2016/03/27

160327川崎0-1福岡(YNC GL #2)

川崎0-1福岡(等々力, 15:00KO, 11,510人)

ヤマザキナビスコカップ第2節は福岡との対戦。
 スコアレスドローだったマリノス戦(YNC GL #1)から中3日。
 YNCでは2戦連続のホーム開催なので、勝利したい。

マリノス戦に続いて代表ウィーク期間中の開催。
 U23代表の奈良と原川、韓国フル代表のソンリョンが不在。
 フル代表からケガのため戻ってきた小林、同じくケガでU23代表を辞退した大島はベンチ外。

先発メンバーはマリノス戦から長谷川が外れて、三好が入る。
 板倉、大塚がシーズン初のベンチ入りを果たす。
 中村は、ケガの大久保とともにベンチ外となっている。

福岡は、U23代表にDF亀川諒史(18)、FW金森健志(7)が選出されている。
 2人ともJ1リーグ4試合に先発しているので、影響は川崎と同程度。
 また、チーム事情でU19代表を辞退したFW邦本宜裕(27)は、ベンチ外だった。

■1st half
福岡は5バック4ボランチで守ってくる。
 FWウェリントン(17)が前線に残っているだけ。

攻撃はウェリントンへのロングボールが中心。
 ただ、ロングボール一辺倒ではなく、ショートパスでも押し上げていた。
 バランス良く守ってセカンドボールを拾い、いい時間帯を続けた。

川崎はスペースがなくて前にボールを運べない。
 ネットが左右に散らしたり、2列目に当てたりしたが、パスが引っかかる。
 コースを塞いでくる献身的な福岡の守りにはめられていた。

ボールは長く持つことができたが、決定機は少ない。
 三好がシュートを4本放ったが、スコアレスで折り返す。

■2nd half
後半開始から、森谷に代えて大塚を投入。
 川崎での初出場となった大塚は、2トップの一角に入る。

徐々に川崎の動き出しが少なくなってくる。
 セカンドボールが回収できなくなって、福岡がボールを持つ時間が長くなる。
 ウェリントンへのロングボールが、ほとんど通るようになり、押し込まれる。

ネットの運動量が少なくなると、パスが回らない。
 谷口はボールを受けてからの判断が遅く、前に出すことができない。
 2列目が顔を出すことも少なく、数的不利のサイドに追い込まれてボールを失った。

78分、ネットのミスパスから始まったカウンター。
 ウェリントンの素晴らしいボレーシュートを新井がスーパーセーブ。
 しかし、続くCKで、DF田村友(26)にゴールを決められた。
 田村をマークしていた車屋が、身体を寄せることができずにフリーで跳ばせた。

残り10分。橋本が投入されたが、福岡のプレスは止まらない。
 ボールを持っても前に出せず、バックパスや横パスで時間を自ら使う。
 ゴールに近づくこともできないまま、タイムアップ。

■summary
福岡の守りを崩すことができなかった。
 5バックで固められ、スペースがない中、バイタルでの精度を欠いた。
 14本のシュートを打ったが、決定機はほとんどなかった。

森谷、田坂が交代すると、2列目でパスの受け手が少なくなる。
 ボランチがパスを出せず、福岡のコースを切る守備の餌食になって、空回りが続いた。
 中3日の影響か、試合にあまり出ていない選手が多いためか、福岡よりも先に動けなくなった。

内容に見るべきものがなく、結果も出なかった。
 プレー機会が少ないメンバーが出場したことが、強いていえば収穫といえる。
 ただ、YNCは、サテライトリーグや練習試合ではない。
 残念な試合だったことは変わらない。

YNCは予選リーグ2試合を終え、1分1敗で7チーム中6位に沈む。
 挽回して2位を確保するのは難しい状勢になった。
 残り4試合、すべて週末のJ1リーグの狭間の水曜日開催。
 YNCでは今後も大きなターンオーバーを続け、上位との差が詰まることを願うしかない。

福岡は統制が効いた守備で川崎の攻撃を封じた。
 攻撃はウェリントンの強さに頼っていたが、パスもつないでいた。
 守って守ってチャンスを待つというのは、必ずしも面白いサッカーではない。
 しかし、昇格チームとして現実的な選択をしていると思う。

