2016/04/30

160429G大阪0-1川崎(J1 #9)

G大阪0-1川崎(市立吹田サッカースタジアム)

前節浦和戦(J1 #8)に敗れ、首位から2位に順位を下げた。
ガンバの新しいホーム、市立吹田サッカースタジアムが完成した。
川崎は初めてのプレーする。
これまでの万博記念競技場では、J1リーグで3分8敗。
YNCとACLで勝ったことはあるが、去年、天皇杯4回戦でも万博で敗れている。

ガンバが出場しているACLの影響で、GW初日の金曜日開催。
開始前には通り雨もあったが、晴れて青空が広がる。
13時キックオフ。やや気温は高め。

先発は浦和戦から2人が変わった。
車屋と森谷が先発。ケガの田坂と出場停止のエウシーニョが外れた。
浦和戦で10針縫う裂傷を負った奈良は出場する。

右SBにはいつもと逆のサイドとなる登里が回る。
谷口が大島とボランチを組み、中村がトップ下に上がる。
ベンチには、4週間のケガから長谷川が戻ってきた。

ガンバはJ1リーグでは4勝4敗。
8位と調子が上がっていない。
ACLでは1試合を残して予選リーグ敗退が決まっている。

■1st half
川崎は縦に早くボールを展開する。
2ボランチが持つと、中村と森谷が下りてきてボールを受ける。
前線との距離感が良く、きちっとパスを回せていた。

ガンバはFWパトリック(29)へのロングボール主体。
FW宇佐美貴史(39)がサテライト的な動きを見せる。
奈良とエドゥアルドが2人を自由にさせず、チャンスは少ない。

20分過ぎから川崎の時間帯。
22分、中村のスルーパスに抜け出した小林がGK東口順昭(1)と1対1。
小林は左にかわして抜け出したが、東口の足がかかって倒れ込む。
PKのように見えたが、接触が弱かったためか、ノーファウルの判定。

29分、森谷からのパスを受けた中村が、小林とワンツーでGKとの1対1を迎える。
シュートはわずかに右に外れたが、多くのパスがつながる美しい展開だった。

30分、ようやく先制する。
大久保が右の小林にパスを出して、するするとゴール前へ。
小林が切り返してクロスを上げ、ヘッドで大久保が決めた。

32分、パトリックと15分に接触していたソンリョンが倒れ込む。
立ちあげれず、新井がスクランブルで出場する。

43分、ユースから昇格1年目のDF初瀬亮(35)が、角度がないところからシュート。
新井がパンチングで防ぎ、ゴールは決まらなかった。

■2nd half
1点を追うガンバは攻勢を仕掛ける。
64分、パトリックを下げてFW呉屋大翔(23)を投入。
この交代でロングボールが少なくなり、細かくボールをつないでくる。
宇佐美も左サイドに張り出したが、登里が攻め上がりを自重してマークにつく。

川崎は自陣に押し込まれる時間が続くが、陣形を維持する。
大島と谷口が、最終ラインに吸収されることなくバランスを取る。
後半だけで9本のCKを与えたが、崩される場面は少なかった。

最も危なかったのは82分。
MF今野泰幸(15)のスルーパスで呉屋が新井と1対1となる。
飛び出してきた新井の股を抜くシュートを放つが、わずかに左に外れた。

終盤、選手交代で試合を終わらせる。
84分、ネットをボランチに投入して中盤を引き締める。
90+3分、三好を入れ、ボールホルダーに向かって前から追った。

■summary
ガンバのプレスは弱め。
FWも献身的に守る浦和と異なり、パトリックと宇佐美は守備での動きが少ない。
そのため、川崎の最終ラインとボランチは余裕を持ってプレーできた。

中村と森谷が中央に位置取り、パスの距離感が絶妙。
左右にウィングを置くいつものスタイルよりも機能した。
ボランチがプレスを掛けられても、前後左右にパスコースを用意できた。

20分からの決定機を多く作り、30分に大久保が決めた。
リードしてからは、パスをつなぎながら攻撃を仕掛ける。
フリーになる動きと素早いパス出しで、いい形で展開できていた。
シュートは少なくなったが、悪くはなかった。

ガンバの攻撃はパトリックと宇佐美が主体。
ロングボールで前後の距離が遠くなり、全体的な押し上げが少なくなった。
もっとバイタルでボールを動かすことができれば、チャンスは増えたと思う。
CKも13本あって、ゴール近くには迫ったが、決定機は少なかった。

J1リーグでは、ガンバとのアウェーでの初勝利。
ガンバがJ2に降格した2012年にも負けている。
万博では勝てなかったが、新しいスタジアムで勝てた。

浦和戦の敗戦から立ち直って勝利を収めた。
まだまだ首位の浦和とは勝ち点2差にとどまる。
次から次へとゲームがやってくる。
ケガ人が続出する中、負けないことが大切なこと。

■おまけ











市立吹田サッカースタジアムは素晴らしい競技場。
観客席がピッチに迫り、角度ある高い客席でとても見やすい。
ただ、屋根が大きいため、芝の生育は少し厳しいかもしれない。

また、観客が退出する動線がとても貧弱。
大阪モノレールの万博記念公園駅までの歩道の広さが十分でない。
33,941人と観客が多かったこともあり、1時間経ってもスタジアム周辺の混雑は続いた。
別ルートを作ったり、臨時で歩道を広げるなど、人の流量を増やすよう改善を期待したい。

