2016/07/24

160723川崎1-0FC東京(J1 #22)

川崎1-0FC東京(等々力)

ドローの磐田戦(J1 #21)で連勝は4で止まった。
ただ、年間順位2位の鹿島、3位浦和も引き分けて、差は詰まらず。
4位広島、5位横浜Fマリノス(2ndステージ首位)、6位G大阪、7位大宮もドロー。
首位の川崎も含めて、上位陣が足踏みした第21節だった。

第22節はFC東京との第28回多摩川クラシコ。
オリンピック代表に大島と原川が招集されて最初の試合。
2週前の名古屋戦(J1 #19)で3~4週間のケガをした中村が早くも復帰。
大島の抜けたボランチに入った。
ベンチからは登里と原川が外れ、森谷と中野が入った。

FC東京はここまで年間10位。
DF室屋成(6)とMF中島翔哉(39)がオリンピック代表で抜けた。
1stステージ、味の素スタジアムでの対戦(J1 #7)は、2度リードされながらも4点を奪って逆転勝ちした。

■1st half
川崎がボールを持って押し込んでいく。
特に左サイドで、重層的なパスワークを構築する。
車屋がサイドライン沿いに張って、大塚と橋本が近寄っていく。
中村も加わり、ショートパスで攻撃していった。

FC東京は4バック4ボランチの守備的な布陣。
サイドは空けて、中央を2ラインで狭く締めてくる。
ただ、2トップのFWムリキ(11)とFWネイサン・バーンズ(16)は守備で追いかけない。
そのため、中村とネットが余裕を持ってボールを持てた。

4分には大塚がポスト、15分には橋本がバーに当てるシュート。
川崎は決定的なチャンスは多かったが、FC東京のブロックの動きが早く、決まらない。

35分、MF米本拓司(7)が右ヒザを痛める。
MF高橋秀人(4)が突然投入されたが、中盤のバランサーとして機能した。

■2nd half
後半もFC東京はしっかり守ってくる。
右MF河野広貴(17)と左MF東慶悟(38)がアップダウンを繰り返す。

60分、大塚に代えてエドゥアルドを投入。
CBに入れて、谷口をボランチに、中村をトップ下へとそれぞれ1列上げる。

井川とエドゥアルドのCBの連携が整う前の65分。
高橋から2人の間に出された長いスルーパス。
オフサイドを狙った井川の動きにエドゥアルドが遅れてしまい、ムリキが飛び出す。
絶体絶命の1対1となったが、ソンリョンが落ち着いて右手でブロックした。

この直後、谷口と中村を再び1列下げて、3バックとする。
中央のエドゥアルドを井川と谷口が挟んで、FC東京のカウンターを封じていく。

FC東京は両サイドの上下動が鈍くなり、バイタルも空いてくる。
67分、小林がバーに当てて、74分には大久保の決定的なシュートをGK秋元陽太(47)が防ぐ。
川崎が攻勢を続ける中、81分。
橋本のFKの流れから、車屋が左サイドからクロス。
小林がDF森重真人(3)に競り勝ってヘッドでゴールを決めた。

FC東京は85分にFW平山相太(9)を入れて同点を狙う。
ロスタイムに2回、平山がロングボールをさばいてチャンスを作ったが、ゴールは入らなかった。

■summary
川崎は中村が復帰したものの、大島が離脱。
大島はチームの中心として活躍していただけに、戦力ダウンは否めない。

それでも、引いてきたFC東京の守備を打ち破って勝利することができた。
バーやポストに3回当てて、最後は小林が決勝ゴール。
大久保の決定力が落ちているのは気がかりだが、悪くない結果。

FC東京の城福浩監督はこの試合の結果、解任された。
3年前まで指揮を執ったランコ・ポポヴィッチの攻撃サッカーは魅惑的だった。
ただ、結果を出せなかった。
そこで守備的なマッシモ・フィッカデンティを招聘。
フィッカデンティは、守備を整備して攻撃はカウンター頼り。
見ていて面白くはなかったが、J1リーグで4位になり、ACLプレーオフの権利を得た。
それなのにフィッカデンティと契約延長せず、城福を選んだ結果がこの7月の解任。
首尾一貫しない監督選びで、迷走を繰り返している。

■goal
81小林悠(11)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 7.0 65分、ムリキの決定機を止める。素晴らしいストップで勝ち点3を呼び込んだ。
エウシーニョ(18) 6.0 左サイドで東を抑え込みながら、きっちり攻撃にも顔を出した。
井川祐輔(4) 6.0 安定していたが、エドゥアルドとのペアは成熟が必要。77分、FKを与えるファウル。
谷口彰悟(5) 6.5 ハイボール処理やシュートブロックで守り切る。ロングボールも供給。
車屋紳太郎(20) 6.5 決勝アシスト。多くのクロスを供給。50分にはカウンターを防ぐ。
中村憲剛(14) 6.0 ケガ明けでの出場。運動量は少なかったがゲームをコントロールした。
エドゥアルド・ネット(21) 6.5 攻守に貢献度大。59分にバーンズを倒してイエローをもらう。
小林悠(11) 6.5 多くのチャンスに絡みながら、最後に5戦連続ゴールを決めた。
大塚翔平(27) 6.0 ショートパスの起点となる。ボールを持って前を向く機会が少なかった。
橋本晃司(7) 6.5 ゴール前に位置取りシュートを多く放つ。15分のバー直撃シュートは惜しかった。
大久保嘉人(13) 6.0 中盤に落ちてラストパスを供給。いいタイミングのシュートもあったが入らなかった。

■sub
60(27)エドゥアルド(23) 5.5 65分にムリキに決定機を与えてしまう。その後は鬼気迫る守備を見せた。
82(7)武岡優斗(17) 5.5 右ウィングに入る。ドリブルで時間をうまく使った。

■bench
新井章太(30) 田坂祐介(6) 森谷賢太郎(19) 中野嘉大(22) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 6.5 後半、めまぐるしくポジションを動かして、ついにゴールを奪う。3人目の交代枠を残した。

■referee
佐藤隆治 6.0 ファウルとイエローの判断が的確だった。