■goal
79田村友(26)

■judge
新井章太(30) 6.5 30分、78分とスーパーセーブを見せる。失点はノーチャンス。
エウシーニョ(18) 5.5 キープ力はあったが、サイドの狭いスペースに追い込まれた。
井川祐輔(4) 5.0 守備では不安定さがあり、最終ラインのパス回しはタッチが多くなった。
エドゥアルド(23) 6.0 後半はウェリントンに手を焼く。44分、数的不利で完璧に守る。
車屋紳太郎(20) 4.5 フリーで田村にヘディングを許し、失点に関与。クロスもいまひとつ。
ネット(21) 5.5 よいプレーは見せたが、後半、動きが少なくなりミスパスも目立った。
谷口彰悟(5) 5.0 判断が遅く、パスのタイミングを失う。横パスやバックパスに逃げがち。
森谷賢太郎(19) 5.5 密集の中でプレーに絡めず。もっとスペースを探して動きたかった。
三好康児(26) 5.5 シュートを積極的に放ったが、ゴールを脅かすことはできなかった。
田坂祐介(6) 5.5 マークを剥がすため工夫して動いたが、効果は少なかった。CKを担当。
森本貴幸(9) 5.0 ポストプレーは収まらず、ボランチと離れてパスを引き出せなかった。

■sub
46(19)大塚翔平(27) 5.5 2トップに入り走り回った。停滞した攻撃を活性化できなかった。
67(6)長谷川竜也(16) 5.5 70分、2枚抜いて左クロスを上げる。81分のシュートは吹かした。
83(4)橋本晃司(7) 5.0 周囲の足が止まっていた。88分、バックパスをミスしてCKを与えた。

■bench
安藤駿介(24) 板倉滉(28) 中野嘉大(22) 狩野健太(25)

■coach
風間八宏 5.5 新たな選手を積極的に起用したが、結果は出せなかった。

■referee
池内明彦 4.5 62分、副審が旗を上げたオフサイドを採用しないなど、不可解な判定が続く。

2016/03/24

160323川崎0-0横浜FM(YNC GL #1)

川崎0-0横浜FM(等々力, 19:00KO, 15,644人)

J1リーグは4試合を終え、勝ち点1差の首位で迎えた代表ウィーク。
 2試合開催されるヤマザキナビスコカップは、予選リーグのBグループに入る。
 開幕戦は横浜Fマリノスとのホームゲーム。
 甲府戦(J1 #4)から中3日で、水曜日の19時キックオフ。
(マリノスも鳥栖戦(2-1で勝利)から中3日です。160329追記)

フル代表に小林悠、U-23代表に奈良と原川、韓国フル代表にソンリョンが招集。
 大島もU-23代表に招集されたが、右足首のケガで辞退している。
 大久保も左太もものケガで、福岡戦(YNC GL #2)も含めて出場しない見込み。

昨年同時期の代表ウィークは、大島がU-22代表に招集されただけ。
 今回招集を受けた5名のうち、3名が今年の加入で、良い補強をした影響といえる。

甲府戦に続いての先発は、エウシーニョ、エドゥアルド、車屋、谷口、森谷の5人。
 GK新井、井川、ネット、長谷川、田坂、森本の6名は新たに先発する。
 今シーズン初出場となるのは、GK新井と長谷川。
 そして、長谷川にとってはデビュー戦となる。
GK安藤、登里、小宮山がシーズン初のベンチ入り。


マリノスから代表招集はないが、直近のJ1リーグ鳥栖戦から先発11人全員を変更。
 YNC第2節に試合が組まれていないため、次の試合までは中9日ある。
 それでも、エリク・モンバエルツ監督は思い切ったターンオーバーを行った。

■1st half
前半は完全に川崎がペースを握る。
 ボランチに入ったネットと谷口に対するプレスが少なく、余裕があった。
 前線への細かいパスやワンツーを駆使して、早く前にボールを運ぶ。
 リズムよく人もボールも動かすことができていた。

マリノスは中央をがっちり固めていた。
 そのため、川崎はサイドからの攻撃が多くなった。
 コーナーキックが前半だけで5回、シュートは8本。
 19分の森本のヘッドなど、決定機はあったがゴールは決まらない。