■goal
30大久保嘉人(13)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 15分、パトリックに激突されるがボールは離さず。32分に交代。
登里享平(2) 6.0 馴れない右SBだったが守備をそつなくこなす。攻撃は控えめだった。
奈良竜樹(3) 6.5 ケガをおして出場。宇佐美をマークして自由にさせず、サイドに追いやる。
エドゥアルド(23) 6.5 パトリックへのロングボールを競りあう。60分、パトリックに抜かれるが自らカバー。
車屋紳太郎(20) 5.5 左SBで守備で貢献。攻め上がって空けたスペースをカウンターで狙われる。
谷口彰悟(5) 5.5 ボランチで出場。CBからボールをもらって前を向く。後半、危険なパスミスが増えた。
大島僚太(16) 6.0 ボールを失わず、小気味良くリズムを作った。45+3分、宇佐美のシュートをブロック。
中村憲剛(14) 6.5 22分、小林へスルーパス。29分にはGK1対1となるが外す。前のポジションで躍動した。
小林悠(11) 6.5 22分に素晴らしいトラップで東口との1対1を作る。大久保のゴールをアシスト。
森谷賢太郎(19) 5.5 パスを受けるポイントとなる。前半はピッチにシューズが合わないのかミスを多発。
大久保嘉人(13) 6.5 30分、難しいクロスを頭でゴール。前節より走れていた。39分、PA前でFKを与える。

■sub
32(1)新井章太(30) 6.0 キック精度に難があった。83分、呉屋に股を抜かれるが、ゴール左に外れる。
84(19)ネット(21) 5.5 ボランチに入り、ボールホルダーに寄せて中盤のスペースを埋めた。
90+3(14)三好康児(26) 5.0 3分間の出場で、前線からチェイス。イエローカードをもらう。

■bench
橋本晃司(7) 長谷川竜也(16) 中野嘉大(22) 狩野健太(25)

■coach
風間八宏 6.5 登里の右SBという苦しい策を成功させた。中村と森谷の配置で中盤を活性化した。

■referee
山本雄大 5.0 東口が小林を倒したところはPKをとるべきだった。間の取り方が悪く、試合が荒くなってしまった。

2016/04/24

160424川崎0-1浦和(J1 #8)

川崎0-1浦和(等々力)

水曜日にヤマザキナビスコカップ柏戦(YNC GL #4)を挟み日曜日のJ1リーグ。
等々力に勝ち点差1で3位の浦和を迎える。

先発は先週のFC東京戦(J1 #7)から3人が変わる。
谷口、大島、登里が入り、車屋、原川、森谷が外れた。
原川はYNC柏戦でケガをしたようで、ベンチ外。

YNC柏戦でも先発したのはソンリョン、奈良、谷口の3選手。
登里、中村、小林は交代出場していて、他の選手は1週間空いている。

浦和は水曜日、ACLでシドニーFCとアウェイで戦っている。
ACLではグループステージを突破した。
シドニーFC戦と先発8人が同じで、移動距離も長い。
コンディションでは、川崎が有利な状況。

■1st half
浦和は積極的なプレスを仕掛ける。
やみくもに追いかけるのではなく、チーム全体で連動しながらパスコースを切る。
中村、大島は最終ラインまで下がらないとボールを受けられない。
CBがサイドに出すと、囲まれて蹴らされて回収された。

浦和はゆっくりとボールを回す。
川崎もプレスを掛けるが、浦和はGK西川周作(1)に躊躇なくバックパス。
守備時に激しく走っている分、攻撃では省力化して体力を温存した。

29分、FW興梠慎三(30)がPA手前の中央でドリブルシュート。
素晴らしい弾道だったが、惜しくも左ポストに当たる。

30分すぎから、浦和の守備の距離が広がってくる。
川崎がボールを前を向いて持てるようになる。
40分、登里からの長いパスで抜け出した小林が左サイドからクロス。
ゴール前の田坂がフリーでシュートするが、右に外してしまった。

■2nd half
後半開始から、田坂に代えて車屋を投入する。
谷口が右SBから右CBにシフトして、車屋が左ウィングに入る。
エウシーニョも右ウィングに上がり、今シーズン初めて3バックとした。

CBが3枚となって浦和のプレスの人数が足りなくなる。
パスがつながって押し込むが、引いた浦和はカウンターで攻勢に出る。

50分、興梠がシュートするが、ソンリョンが豪快にセーブ。
続いて54分、DF森脇良太(46)がMF李忠成(20)にロングパス。
李がヒールで落としたところにMF武藤雄樹(9)がシュート。
ゴール右隅にしっかり決まった。
ダイレクトプレーが続き、守備が振り回されてしまった。

よい時間帯にリードして、浦和は時間を稼ぎ始める。
リスタートや選手交代でなるべく長くプレーを止める。
守備ではゴール前に深くラインを引いて、走る距離を少なくする。
攻撃は川崎の高いラインの裏を狙ってのカウンター。
ブロックを固める戦術で体力を温存して、最後まで破綻しなかった。

川崎はサイドから車屋がチャンスを作るが、ゴールは決まらない。
登里に代えて森谷、最後に負傷で奈良に代えて中野を投入。
しかし、どちらも目立ったインパクトを残せなかった。

■summary
先制点が生まれるまで、鬼気迫る攻防が繰り広げられた。
浦和は54分に先制し、自陣に引き籠ってスペースを消す。
その後は両チームとも残り時間を考えたプレーが多くなり、見応えは少なくなってしまった。

川崎は浦和の足を止めることを狙っていた。
しかし、前半からボールを持たれ、浦和にゆっくりしたプレーを許す。
イーブンの時間帯を続けていれば、チャンスは生まれたと思うが、その前に失点した。
リードした浦和は急ぐ必要がなくなり、走り続けることができた。

内容的に歯が立たないことはなかったが、多くのチャンスを作ったのは浦和。
守備でも献身的な動きが目立った。
1点差で負けたのは、妥当な結果だった。

J1リーグで初めての敗戦。
首位から陥落し、浦和とは勝ち点2差の2位となった。
YNCを含めれば3敗目で、柏戦から連敗となる。

次節はアウェイのガンバ大阪戦。
去年までの万博記念競技場では良い結果が少なかったが、市立吹田サッカースタジアムでの初めてのゲーム。
奈良がケガをしたため、状況は厳しいが、楽しいサッカーを見たい。

