技場, 15:30KO, 7,345人)

浦和戦(J1 #33)から中7日、代表ウィークに開催される天皇杯4回戦。
トーナメント表の上に位置する川崎がホームのはずだが、会場は万博記念競技場。
ユニフォームもガンバがホームで、川崎はアウェイとなった。

等々力は、川崎国際多摩川マラソンの会場となっているので開催できず。
新スタジアムのオープンを控え、5月のJ1アウェイ戦(J1 #12)が最後の万博かと思ったが、天皇杯で再び試合が組まれた。

浦和戦から、出場停止の大久保が復帰。
さらに杉本、小宮山が入って、小林、森谷、船山が外れた。


ガンバはDF藤春廣輝(4)、FW宇佐美貴史(39)が代表に招集されていて不在。
GK東口順昭(1)はケガで代表を辞退しているが、今日は出場する。
ガンバはACLで準々決勝に進出したため、天皇杯はJリーグ推薦シード。
4回戦からの登場となったため、川崎戦が初戦となる。

■1st half
川崎はいつものようにボールをつなぐ。
中村が浦和戦のトップ下からボランチに下がってボールに触れる。
車屋と中野のコンビネーションに、杉本が絡んで左サイドから攻略する。

ガンバはFWパトリック(29)のカウンター主体。
10分過ぎからはパスをつないでバイタルまで運んできた。
エウシーニョが上がって空いた右サイドを使われて、MF大森晃太郎(19)がシュートチャンスを作る。

25分過ぎからは、エウシーニョがスペースを埋めるようになる。
ボランチ大島と中村へのプレスが弱まって、フリーで長くボールを持つ。
攻撃を仕掛けていくものの、ゴールは決まらない。

45+2分、パトリックがドリブルでPAの右サイドに流れてからセンタリング。
谷口に当たったボールが緩やかに転がる。
車屋はクリアできる位置にいたが、味方が多かったせいかボールを眺めてしまう。
そこに大森が飛び込んできて、ヒールでゴールを決められた。

■2nd half
1点を追って、後半開始から小宮山に代えて田坂を投入する。
最終ラインに車屋、サイドに中野と1列ずつポジションが下がる。

右サイドに田坂が入って、ボランチからボールがつながる。
いい形の攻撃を続けていたが、53分。
押し込んだところからカウンターを浴び、MF倉田秋(11)がドリブル。
車屋がマークしていたが、仕掛けることなくずるずるとPA内まで後退。
並走するパトリックには谷口が付いていて、武岡も後追いしてくれていた。
その状況で倉田のシュートコースを切れず、ゴールを決められた。
1失点目に続き、残念なプレーだった。

2点差となってからは、川崎の動きが落ちる。
パスコースを作れず、寄せられてボールを失ってカウンターを浴びる。
ボランチにもガンバのプレスが効くようになり、ゴールに向かえなかった。

76分に橋本がボランチに入り、精力的に走ったが、周囲の足は止まったまま。
交代枠は残っていたが、ベンチは動かず。
決定機を作ることができず、ゴールを奪えなかった。

■summary
ガンバも良くはなかったが、川崎の内容も良くなかった。
単純なキックミスもあり、判断のミスも多く見られた。
浦和戦のような密度の濃いプレーができなかったのが残念。
ゲームの結果は妥当なものといえる。

ハーフタイムで小宮山を下げて、1失点目に関与した車屋を最終ラインに。
その車屋がカウンターから2失点目となる倉田のゴールを許してしまった。
前掛かりになる状況で、最終ラインの負荷は大きかったが、采配で結果を出せなかった。

今年の天皇杯は4回戦で敗戦。
もともと川崎にとっては不得意な大会だが、今年も勝負弱さが出た。
今シーズンの残りはあと1試合となった。


帰りの新幹線で、チームと一緒になった。
新横浜駅でのフロンターレバス。

■goal
45+2大森晃太郎(19) 53倉田秋(11)

■judge
新井章太(30) 5.5 リスタートで良い間合いを作る。2失点ともに難しいが、防いでほしい。
武岡優斗(17) 6.0 39分、パトリックを1対1で止める。スピードでカウンターを食い止める。
谷口彰悟(5) 6.0 ハイボールをパトリックと競り合った。強いパスを入れて味方を鼓舞した。
小宮山尊信(8) 5.5 プレー機会は少なかったが、安定して守備のバランスをとっていた。
大島僚太(16) 6.0 良いタッチから前への推進力を見せる。攻守に奮闘していた。
中村憲剛(14) 5.0 前に出てバランスを崩す。ミスパスが多かった。足の状態が悪そう。
エウシーニョ(18) 5.5 背後のスペースを使われる。守りに重点を置くと上がれなかった。
車屋紳太郎(20) 3.5 1失点目はクリアの判断が遅れて傍観。2点目は倉田との1対1で力負け。
杉本健勇(9) 6.0 ポスト、クロスボールをヘッド、強引なシュートと攻撃に多彩に絡む。
大久保嘉人(13) 4.5 中盤に落ちてくるが、ボールロストが多かった。キレがなかった。
中野嘉大(22) 5.5 CKを担当。ドリブルで仕掛けた。後半、慌てて攻めてボールを失う。

■sub
HT(8)田坂祐介(35) 5.5 投入後にリズムを作る。シュートは枠に飛ばず。CK、FKを担当。
76(22)橋本晃司(7) 5.5 左ボランチに入って走り回ったが、戦況は動かなかった。

■bench
西部洋平(21) 井川祐輔(4) 山本真希(6) マイア(10) 船山貴之(15) 