マリノスは攻めることができず、守りっぱなし。
 36分、MF天野純(29)が惜しいシュートを放ったのが、ほとんど唯一の攻撃。
 ボールを奪っても、川崎のプレスをかわすことができなかった。

■2nd half
後半も川崎がゲームを支配する。
 ただ、運動量が落ちはじめ、ラインが間延びしてくる。
 2列目の森谷、田坂の動きが減り、ボランチとの距離が開く。
 ボールの受け手が少なく、苦しいパスが増える。

ずっと耐えていたマリノスが、前でボールを奪取できるようになる。
 お互いにオープンな展開となってきて、ゴール前での攻防が増える。
 82分、右の森谷からのクロスを長谷川がヘッド。
 ゴール正面でフリーとなっていたが、バーの少し上に外してしまった。

終盤には逆にマリノスが多くの決定機を作る。
 76分、CKからDFファビオ(5)が頭で合わせるが、ポストに当たる。
 86分にMF三門雄大(6)、90+3分にFW伊藤翔(16)が決定的なシュートを打つが、GK新井がストップした。

マリノスの攻撃は、セットプレーとカウンターが中心。
 川崎の最終ラインには落ち着きがなく、簡単にバランスを崩した。
 ボールを奪っても、すぐに相手ボールになってしまう。
 それでもGK新井とエドゥアルドを中心に守り、無失点で済ませることができた。

■summary
YNCの初戦は、両チームとも選手を入れ替えてきた。
 マリノスは攻撃の核となる選手が不在だった。
 守備はDF栗原勇蔵(4)を中心に、きちっと中央を固めた。
 終盤にはカウンターで攻勢を仕掛け、内容を考えれば上々の引分け。

川崎はメンバーが変わっても、よい攻撃を仕掛けていた。
 ネットが早くパスをサイドに供給して、スペースがない中、打開を図った。
 サイドからの崩しが多く、車屋、エウシーニョからクロスが上がる。

しかし、ゴール前では迫力に欠けた。
 大久保、小林悠が欠場したため、純粋なFWは森本だけ。
 森本がマークされると、2列目の選手にサイズがないため、チャンスが少なくなった。

チームの心臓といえる大島を故障で欠き、中村も途中出場。
 それでも内容はとても良かった。
 もったいないドローだが、試合終盤の失速を考えれば悪くない。

収穫は、出場機会が少なかった選手が活躍したこと。
 ネットは素晴らしかったし、長谷川もそれなりに動けていた。
 エドゥアルドは主戦級の活躍を見せ、新井も光っていた。
 代表組が戻ってきても、自動的にポジションが空くことがないかもしれない。

谷口は、試合ごとにCB→右SB→左SB→ボランチとポジションが固定されない。
 絶対的な存在だった去年と違い、エドゥアルド加入後、熾烈な競争の中でプレーしている。

次は日曜日、中3日の福岡戦。
 再びのホームで、勝ち点3をとっておきたいところ。

■goal

■judge
新井章太(30) 7.0 ほとんど仕事がなかったが、終盤に決定的なシュートを2本防ぐ。
エウシーニョ(18) 6.0 右サイドからのクロスでチャンスを作る。中へのドリブルは少なめ。
井川祐輔(4) 5.5 59分、MF前田直輝(25)に抜かれる。62分、シュート。長く前線に留まる。
エドゥアルド(23) 7.0 正確なロングパス。82分、PA内でMF遠藤渓太(18)からカット。
車屋紳太郎(20) 6.0 左からクロスを多く供給。合わせる選手が少なく、正確性を欠いた。
ネット(21) 6.5 パスの供給源として十二分な出来。後半、疲れから上下動が少なくなった。
谷口彰悟(5) 6.0 ボランチでバランスを取る。69分、CBに下がると中盤が空いてしまった。
森谷賢太郎(19) 5.5 CK、FKを蹴る。ギャップを作ったが、後半はあまり顔を出せなくなる。
長谷川竜也(16) 5.5 まずまずのデビュー。ドリブルも面白かった。82分のヘッドは決めたい。
田坂祐介(6) 5.0 運動量が少なく、密集地帯では窮屈だった。サイドに出ても良かったかも。
森本貴幸(9) 5.5 最前線に張り、マリノス守備陣と1人で対峙。守備のチャージが荒かった。