■goal
54武藤雄樹(9)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 6.5 50分に興梠のシュートを止めて、多くのクロスへの対応も完璧。
エウシーニョ(18) 5.0 24分、小林にスルーパス。後半、3バックでチャンスに絡めなかった。 
奈良竜樹(3) 6.0 86分に負傷交代。19分に武藤をPA内で止めるなど、果敢に前に出た。
エドゥアルド(23) 6.0 77分、頭でのバックパスが大きくなってCKを与える。パスはやや弱いが、よく守る。 
谷口彰悟(5) 6.0 左サイドからの攻撃を守り切る。CBに回ってからボランチへのパスが良かった。
大島僚太(16) 6.0 パスを出して前に動いた。カウンターを受けても身体を寄せて粘って守る。
中村憲剛(14) 5.5 プレスが早く余裕がなく、受ける動きも少なく、ロングパスを出せなかった。
登里享平(2) 6.0 外に開いてパスを呼び込んでドリブルで仕掛けた。60分、CKからの流れでシュートを空振り。
田坂祐介(6) 5.5 イエローをもらってからもファウルを繰り返す。前半で交代。40分に決定機を外す。
小林悠(11) 5.0 トラップで相手DFを剥がしても、素早く寄せられてシュートできなかった。
大久保嘉人(13) 4.5 FC東京戦のケガの影響か、走れなかった。シュートも当たらなかった。

■sub
46(6)車屋紳太郎(20) 6.0 48分、75分と左サイドからPAに向かうドリブルでチャンスを作る。
68(2)森谷賢太郎(19) 5.0 中を固められてスペースがなく、ボールを受けることができなかった。
86(3)中野嘉大(22) 5.5 時間少なく、プレーする機会が少なかった。

■bench
新井章太(30) エドゥアルド・ネット(21) 橋本晃司(7) 三好康児(26) 

■coach
風間八宏 5.0 後半、3バックにして成果を出す前に失点してしまう。3枚目の交代枠は積極的に使いたかった。

■referee
木村博之 6.5 偏りなく的確に判定した。セットプレーで熱くなった選手を、時間をかけて落ち着かせた。

2016/04/23

160420柏2-1川崎(YNC GL #4)

柏2-1川崎(日立台)

ヤマザキナビスコカップ第4節は、水曜日、日立台でのアウェイ。
YNCはここまで1勝1分1敗。Bグループの7チーム中2位。
新潟戦(YNC GL #3)で大勝して、突破の可能性が高くなった。

土曜日のFC東京戦(J1 #7)から先発7人が変わる。
ソンリョン、奈良、車屋、原川の4人が連続して先発。
柏からレンタル中のエドゥアルドは、契約上出場できない。

2週間前のYNC新潟戦と比べると、9人が同じ先発。
登里とケガの小宮山が外れて、中野と車屋が入った。
ターンオーバーを行っているYNCで考えれば、継続性のあるメンバー。

柏はYNCでは川崎と同じ勝ち点4で3位。
J1リーグ開幕後にエドゥアルドを放出し、3試合で新監督のミルトン・メンデスを解任。
下平隆宏が監督となる混沌とした状況で、現在、公式戦3連勝中と好調。

■1st half
両チームともに攻撃ではパスをつなぎ、守りでは高い位置からプレスをかける。
自陣に引き籠ることなく、果敢にラインを上げる。
お互いにプレスが早いのでパスがつながりにくい。

川崎がボールを持つと、パスコースを切られる。
ボランチがCBラインに落ちると、前線の4人の選手との距離が遠くなる。
中盤から前でボールを受けるとすぐに囲まれて自由にプレーができなかった。

柏もパスを回してチャンスを伺う。
無理して前にボールを運ぶよりも、CBに戻す選択が多く、怖さは少ない。

28分に奈良がミスパスをしてから、谷口が何度もパスミスを繰り返すようになる。
32分、谷口のパスミスからFWディエゴ・オリヴェイラ(11)、MF秋野央樹(17)に連続してシュートを打たれる。
ソンリョンとポストが防いだが、2本とも決定的なシュート。

38分にも谷口がミスパスし、続けて39分。
奈良が吊り出されたスペースを埋めるため、谷口が右サイドに流れて守備に当たる。
ソンリョンへの単純なバックパスが弱くなり、ディエゴ・オリヴェイラに拾われて失点。
難しいプレーではなく、目を覆いたくなるようなミスだった。

■2nd half
後半開始から登里、64分には中村を投入。
2人のおかげで少しずつ柏の中盤にスペースが生まれ、窮屈さが緩和される。

72分には橋本のCKをネットがヘッドで叩きこんで同点となる。
直後に小林を投入して、勝利を目指す。
前半のような停滞は少なくなるが、決定機を作るまでには至らなかった。

柏は少しずつ足が止まって、ファウルが多くなる。
PA近くからのセットプレーが増える。
奈良を中心にゴールを狙うが、決めることはできなかった。

ロスタイム、柏のカウンターを浴びる。
MF茨田陽生(8)が左からクロスボール。
ニアの谷口が頭で触ったが、跳ね返すことができず、後方ゴール前に落としてしまう。
そのままFW武富孝介(15)に押し込まれた。
谷口はソンリョンとMF田中順也(9)とかぶったが、再び大きなミスで失点を生んだ。

■summary
柏とは攻守ともに似たスタイル。
お互いの長所を消しあう展開。
前半20分過ぎから川崎が押し始めたが、CBの繰り返しのパスミスでリズムを失った。

流れの中では決定機は作れなかったが、セットプレーで同点に追い付く。
中村、小林を投入して勝ち点3を目指したが、ロスタイムに谷口のミスで失点。
谷口は後半もミスを繰り返していたが、最後までピッチに残されていた。

ネットと原川のボランチは、相手のプレスをかわせなかった。
パスのスピードが遅く、ポジショニングが中途半端。
前線に本職のFWがいないこともあって、攻撃パターンが限られた。

谷口は2失点に関与しただけでなく、他にも多くの致命的なミスがあった。
鹿島戦(J1 #5)でも谷口のクリアミスで失点を招き、勝ち点を失った。
しかし、この試合は、鹿島戦と比べられないくらい特別に悪かった。