■coach
風間八宏 4.0 車屋を残す采配が当たらず。3枚目の交代カードを切らないまま敗戦。 

■referee
佐藤隆治 6.0 ストレス少ないジャッジ。パトリックと谷口のマッチアップも適切に裁く。

2015/11/08

151107浦和1-1川崎(J1 #33)

浦和1-1川崎(埼玉スタジアム, 14:00KO, 46,597人)

鹿島とG大阪のナビスコ杯決勝を挟み、2週間ぶりのJ1リーグ。
川崎は2連敗してタイトルやCSへの出場可能性を失い、消化試合となった。

1stステージで優勝した浦和は年間でも2位。まだまだシーズンが続く。
等々力(J1 #5)では、終了間際に追いつかれ、1-1でドローだった。

川崎は大久保を出場停止で欠き、船山が久しぶりの先発。
田坂もケガでベンチスタートとなって、森谷がボランチに入る。
小宮山に代って車屋、西部に代って新井が出場。
前節横浜FM戦(J1 #32)から4人が入れ替わった。
ベンチには田坂が入ったが、杉本、マイアが外れて、攻撃的な駒が少ない。

■1st half
浦和は川崎の最終ラインまで素早いプレスをかける。
パスコースをしっかり切り、追い込んでボールを奪う。
攻撃はGK西川周作(1)からのロングボールでサイドに展開。
三角形のダイレクトパスを駆使して崩してくる。
ボールを保持しながら、ハーフコートになるまで押し込んできた。

川崎はプレッシャーを受けるとパスをつなげない。
ただ、ボランチが前を向くことができれば、その先は自由にプレーできた。
大島と森谷がいい距離を保っていて、その前の中村とパスをつなぐ。

10分、MF関根貴大(24)の右サイドからのクロスがゴール前を流れる。
20分、DF槙野智章(5)がフリーでミドルシュートするなど、決定的な場面を作られる。

ただ、失点はあっけないミスから。
29分。GK西川からのロングボールをFWズラタン(21)が流して、FW興梠慎三(30)がゴール。
興梠をマークしていた谷口が、ボールに行くか人に行くか迷ってしまい抜け出された。

川崎も44分、同点に追いつく。
中村からのパスを大島が左足で止めて、ステップなしで右足でパス。
森谷がゴールに背を向けてボールを受けてからターンする。
ボールカットを狙った槙野を完全に抜き、美しいミドルがゴール右上に決まった。

■2nd half
後半開始から、船山を下げて田坂を投入する。
田坂がサイドや中盤でポイントを作り、攻撃の幅が広がる。

浦和は全体的にプレスが弱まってきた。
MF柏木陽介(8)がケアする範囲が広すぎて、川崎のパスを遮断できない。
攻撃の際にもボールを受けに顔を出す人が減ってきた。

お互いに速攻でゴール前までボールを運ぶ展開。
時間が進むにつれて、決定的な場面が増える。
83分、MF梅崎司(7)がバーを叩くミドル。
85分と90分の2回、田坂がGKと1対1になったが、ゴールは生まれなかった。

試合が終わると、浦和の多くの選手がピッチに倒れ込んだ。
疲れていたとも思うが、勝ち点1という結果の重みが両チームで大きく異なっていた。

■summary
ドローに終わった結果は妥当。
前半は浦和、後半になると川崎がペースを掴んだ。
全体的に見れば、川崎の方が多くの決定機を作り出せていた。

浦和の選手の疲弊を誘い、空いたスペースを使ってチャンスを生んだ。
ただ、興梠に対するマークミスで失点してしまうなど、試合運びの拙さは相変わらず。

どちらのチームも攻撃的な姿勢を最後まで貫いた。
西川、槙野、柏木のトラップとパスの技術が素晴らしく、見ていて飽きない。
終盤になり速攻が増えて、中盤での組み立てが省略されたが、楽しいゲームだった。

■goal
29興梠慎三(30)
44森谷賢太郎(19)

■judge
新井章太(30) 6.5 54分、MF武藤雄樹(19)のシュートを止める。配球のリズムが良かった。
武岡優斗(17) 6.0 PAの外まで吊り出されつつ、よく守った。50分に自陣でボールロスト。
谷口彰悟(5) 6.0 失点シーンを含め10分ほどミスが続くが、これ以外はカウンターを封じた。
車屋紳太郎(20) 6.0 攻撃でアクセントを付ける。26分、PA内での決定的なシュート。
大島僚太(16) 6.5 アシストを含め、高い技術で至近距離のマークを剥がして前に進んだ。
森谷賢太郎(19) 7.0 素晴らしいターンから同点ゴール。ボランチとして攻守に機能した。
エウシーニョ(18) 6.0 広い範囲をドリブルで進んでいく。78分のシュートは外した。
中野嘉大(22) 6.0 シュートチャンスを多く迎える。73分にはドリブルで中央突破した。
中村憲剛(14) 6.0 バイタルでボールを持てた。予測できない攻撃的なパスを繰り出す。
小林悠(11) 5.5 動きはよかったが、チャンスにあまり絡めなかった。負傷交代。
船山貴之(15) 5.5 前半のみ出場。37分、大島のラストパスをPA内でトラップできず。

■sub
HT(15)田坂祐介(35) 6.5 投入されてから攻撃が活性化した。2度の決定機を外す。
65(11)小宮山尊信(8) 5.5 小林の負傷により急遽投入される。浦和のカウンターをケアした。

■bench
西部洋平(21) 井川祐輔(4) 登里享平(23) 山本真希(6) 橋本晃司(7)

■coach
風間八宏 5.5 ベンチに置いた攻撃的な選手が少なかった。交代枠を1枚残す。

■referee
村上伸次 6.0 少しだけ判定がバラついたが、好ゲームをきちっと裁いた。