■sub
58(6)中野嘉大(22) 5.0 65分のミドルは左に外れる。ドリブルは活きなかった。
69(4)中村憲剛(14) 5.0 推進力を生む。守備は機能せず。86分、三門に決定機を許すロスト。
83(16)三好康児(26) 5.5 劣勢な時間帯で、ボールに触る機会が少なかった。

■bench
安藤駿介(24) 登里享平(2) 小宮山尊信(8) 狩野健太(25)

■coach
風間八宏 6.0 ターンオーバーしつつ、機能させた。交代策も良かったが、結果は出なかった。

■referee
山本雄大 6.5 必要な場面に限った笛。ゲームの面白さを引き出した。

2016/03/20

160319甲府0-4川崎(J1 #4)

甲府0-4川崎(山梨中銀スタジアム, 14:00KO, 9,567人)

2試合ホームが続いて、開幕戦以来のアウェイ。
 とはいっても、川崎からはほど近い山梨中銀スタジアム。
 浦和、大宮、柏あたりと比べても、行きやすいと感じる。

朝から雨が降っていて、天気予報も芳しくはなかったが、午後は晴れた。
 14時のキックオフ時点では青空が広がって、気温も上がっていた。
 ゴール裏はアウェイ側のほうがびっしり埋まっている。


名古屋戦(J1 #3)をインフルエンザで欠場した小林悠が先発に復帰。
 森谷(左WG→右WG)、エウシーニョ(右WG→右SB)、谷口(右SB→左SB)、車屋(左SB→左WG)と時計回りに4人のポジションを動かした。
 狩野は先発からサブに回り、エドゥアルド・ネットが初のベンチ入り。
 橋本と三好がサブから外れている。

■1st half
甲府は序盤から、小林悠と大久保の2トップに対して5バックで守る。
 自陣深く下がっているので、大島と中村へはプレスがかからない。
 両サイドにスペースがないため、中央から攻略を仕掛ける。

7分、中央で小林悠がドリブルを仕掛けるがファウルで止められる。
 ここで得たFKに対して、甲府は10人全員で壁を作る。
9分、この壁の上をきれいに抜いて、中村がゴール左上に決める。

先制されても甲府は攻めてこない。
 攻撃はFWクリスティアーノ(9)とFWニウソン(10)の2人にお任せ。
 2人の個人技で仕掛けるが、サポートが少なく単発。
 守りで引き過ぎているため、攻撃で人数をかけられなかった。

25分、中村の右CKから大久保がシュート。
 DFに防がれ、こぼれたボールを谷口が拾ってターン。
 倒れながら最前線の森谷に柔らかいパスを出す。
 ゴールを背にした森谷は、トラップで前を向き、GKとの1対1を制してゴール。

2点差となっても、甲府はまだ動かない。
 ようやく40分すぎから、前に人数をかけてくるようになる。
 43分にはクリスティアーノのシュートがバーを叩くが、決まらなかった。

■2nd half
後半、甲府は早い選手交代を行うが、やはり攻めてこない。
 川崎の攻撃もバランスを取りながら。ゆっくりした時間が流れる。

66分、中村がショートコーナーで大島からリターンを受ける。
 中に人数を揃えていたが、クロスは出さずにそのままシュート。
 GK河田晃兵(1)が空けていたニアサイドを抜き、今日の2ゴール目を決めた。

3点差となって、やっと甲府は前に出てくる。
 クリスティアーノを中心に、ゴール前でプレーする機会が増える。
 チャンスは作れていたが、ゴールは決まらない。

余裕を持った川崎は、田坂、森本、エドゥアルド・ネットを相次いで投入。
 少しずつ間延びしてきたため、オープンな展開となってくる。

87分、ネットから田坂へ縦パス。
 トラップで華麗に前を向いた田坂が、森本とのワンツーで抜け出してゴール。
 奇しくも、交代出場した3選手だけで、中央から崩し切った。

■summary
甲府は自陣に引きこもってワンチャンスを待つゲームプラン。
 しかし、失点を重ねてもプランを変えてこなかった。
 クリスティアーノが奮闘していたが、1人で趨勢は動かせない。