奈良も含めてCBが悪く、良いところが少なかった。
それでも1点差の敗戦で済んだのは、チームの底上げが進んでいるためといえる。

YNCは第4節を終えて1勝1分2敗。
Bグループの4位に沈んだ。
残っているのは2試合で、2位の柏と勝ち点3差。
7チーム中4チームが1試合消化が少ないこともあり、2位は厳しい状況。
YNCでは引き続きターンオーバーを行いながら、選手層を厚くしたい。

■goal
39ディエゴ・オリヴェイラ(11) 90+4武富孝介(15)
72エドゥアルド・ネット(21)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 5.5 32分に決定機を止めたが、ロスタイム、ボールに触れずに失点した。
武岡優斗(17) 5.5 75分、右サイドから切れ込む。守備は少し対応が緩かった。
奈良竜樹(3) 5.0 守備は破綻しなかったが、ビルドアップでミスが目立つ。70分には決定機を与えた。
谷口彰悟(5) 3.5 終始ミスが続き、2失点に関与した。いつもの谷口からは考えられないプレーが多かった。
車屋紳太郎(20) 5.5 後半、左サイドから攻撃。ケガからの復帰後、少しずつ良くなっている。
エドゥアルド・ネット(21) 5.5 加入後初ゴールで同点。パススピードが遅く、トラップが大きい。57分、ラフプレーでイエロー。
原川力(15) 5.5 ボールに触る機会は多かったが、前に出せずにCBに戻していた。
橋本晃司(7) 6.0 12分にミドルシュートを放ち、72分にはCKでアシスト。もっと動きたい。
中野嘉大(22) 4.5 SBが上がっても重なってスペースを消す。ドリブルで仕掛けられず。
狩野健太(25) 5.5 8分、FKで奈良の決定機を生む。狭いエリアでのパスは相手に引っかかる。
三好康児(26) 5.5 よく走っていたが、ドリブルでボールを失うことが多かった。

■sub
46(25)登里享平(2) 6.0 ポジショニング良く、ボールを引き出した。75分にミドルシュート。
64(15)中村憲剛(14) 6.0 長短のパスでプレスを引きはがしたが、決定機は作れなかった。
73(7)小林悠(11) 5.5 ゴール前で待っていたが、チャンスが来なかった。

■bench
新井章太(30) エウシーニョ(18) 田坂祐介(6) 森谷賢太郎(19)

■coach
風間八宏 5.5 中村、小林と主力を投入したが勝てなかった。勝ち点を得るためには谷口を交代させるべき。

■referee
松尾一 6.0 抑制された笛。ネットの危険なタックルへのイエローは的確。

2016/04/17

160416FC東京2-4川崎(J1 #7)@

FC東京2-4川崎(等々力)

J1リーグ首位で迎える第27回多摩川クラシコ。
前節鳥栖戦(J1 #6)から中5日。
先発は7人が同じで、新たに車屋、原川、森谷、田坂が入る。
車屋はケガから復帰し、原川はJ1リーグで初先発。

外れたのは谷口、ネット、大島、登里。
大島は当日朝の発熱でベンチ外となり、残りの3人はベンチに回った。
先発の予定だった大島に代わり、原川が起用されたものと思われる。
谷口がJ1リーグで先発しないのは、2014年8月23日の横浜FM戦(2014 J1 #21)以来。

FC東京はACLを戦いながら、ここまで3勝3敗の9位。
昨年J1リーグ4位に導いたマッシモ・フィッカデンティに代えて、城福浩が新監督。

14日と当日未明に、熊本で大きな地震が起きた。
熊本出身の車屋と谷口に対するチャントが、最初に歌われる。
試合開始前にはスタジアム全体で黙祷が捧げられた。

■1st half
試合開始から両チームともコンパクトな陣形。
FC東京は、中村と原川のパスコースを切りながら、緩いプレスを仕掛ける。

4分、エドゥアルドが胸でトラップしたところをMF田邉草民(27)にさらわれる。
そのままカウンターでFWネイサン・バーンズ(16)がゴール。
エドゥアルドは頭でパスを出すべき局面で、判断のミスが失点につながった。

11分、中村がフリーでボールを持つ。
オフサイドラインから飛び出した大久保にロングパスを通す。
DF徳永悠平(2)がラインよりも下にいたため、オフサイドを取れなかった。
DF小川諒也(25)が追いすがったが、大久保のトラップとシュートの技術が上回り、同点ゴール。

FC東京はバランス良く守ってカウンターを仕掛ける。
川崎はバイタルを締め切れず、バーンズにチャンスを作られた。
しかし、コースを消される中でも執拗にパスをつなぎ、MF米本拓司(7)とMFハ・デソン(14)を走らせていた。

■2nd half
後半、FC東京のプレスは少しずつ緩み始める。
50分に大久保のシュートがバーを叩き、54分には小林がゴール前でフリーになる。
谷口からのロングボールをうまく処理してGK秋元陽太(47)をかわし、小林とゴールのあいだには誰もいない状態の「超」決定機。
練習でもありえないほどのチャンス。
蹴り込むだけだったが、シュートができなかった。

56分、小川のFKをFW前田遼一(20)が一歩前に抜け出してボレーでゴール。
前田の動き出しとシュートの質の高さが素晴らしかった。

再びビハインドを背負い、川崎は少し焦ってパスを出す。
リードしたFC東京は、守備に人数を割きながらボールを奪えばカウンターを仕掛ける。
59分、64分とバーンズが決定機を迎えるが、外してしまう。

76分、小林がPA内の大久保にパスを入れる。
大久保は4人に囲まれながらもボールを動かし、米本に倒されてPK。
確かに足はかかっていたが、米本とFC東京にとってPKの判定は厳しかった。