3点目を失ってから、攻撃に人数を掛けて押し上げてきた。
 ただ、3点差を30分で追い付くのは、かなり難しい。
 早い時間に失点したのは仕方がないが、同点を狙う姿勢をせめて見せてほしかった。
 あまりにも消極的で、4ゴールが決まりつつも、見どころが少なかった。


川崎は早くに先制点、次々に追加点が決まる理想的な展開。
 サイドは閉じられていたが、中央から果敢に攻撃した。
 ボールを持っても奪いに来ないので、ゆっくりしたペースをパスを回し、圧勝した。
 田坂やネットなど、テストの要素が強い選手起用も行うことができた。

次は代表ウィーク。
 ナビスコカップの予選が始まる。
 小林悠がフル代表、大島、奈良、原川がU23代表、ソンリョンが韓国代表に招集される。
 原川を除いたレギュラー4人が抜けるので、代わりの選手のプレーが楽しみ。

■goal
9,66中村憲剛(14) 25森谷賢太郎(19) 87田坂祐介(6)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 後半、すべてのシュートを止めきる。ハイボールをしっかりキャッチ。
エウシーニョ(18) 6.5 サイドは狭かったが、独特のリズムのドリブルで、中央を突いた。
奈良竜樹(3) 6.5 ボールに向かって出るところと引いて守る判断が的確。躊躇がなかった。
エドゥアルド(23) 7.0 ニウソンにきちっと競り勝った。トラップ良くパスも前に出す。
谷口彰悟(5) 6.5 ボランチの横で組み立てる。1アシスト。1年以上続くフル出場が途切れる。
大島僚太(10) 6.5 足首痛を抱えつつも、ショートパス、ドリブルでミスがなかった。
中村憲剛(14) 8.0 2ゴールともにゴラッソ。バランスを崩さずゲームをコントロールした。
森谷賢太郎(19) 6.5 バイタルでボールを受ける。完璧なトラップでゴールを決めた。
車屋紳太郎(20) 6.0 ウィングとしては役目が少なかった。3点差となってサイドを攻撃する。
大久保嘉人(13) 6.0 余裕がある展開で、流し気味だった。足を気にする姿が目立った。
小林悠(11) 6.0 復帰戦で動きはまだまだ。77分にGK1対1となったが決められなかった。

■sub
73(5)田坂祐介(6) 6.5 左ウィングでパスを引き出す。ゴールの1つ前のトラップは芸術的。
77(19)森本貴幸(9) 6.5 ハイボールやポストで頑張る。田坂のゴールを完璧にアシスト。
85(10)ネット(21) 6.0 公式戦デビュー。ボールロストはなかったが、位置取りは今ひとつ。

■bench
新井章太(30) 井川祐輔(4) 中野嘉大(22) 狩野健太(25)

■coach
風間八宏 6.5 選手交代は少し遅かったが、起用した3人がそれぞれ機能した。

■referee
佐藤隆治 5.0 試合結果に影響はなかったが、ファウルの判定が川崎に偏っていた。

2016/03/13

160312川崎3-2名古屋(J1 #3)

川崎3-2名古屋(等々力, 19:00KO, 16,513人)

湘南戦(J1 #2)に続いてのホームゲームは中6日。
 3月中旬の土曜日、19時キックオフ。
 16,513人と観客も少なく、寒くて厳しい環境だった。

先発には、湘南戦でサブだったエドゥアルドが入る。
 小林悠がインフルエンザの影響で、急遽欠場した。
  外れる予定だった森谷が先発メンバーに名を連ねた。
 エドゥアルドはLCBで出場する。谷口がRSBに回り、エウシーニョが1列上がった。

サブには橋本が今シーズン初めて入っている。

名古屋はここまで1勝1分で、川崎と同じ勝ち点4。
 他チームは第3節をすでに終えていて、勝ったチームが首位に立つ。

■1st half
序盤は川崎が攻勢に出る。
 2ボランチに対するマークが緩く、面白いようにパスがつながる。
6分、大久保のミドルレンジのパスから、エウシーニョが中央に切れ込んでゴール。
 パスワークで名古屋DFを揺さぶり、美しい軌道を描いたゴールだった。