大久保がPKを決め、81分。
エウシーニョが斜め前方の小林に向かってグラウンダーのパスを入れる。
小林はトラップで徳永を振り切ってゴール。
54分よりも格段に難しいシュートだったが、決めてくれた。

FC東京の攻撃を凌ぎながら、ロスタイムの90+2分。
中盤でボールを持った中村がドリブルで右サイドに流れる。
米本がマークに付くが、コーナー近くで時間稼ぎされることを警戒してゴール側を空けてしまう。
PA内まで中村に入り込まれて、逆サイドのエウシーニョがフリー。
中村のセンタリングを頭で押し込み、試合を決めた。

■summary
後半、FC東京は1点リードの74分にバーンズ、同点の76分に前田を交代させた。
バーンズはカウンターでボールを持つと、なかなか止められなかった。
前田はGK秋元からのロングボールをことごとく味方に渡していた。
前半からFC東京の攻撃を支えていた2人がいなくなったことが、川崎の大きな勝因となった。

FC東京のボランチは前半から動かされて、後半、運動量が落ちていた。
プレスで川崎の攻撃を封じていたのだから、交代枠はボランチに割くべきだったと思われる。

川崎は狙っていたゲームプランを具現化した。
コンパクトなFC東京に苦しんだが、走らせて間延びさせて崩し切った。
2失点は良くなかったが、これを上回る決定力で勝つことができた。

首位はキープしたが、2位鹿島、3位浦和も勝ち、勝ち点差は1のまま。
次は中3日でヤマザキナビスコカップの柏戦。
エドゥアルドが契約上出場できないが、YNCはまだ予選突破のチャンスが残っている。
次の週末は、J1リーグで3位の浦和をホームに迎える。
内容ある楽しい試合を見せてほしい。

■goal
4ネイサン・バーンズ(16) 56前田遼一(20)
11,77PK大久保嘉人(13) 81小林悠(11) 90+2エウシーニョ(18)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 6.0 2失点ともにチャンスが少なかった。キャッチとリスタートが安定。
エウシーニョ(18) 7.0 58分に右SBからウィングに位置を上げ、試合を決める1アシスト1ゴール。
奈良竜樹(3) 6.0 何度もボランチにパスをつなぐ。前田のポストプレーを止められなかった。
エドゥアルド(23) 5.5 1失点目につながる胸トラップは判断ミス。それでも落ち込まずに守備を続けた。
車屋紳太郎(20) 5.5 ケガからの復帰戦。攻撃はまずまずだったが、35分に谷口と交代。
原川力(15) 6.0 J1リーグ初先発。中村とのバランスが良かった。後半、ボールをもらう動きが少なくなる。
中村憲剛(14) 7.5 2アシスト。決定機を演出してゴールを生んだ。ゲームを支配した。
森谷賢太郎(19) 5.5 ボランチのパスコースを作ろうと動いたが、ボールを受けられなかった。
田坂祐介(6) 6.0 サイドに張って多彩なパスを繰り出したが、素早い寄せに苦しんだ。
小林悠(11) 7.0 54分に超決定機を作るが外す。81分に難易度の高い決勝ゴールを決める。
大久保嘉人(13) 7.0 2ゴール。50分、ループシュートでバー直撃など攻撃を牽引。ロスタイムにレイトタックルでイエローをもらった上に自ら受傷した。

■sub
35(20)谷口彰悟(5) 6.0 左SBに入る。75分からボランチ。前にボールを出した。
58(19)武岡優斗(17) 5.5 投入直後の59分、ミスから決定機を与える。少しずつ落ち着く。
75(15)登里享平(2) 5.5 85分にドリブルでPA内まで攻め込む。リードした時間帯はしっかり引く。

■bench
新井章太(30) エドゥアルド・ネット(21) 狩野健太(25) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 6.5 的確な采配で逆転勝利を導く。車屋の見切りは早く、原川は長かったように思う。

■referee
西村雄一 5.0 PK判定は流すべきで、試合結果を動かした。これ以外は妥当なジャッジだった。

2016/04/11

160410川崎1-0鳥栖(J1 #6)

川崎1-0鳥栖(等々力, 15:00KO, 18,402人)

ヤマザキナビスコカップの新潟戦(YNC GL #3)に完勝して中3日。
 J1リーグでは、首位浦和に勝ち点1差の2位となっている。

前節鹿島戦(J1 #5)の先発メンバーから4人が変わる。
 武岡、森谷、田坂、森本が外れ、ネット、大島、登里、大久保が入る。
  大島と大久保はケガからの復帰。
  登里とネットは、YNC新潟戦で結果を出し、J1リーグで今季初先発。
 外国人選手4人が同時に先発することとなった。
  森本はケガでベンチ外となった。
  武岡、森谷、田坂はベンチに控えている。

YNC新潟戦から中3日で、続けて先発するのは最終ライン中心。
 GKソンリョン、奈良、谷口、登里、ネットの5人。
 レギュラーが流動的になってきて、層が厚くなってきた。

鳥栖はJ1リーグで14位。
 昨年までFC東京を率いたマッシモ・フィッカデンティが新監督。
 水曜日のYNC仙台戦(YNC GL #3)と先発9人が同じ。
 川崎と異なり、大きなターンオーバーはしていない。

■1st half
鳥栖は素早く強いプレスを仕掛けてくる。
 狙いどころが明確で、サイドに追い込んで蹴らせて回収する。
 ボールを奪ったら縦に早く向かって、アーリークロスを入れる。
 FKでも同じく、中央のFW豊田陽平(11)を狙った。

4分、FKからDFキム・ミンヒョク(5)のヘッドが右ポストに当たる。
 7分にもFKをFW岡田翔平(39)がヘッド。これも右に外れた。

川崎はネットと大島の2ボランチが鳥栖のプレスに苦しむ。
 中村がトップ下、大久保がワントップだったが、ボランチから距離が遠い。
 CBからボランチがパスを受けても、出しどころが少なかった。

22分、川崎は早くもシステムを変更する。
 中村がボランチに下がり、大島が右ウィングに回る。
30分ごろから、鳥栖のロングボールを回収できるようになる。
 ボールを保持し、ネットと中村がパスを交換する。

41分には大島を田坂に交代。
 風間監督が前半途中から戦術的な交代を行うのは珍しい。
 ケガが悪化したためでなく、大島が機能しなかったため、手を打ったもの。

■2nd half
後半になると、鳥栖のプレスが徐々に緩む。
 ネットがトラップでかわし、意欲的に縦に供給する。
 左サイドの登里を中心に、PA内まで持ち込むことが多くなる。

鳥栖は引き気味になり、スペースに蹴り込むカウンター主体の攻撃。
 49分に岡田がヘッド、69分には再び岡田がGK1対1の決定機を迎えるが、いずれもGKソンリョンが防ぐ。
 54分にはDF藤田優人(8)がゴール前にクロスを入れる。

川崎は立て続けに大久保の頭で決定機を作る。
 78分に田坂、88分に谷口、90分にFKから中村がクロスを供給。
 大久保はDFを振り切ってヘディングしたが、いずれも外してしまった。

ロスタイムの目安3分が経過した94分。
 左サイドで反転して抜け出した小林のクロスを、大久保がヘッドで決めた。

■summary
鳥栖はプレスで川崎を封じてきた。
 決定機は多くはなかったが、1つでも決めていれば、勝てたと思われる。
 後半はペースを落とし、最後に大久保に決められたが、悪くなかった。
 フィッカデンティ監督らしい、負けないサッカーを展開できている。

川崎は後半、時間が進むにつれてペースを握った。
 もっと早く鳥栖の足を止めたかったが、前半、ボールを動かす時間が短く、難しかった。
 それでも、立て続けに決定機を作り、最後の最後に仕留めた。

浦和が引き分けたため、J1リーグ首位に復帰。
 ただ、2位グループの鹿島と浦和とは、勝ち点差1にすぎない。

大島は開幕時には不動の存在だったが、ケガ明けとはいえ前半途中で交代。
 ネットや原川といった新戦力、コンディションを上げてきた登里が出場。
 森谷がベンチに座ったままで、戦力の底上げが浸透している。

今後は、目の前の試合だけではなく、コンディションの管理を含め、長いシーズンを俯瞰してベストの組み合わせを探ることが重要になる。

■goal
90+4大久保嘉人(13)

■judge
ソンリョン(1) 7.0 岡田の2つの決定機を止めた。ボールキャッチにミスがなかった。
エウシーニョ(18) 6.0 ドリブルで前に進めず。74分のミドルはGK林彰洋(33)がストップ。
奈良竜樹(3) 6.5 飛び出さず、中央で構えてカウンターに対処した。安定した守備に貢献。
エドゥアルド(23) 6.5 ファウルが多かったが、徐々に順応。高さを活かして抑え切った。
谷口彰悟(5) 6.0 守りはきっちり。パスは横や後ろに戻しがち。後半は積極的に攻撃に参加。 
ネット(21) 6.5 J1リーグ初先発。細かく動きながら、前に向かってボールをさばいた。
大島僚太(10) 5.0 トラップは良かったが、寄せられるとパスミスやロストが目立った。
中村憲剛(14) 6.0 43分、56分のFKを直接狙う。トップ下は機能せずも、ボランチで活躍。
小林悠(11) 6.0 1アシスト。トラップでDFの裏に抜け出す。ケガから復帰後、良くなってきた。
登里享平(2) 6.5 J1リーグ今季初出場。左サイドに大きく開いて受け、ドリブルで仕掛けた。
大久保嘉人(13) 6.5 2分、ミドルをバーに当てる。決定的なヘッドを再三外すが、最後に決めた。

■sub
41(10)田坂祐介(6) 6.5 気が利いたプレーで攻撃にアクセントを加える。61分、ミドル。
72(2)武岡優斗(17) 5.5 守備で奮闘し、78分、豊田からボールを奪う。攻撃には絡めず。
83(21)原川力(15) 6.0 J1リーグ初出場。ボランチに入る。まずまずのプレーを見せた。

■bench
新井章太(30) 森谷賢太郎(19) 狩野健太(25) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 7.0 大島が不調とみると、前半途中で動く。疲れの見えた登里、ネットの交代も的確。

■referee
中村太 5.5 判定にブレが見られたが、両チームに偏りはなかった。59分、PA内で谷口が倒されたのは、PKとすべき。

2016/04/08

160406新潟0-5川崎(YNC GL #3)

新潟0-5川崎(デンカビッグスワンスタジアム, 19:00KO, 8,404人)

ヤマザキナビスコカップ第3節は、水曜日、新潟とのアウェイ。
 YNCはここまで1分1敗で、Bグループ7チーム中6位。
 そのうち2チームは1試合消化が少ない状況で、予選突破は厳しくなっている。

YNC第1節、第2節は代表ウィークだったが、第3節では代表招集がない。
 先発は土曜日の鹿島戦(J1 #5)から7人が変わった。
 小宮山、登里、原川は今季初出場となる。
 さらに三好、狩野、橋本、ネットが先発に入った。

鹿島戦の先発メンバー6人がベンチに回る。
 GK新井以外はレギュラー組がサブに控えている。


新潟はYNCで1勝1敗でBグループ3位。
 土曜日のJ1リーグ福岡戦の先発から7人を変更。
 MFレオ・シルバ(8)がベンチ外で、フレッシュな顔触れ。
 広島から期限付移籍してきたばかりのMF野津田岳人(37)も先発している。

■1st half
試合開始から川崎は強くプレスに向かう。
 ボールを奪うと、縦に早くパスをつないで押し込む。
 新潟もプレスに来るが、狙いどころがあいまい。
 簡単にかわされて、ボールをつながれてしまっていた。

川崎がチャンスを量産して、先制点は8分。
 狩野のCKを、ニアのDF酒井聖福(23)がヘディングでクリア。
 しかしボールはPA中央に向かい、谷口が力を抜いたボレーでゴール。
 酒井には余裕があったが、サイド方向にクリアせず、失点を招いた。