その後も攻勢を続けるが、20分過ぎから名古屋が守備パターンを変える。
 中村と大島の2ボランチの間にFWが立って、パスコースを切る。
 ボランチがボールを持っても、フリーで受けられる選手が見つからない。
 前へのパスが届きにくくなり、シュートを打てない。

26分、ほとんど攻撃できなかった名古屋がワンチャンスを仕留める。
 FWシモビッチ(9)がポストで落として、MF松田力(38)がゴール。
 守備の人数は揃っていたが、広いスペースをカウンターで使われた。
 松田にはエドゥアルドが付いていたが、早いタイミングのシュートで寄せられなかった。

■2nd half
後半開始から、狩野に代えて森本を投入。
 森本が前線で動いて名古屋のラインを押し下げて、間延びさせる。
 ボランチも早く縦に入れることでプレスを外していた。

押し込む時間帯が長くなったが、そのぶん両SBは上がりっぱなし。
 攻撃は厚いが、カウンターにさらされると、人が少なく厳しくなった。

63分、MF永井謙佑(11)が左から中央にドリブルで切れ込んでシュート。
 谷口がドリブルに付き切れず、永井をフリーにしてしまった。

1点ビハインドとなって、69分、RCBの奈良に代えて中野を投入する。
 中野は左ウィングに入り、森谷が右ウィング、谷口がRCB、エウシーニョがRSBとなる。

75分の中村のCK。
 DF安田理大(33)が水を飲んでいて、スペースを空けてしまう。
 ショートコーナーから、中村がそのスペースを使ってセンタリング。
 GK楢崎正剛(1)を越えるボールを、大久保が頭で叩きこんで同点とする。
 楢崎はラインを割ったと強くアピールするが、映像では出ていないようにも見えた。
 ただ、安田のプレーは油断によるもの。残念だった。

80分、永井が1点目と同じように中央からシュート。
 ゴールネットを揺らしたが、松田がプレーに関与したとしてオフサイド判定。
 松田はGKソンリョンを倒したため、単純なファウルでもよかった。

84分にはスローインから森本が落として中村がミドルシュート。
 ゴール中央に向かい、バウンドしてコースが逆に動き、GK楢崎は止められず。

逆転された名古屋はセットプレー中心に力強く仕掛ける。
 惜しいチャンスは作るが、ロスタイムに井川を投入して逃げ切った。

■summary
名古屋はカウンターとセットプレー頼みの攻撃。
 つないでくることはなかったが、単純な攻撃であっても脅威を生み出した。
 FWシモビッチは高さだけでなく、ポストプレーも上手かった。
 動き回る永井、松田と役割が整理され、少ない人数でも効率的に攻めた。

川崎は試合開始からスムースにシュートまで持ち込めていた。
 前半途中でリトリートされたため膠着したが、後半に入ると再度、攻め続けた。
 押し込む時間が長く、両SBが高い位置まで進出したため、カウンターはCB2枚で守る。
 シモビッチの高さと永井のスピードを生かすロングボールへの対処で後手に回った。

加入して2週間のエドゥアルドが初先発し、谷口がRSBに回る。
 エウシーニョを1列上げたが、小林悠が欠場したため、前線は迫力を欠いた。
 後半、森本が入ると改善されたが、ゴール前の仕事は狩野には荷が重かった。