2点目は20分、微妙な判定から。
 三好のスルーパスに抜け出した狩野がPA内で倒れる。
 酒井が後ろから追っていたが、少し距離があり、PKには値しないように見えた。
 PKは狩野が冷静に決めた。

3点目は23分、再び狩野のCKから。
 新潟はPA内に全員が戻ってゾーンで守るので、バイタルは空いている。
 狩野がバイタルの原川に出して、原川のクロスにフリーの谷口が頭で合わせてゴール。

前半は川崎のいいところばかりが目立った。
 新潟は1ボランチのMF小泉慶(25)の左右のスペースを使われる。
 前線がプレスをかけても、中盤との距離が遠く、ネットと原川のパス交換で打開される。

3失点する前に1ボランチを修正できれば、チャンスはあったと思われる。
 1ボランチは広いスペースを埋める必要があるため、個人の力量に左右される。
 レオ・シルバと同じ仕事量を小泉に求めるのは酷に感じた。

■2nd half
後半、48分に川崎が追加点を挙げて試合を決める。
 小宮山のクロスを三好が右足で素晴らしいトラップ。
 三好のシュートはGK川浪吾郎(22)が止めるものの、こぼれ球を橋本に蹴り込まれる。
 なお、川浪は大量失点したものの、多くの決定的なシュートを止めていた。

この後、新潟はワンタッチプレーが多くなり、ボールがつながる。
 しかし、川崎の最終ラインを崩し切るところまではいかなかった。
 ボールを持っても出しどころが少なく、バックパスに逃れると、スタンドから溜め息が漏れた。

83分にはカウンター。
三好のスルーパスに抜け出した狩野が落ち着いて決めて5点目。

88分、小宮山にアクシデント。
 酒井と交錯した際に、右足首を痛める。
 駆け寄った田坂がすぐに「×」を出すほど。
 担架に乗ってピッチを後にしたが、少しでも軽症であることを願う。
(4/12 右足関節骨折で復帰まで5ヶ月程度と発表)


■summary
両チームは同じようにターンオーバーしたが、大きな差が付いた。
 川崎はネットと原川のボランチが素晴らしく、守備陣も破綻なく守れていた。
 前線が好守に積極的に動いて、パスがきちっと出ていた。

特に初出場の原川はボールを受ける動きとトラップが良かった。
 パスを出すと少しだけ動いてフリーになる。
 味方のパスコースを作り続けることで、攻撃の選択肢を増やしていた。

新潟は1点目の酒井のクリアミス、2点目のPKの判定が痛かった。
 しかし、ボールを持っても川崎のプレスですぐに蹴り出してしまう。
 守ってはプレスが効かず、ラインを上げられない。
 セットプレーでマークを外すなど、いいところを探すことは難しかった。

5点差は、内容的にも妥当。
 勝ち点3だけでなく、得失点差を大きく稼ぎ、YNC予選突破の可能性を増やした。

ビックスワンでは、川崎のチャンスやゴールのリプレーも流してくれた。
 ホーム側の映像しか流さないスタジアムが多い中、素晴らしいこと。

帰り際、新潟のサポーターから声を掛けられた。
 5月21日の再戦(J1 #13)での好ゲームを期待して、スタジアムを離れた。

■goal
8,23谷口彰悟(5) 20PK,83狩野健太(25) 48橋本晃司(7)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 66分、FWラファエル・シルバ(10)の至近距離のシュートを防ぐ。
武岡優斗(17) 6.0 攻め上がる必要がない展開となった。安定したプレー。
奈良竜樹(3) 6.0 少ない守備機会にきっちり仕事をした。6分、79分とCKを頭で合わせる。
谷口彰悟(5) 7.5 ラファエル・シルバを封じる。CBが最も適性あると思う。2ゴール。
小宮山尊信(8) 6.0 はっきりしたクリアなど、守備で安心感があった。ケガが心配。
ネット(21) 6.5 狭いエリアでもパスを大胆につなぎ、中央エリアを支配した。
原川力(15) 6.5 マークを外す動きを繰り返すことで、ボールを中継した。
橋本晃司(7) 6.5 48分のゴールは、フェイクでDFを剥がしてから右隅に蹴り込んだ。
登里享平(2) 6.5 ドリブルで仕掛けるなど、積極的に左サイドを崩していた。
狩野健太(25) 7.0 セットプレーからチャンスを作り出す。2ゴール。
三好康児(26) 7.0 ゴールは決められなかったが、多くの決定機に絡んだ。

■sub
68(2)田坂祐介(6) 5.5 ワンツーで縦に突破し、4点差で落ち着いていた攻撃を活性化した。
78(17)エドゥアルド(23) 5.5 CBに入ったが、プレー機会が少なかった。
84(7)森谷賢太郎(19) 5.5 右ウィングに入って、ボールを追いかけた。

■bench
新井章太(30) エウシーニョ(18) 中村憲剛(14) 小林悠(11) 

■coach
風間八宏 7.5 サブメンバーで好ゲームを演出した。交代枠の利用も的確だった。

■referee
福島孝一郎 5.0 PK判定は微妙だった。全体的に川崎寄りの判定が多かった。

2016/04/03

160402川崎1-1鹿島(J1 #5)

川崎1-1鹿島(等々力, 15:00KO, 23,955人)

代表ウィークにナビスコカップ2試合を挟み、2週間ぶりのJ1リーグ。
YNCではメンバーも落としたこともあって、1分1敗だった。

J1リーグは単独首位。
2位の鹿島を等々力に迎える。
なお、第5節を前日金曜日に行った浦和が勝ち、暫定で首位を譲っている。

先発にはU23代表に出ていた奈良(原川はベンチ外)、韓国代表のソンリョンが戻る。
フル代表を離脱した小林、福岡戦(YNC GL #2)を発熱で欠場した中村、2月11日の沖縄キャンプ水戸戦(TM)でケガした武岡が復帰。
今年のJ1リーグでは初めて田坂、森本が先発した。