第3節終了時点で2勝1分で勝ち点7の単独首位。
 勝ち点6のチームが6つあるので、少しの差だが、うれしいこと。

■goal
6エウシーニョ(18) 75大久保嘉人(13) 84中村憲剛(14)
26松田力(38) 63永井謙佑(11)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 2失点ともに動けず。せめて飛びつきたい。46分、55分にビッグセーブ。
谷口彰悟(5) 5.5 RSBとしてパス交換に参加する。PA横からの右クロスは精度を欠いていた。
奈良竜樹(3) 5.5 シモビッチの高さに苦しみながら抑える。パスミスでカウンターを招く。
エドゥアルド(23) 5.5 高さで貢献する。松田のゴールは、寄せが甘くなってしまった。
車屋紳太郎(20) 6.5 左サイドから積極的に上がってチャンスに絡む。11分、ミドルシュート。
大島僚太(10) 6.5 62分、強烈なミドルがバーを叩く。マークに付かれても前にパスを出した。
中村憲剛(14) 7.5 1ゴール2アシストで勝利に導く。守備では大島に大きな負荷を与える。
エウシーニョ(18) 6.5 左足で先制ゴール。永井のカウンター対応でポジションを下げ気味。
森谷賢太郎(19) 6.0 ギャップに入って、ボールを引き出す。決定的な仕事はできなかった。
狩野健太(25) 5.5 最前線でボールは収めるものの、ゴールに向かうアイディアが少ない。 
大久保嘉人(13) 6.5 DFを剥がし、フリーで同点ゴール。少し下がりミドルパスを供給した。

■sub
HT(25)森本貴幸(9) 6.5 決勝アシスト。53分には決定機なシュートを楢崎に弾き出される。
69(3)中野嘉大(22) 6.0 ゴールに一直線に向かっていくドリブルを見せていた。
90(10)井川祐輔(4) 5.5 クローズ要員でボランチに投入。ファウルもするがバランスを保つ。

■bench
新井章太(30) 橋本晃司(7) 田坂祐介(6) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 7.0 前半途中でいったん失速してしまったが、後半の選手交代で盛り返した。

■referee
村上伸次 6.0 イエローを早めに出したが、笛は抑制的に吹いていた。

■おまけ

試合終了後のアウェイ席。
緑色の柵がいくつか倒れている。
永井のゴールの際、サポーターが柵を越えてグラウンドに侵入して倒したもの。
喜ぶのはよく分かるが、最低限のルールは守ってほしい。

Jリーグ共通観戦マナー&ルール
「フィールドには、絶対に入らないでください。」

2016/03/06

160305川崎4-4湘南(J1 #2)

川崎4-4湘南(等々力, 15:00KO, 21,871人)

J1チャンピオン広島との開幕戦(J1 #1)から中6日。
広島戦に続き、苦手な湘南を等々力に迎えてのホーム開幕戦。

先発メンバー11人は広島戦と同じ。
ベンチには新たに三好とエドゥアルドが入る。
 エドゥアルドは、広島戦のあと、柏(J1)から加入したばかり。
 代わりに長谷川と原川が外れている。

天候は晴れ。後半からは風が出て、雲がかかった。

■1st half
湘南は川崎の最終ラインに強いプレスをかける。
比重が前掛かりになっていて、ボランチの先に川崎がつなぐと、チャンスとなる。

10分すぎから川崎が崩し始め、13分、中盤でボールカット。
 カウンターを仕掛けると、左に流れた狩野がクロスを入れる。
 森谷がスルーしたところで、大久保がゴール。
 トラップは少し足元に入ったが、ステップで調整してゴール右上に決めた。

先制後も波状攻撃を仕掛けていたが、20分。
 FW高山薫(23)が左クロスを上げると、GKソンリョンが余裕を持ってキャッチ。
 そこへFWキリノ(9)が身体を当て、ソンリョンがボールをこぼしてゴールに入る。
 キャッチ後の接触であり、しかもキリノはボールに触っていない。
 それでもゴールは認められ、同点となった。

同点になって湘南はプレスを再び強めていく。
 川崎は同点となったショックを払拭しきれない。
38分、右サイドから湘南が攻撃。
 DF藤田征也(23)がミスキックしたボールに駆け込んだMF菊池大介(10)がゴール。
 森谷の反応が遅れ、菊池大介に追い越され、クリアできなかった。

リードされた直後39分、大久保のラストパスで小林悠が抜け出す。
 きれいなループを右ポストに当てて決め、同点に戻した。

続けて41分。DF三竿雄斗(6)の右CKでサインプレー。
 後ろから走り込んできたMFパウリーニョ(5)がダイレクトでゴール。
 エウシーニョが振り切られ、空いたスペースを上手に使われた。

めまぐるしい展開となったロスタイム。
 大島の縦パスを、柔らかいトラップから小林悠がゴールを決める。
 3対3で前半を終える。

■2nd half
森谷と狩野を下げて、中野と森本を入れる。
 ボランチの近くでバランスをとる2人を外し、前線に厚みを加える。
 ゴール前に人数をかけたが、中盤と前線の距離は少し空いた。

湘南のプレスはさすがに弱まるが、大島と中村は厳しくマークされる。
 ただ、サイドには大きなスペースが空いている。
 中野と車屋のコンビで左サイドを攻め込んで、クロスをたくさん入れた。

ずっと押し込む展開が続いていたが、77分。
 ボールロストから湘南のカウンターを浴びる。
 三竿の左アーリークロスに、フリーのDF岡本拓也(36)が合わせてゴール。
 戻る人数も少なくなり、やむなく決められてしまった。

決定機を作っても、GK村山智彦(1)のセーブなどで追い付けないまま、90分。
 最後の交代カードとして、中野に代えてDFエドゥアルドを入れる。
 ベンチには田坂や三好がいたが、パワープレイ要員としてDFを選択した。

そしてロスタイム。
 車屋の左クロスを小林悠が折り返す。
 ゴール前の森本が慎重に頭で押し込んで、同点に追い付くことができた。
最後に小林と大久保がシュートを放ったが、そのまま終了した。

■summary
湘南の強いプレスを受けながら、多くの決定機を作り出した。
 4得点は上出来だが、湘南もチャンスをゴールに結びつけた。

1失点目はジャッジの影響が大きかった。
 ただ、同点になっただけなのに、その後、リズムを崩してしまう。
 気落ちして、立て直せなかったことは残念だった。

風間監督の交代策は、広島戦に続いて積極的だった。
 森谷と狩野を下げたため、中盤のバランスが崩れ、間延びする。
 森本を入れ、2ゴールを決めていた小林を右サイドに動かす。
 エドゥアルドの起用は苦し紛れだが、結果として同点に追い付くことができた。

湘南はよく組織された良いチーム。
 結果はドローだったが、湘南を押し込めたことは良い兆候といえる。
 広島は決定機を逃してくれたが、これが何試合も続くわけはない。
 見ていて楽しいゲームだった。

■goal
13大久保嘉人(13) 39,45小林悠(11) 90+1森本貴幸(9)
20OwnGoal 38菊池大介(10) 41パウリーニョ(5) 77岡本拓也(36)

■judge
ソンリョン(1) 4.5 1失点目はゴール側にボールを落とす。残り3失点のうち、1つは止めたい。
エウシーニョ(18) 5.0 3失点目でマークを外す。左サイドに比べ、チャンスを作れなかった。
奈良竜樹(3) 6.0 ハイボールを跳ね返し、ラインを上げる。もっと周囲を鼓舞したいところ。
谷口彰悟(5) 5.0 失点後気落ちして精度が落ちる。縦パスがカットされて、ピンチを招いた。
車屋紳太郎(20) 7.5 左サイドを突いてクロスを何度も上げた。6分、83分に惜しいシュート。
大島僚太(10) 6.0 カウンター対応に奔走。決定的なパスを出した。小林の2点目をアシスト。
中村憲剛(14) 5.5 気の利いたパスを繰り出す。後半は前掛かりになって、スペースを空けた。
森谷賢太郎(19) 5.0 2失点目で大きな判断ミス。クリアしきれずに、ゴールを許してしまう。
狩野健太(25) 6.5 大久保のゴールをアシストする。車屋とペアを組み、左サイドを崩した。
大久保嘉人(13) 6.5 1ゴール。他にも良いシュートを放った。小林悠の1点目をアシスト。
小林悠(11) 7.5 2ゴール1アシスト。特に2点目は美しいトラップからの素晴らしいプレー。

■sub
46(19)中野嘉大(22) 6.5 左サイドからチャンスを作る。最後は交代させられてしまう。
46(25)森本貴幸(9) 6.5 2つ目の決定機で同点ゴール。相手を削る荒いプレーが目立った。
90(22)エドゥアルド(23) 5.5 パワープレイ要員として入るが、ハイボールが来なかった。

■bench
新井章太(30) 井川祐輔(4) 田坂祐介(6) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 6.5 エドゥアルドの投入は疑問だったが、結果的に同点に追い付く。

■referee
高山啓義 4.0 1失点目はファウルを取るべきだった。少し湘南寄りの笛となっていた。