大久保がベンチスタート、ケガで車屋、大島はベンチ外となった。
ケガ人が相次ぎ、2週間前の甲府戦(J1 #4)から先発3人が変わっている。

鹿島もYNCでは連敗を喫している。
ケガ人も少なく、代表組が戻ってメンバーは揃っている。

■1st half
鹿島は前線からプレスを仕掛けてくる。
川崎のボランチ、CBのパスコースを切って、ロングボールに追い込む。
簡単にボールを回収して、前に向かって早く攻め込んできた。

川崎は最初押し込まれたが、15分あたりからパスがつながる。
プレスをかいくぐり、ショートパスで前に進んで中央から切れ込んだ。

拮抗した中、27分。
自陣左サイドから谷口がスローイン。
森谷が戻し、前にフィードしようとした谷口がミスキック。
ゴール前に高くボールが上がり、落ちてきたところをMFカイオ(7)がゴール。
奈良はボールを見ていながら落下点に入れず、ソンリョンも触りに行かなかった。
3人のミスが重なって、過程が美しくないゴールが生まれた。
ただ、カイオのダイレクトボレーは美しかった。

36分、ボランチの森谷が田坂にボールをつける。
田坂は反転して前を向くと、ループで最前線の小林へ。
小林は鹿島DFを置き去りにして、ループでGKの頭上を抜き、エウシーニョが押し込んで同点。

■2nd half
後半開始から森谷に代えてネットを投入。
ネットはドリブルや長短のパスで、手薄なところを狙ってプレーしていた。

川崎は相変わらずセカンドボールが拾えない。
プレスされるとロングボールに逃げて、鹿島がボールを握った。
少しずつ間延びすると、鹿島の攻撃が冴える。
カイオを中心に左サイドから崩されて、PA内まで持ち込まれる。

47分のカイオ、90分のFW鈴木優磨(34)のシュートをソンリョンがセーブ。
51分の遠藤康(8)、77分の土居聖真(25)はゴールに押し込むだけのシュートを外す。
エドゥアルド、奈良が懸命にコースを切っていた効果もあるが、決まらなかったのはラッキーだった。

川崎の攻撃はカウンターが多くなる。
ゴール前まで早く運ぶが、シュートに持ち込めない。
鹿島のCB植田直通(23)と昌子源(3)にきっちり抑え込まれた。

58分には大久保を投入したが、ケガの影響で走れず、消えていた。
80分、小林とのワンツーからフリーでエウシーニョがシュートを放ったが、浮いてしまう。

■summary
見るべき価値のある充実したゲームだった。
技術水準が高く、判断のスピードも早く、目まぐるしくボールが動いた。

結果はドローだったが、後半に決定機を多く作っていたのは鹿島。
ゴールに流し込むだけの場面もあったが、外してくれてドローに終わった。

川崎にとっては、内容を考えれば勝ち点1は良い結果。
失点はお粗末だったが、守備が破綻せず、ソンリョンと両CBがゴールに立ちはだかった。
攻撃は大島が欠場し、ボールの展開力はいつもと同じではなかった。
しかし、代役を務めた森谷とネットが、それぞれの特徴を見せながらボールを動かした。
決定機やシュートチャンスは少なかったが、それなりの攻撃ができていた。

ソンリョンや最終ラインがボールを持つと、鹿島がパスコースを切ってきた。
ロングボールを蹴らされて、鹿島がルーズボールを早い出足で拾って、攻撃を続けた。
負けパターンに完全にはめられていたものの、それでも負けなかった。

J1リーグでは浦和に次ぐ2位となったが、いい位置に付けていることは変わらない。
次は中3日、アウェイでYNC新潟戦。
YNCは1分1敗で予選リーグ突破は厳しい状況。
主力に休養を与えながら、フレッシュなメンバーを起用したい。
特に、出場機会が少ないU23代表の原川のプレーを見たい。

■goal
36エウシーニョ(18)
27カイオ(7)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 45+1分の遠藤、90分の鈴木のシュートをセーブ。失点は触りたかった。
武岡優斗(17) 5.5 ケガからの復帰戦。カイオには手を焼いていたが、まずまずの出来。
奈良竜樹(3) 6.0 失点シーンは目測を誤る。52分、致命的なミスもピンチを自分で止めた。 
エドゥアルド(23) 6.5 ハードワークを忠実にやり続けて、ゴールを許さなかった。
谷口彰悟(5) 4.5 ポジションが変わりすぎて、器用貧乏に陥る。クリアミスで失点。  
森谷賢太郎(19) 5.5 ボランチ。ポジショニングとショートパスで大島の欠場を埋めた。
中村憲剛(14) 6.5 39分、72分と小林へ決定的なパスを供給。ミドルパスで攻撃を牽引。
エウシーニョ(18) 6.5 同点ゴールを決める。80分の決定機は吹かしてしまった。
田坂祐介(6) 6.0 左ウィングでボールを引き出す。カウンターを浴びても戻りは万全。
小林悠(11) 6.0 決定機をいくつか迎えたが、効果的にシュートできず。同点アシスト。
森本貴幸(9) 5.5 最終ラインと駆け引きしてスペースを生む。ロングボールを拾えなかった。

■sub
HT(19)ネット(21) 5.5 パス、トラップとも良かった。攻撃時にCBと並んでプレー。
58(9)大久保嘉人(13) 5.0 ゴール前で狙い続けたが、動きにはキレがなかった。
82(17)中野嘉大(22) 5.5 85分、PA内に入り込んでCKを獲得。ドリブルは効いた。

■bench
新井章太(30) 井川祐輔(4) 狩野健太(25) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 6.5 ケガ人が相次ぐ中、効果的な選手起用を行って、影響を抑えた。

■referee
飯田淳平 7.0 タイミング良くカードや笛を織り交ぜて、ゲームをコントロールした。