2016/08/22

160820浦和1-2川崎(J1 #26)

浦和1-2川崎(埼玉スタジアム)

鳥栖戦(J1 #25)に敗れ、続けてのアウェイは浦和戦。
J1リーグでの敗戦は、ホーム浦和戦(J1 #8)まで遡ることとなる。

車屋は鳥栖戦に続いて欠場。
登里や小宮山も離脱していて、左SBをこなせる人材がいない。

左SBの不足を解決するために、3バックを採用。
急遽鳥栖戦で左SBに入った武岡は、3バックの右CBに入った。
今シーズン初めて先発する中野が左CBの谷口と左サイドを構成する。

リオ・デ・ジャネイロで予選リーグで敗退して戻ってきた大島が先発復帰。
帰国のための長い移動とインフルエンザ罹患があったが、ボランチでネットと組む。
中村が1列前に上がって、小林と大久保の3人の前線。

鳥栖戦と比べ、新たに大島と中野が先発して、長谷川はベンチへ、橋本はベンチ外となった。
ベンチからは大塚と出場停止の三好が外れ、田坂と森谷が入る。
さらに先週2種登録を済ませたばかりのデューク・カルロスもベンチ入りを果たした。

浦和は年間では勝ち点2差の2位、2ndステージは1位。
直近のJ1リーグで10戦負けなしと好調を維持。
オリンピック代表から興梠と遠藤が戻ってきたが、いずれもベンチスタート。

■1st half
浦和は2分、いきなりMF高木俊幸(13)が決定機を迎えるが、シュートを外す。
高い位置からのプレスで川崎のボールホルダーを追い込む。
DF森脇良太(46)とMF駒井善成(18)を軸に、右サイドから崩してきた。
この2人には中野が対応していたが、サポートが少なく荷が重かった。

川崎はボールを持つと愚直に中央から崩していく。
ボランチ2人と中村が三角形を作り、ボールを運ぶ。
車屋が欠場したこと、浦和が5バック気味に守ることから、サイドからの展開は少ない。

15分、小林が戻したボールをフリーの中村が蹴り込む。
GK西川周作(1)の逆を突き、狭いニアサイドを抜いて先制する。

浦和は失点後も攻撃を続ける。
27分、森脇のクロスがソンリョンと武岡の間に入り、こぼれ球をFW李忠成(20)が蹴り込む。
武岡は李に軽く押されて倒れてしまい、クリアできなかった。

■2nd half
後半開始直後の47分、MF武藤雄樹(9)のシュートをソンリョンがキャッチ。
至近距離から放たれた強いシュートだったが、難なく止めた。

浦和は54分にはスルーパスで打開し、MF宇賀神友弥(3)に決定機。
ソンリョンがゴールを空けていたが、シュートは浮いた。

川崎は前線3枚がむやみにボールを追いかけすぎない。
しっかり守って、攻撃は引き続き中央から。
中村が浦和の2ボランチのポジションを動かして、最終ラインとの距離を広げていく。

74分、大島がドリブルで3人を抜き去ってPA手前まで侵入。
6対4と数的有利を作り出して、エウシーニョの右からのクロスを森谷がゴール。
中野と71分に交代したばかりの森谷は、ゴール前に入るコースとタイミングが完璧だった。
浦和は戻りが遅く、マークできない選手を作ってしまった。

追いつくために浦和はDF槙野智章(5)を上げて攻める。
森脇も交代してしまったため、逆に川崎のカウンターが面白いように決まる。
82分の中村のシュートは西川がスーパーセーブ。
83分の大久保のゴールはハンドの判定。
追加点は奪えなかったが、低い位置でパスを交換して前を狙い、じっくりと時間を使っていく。

武藤が88分に決定機を外して、試合は終わった。

■summary
川崎が年間首位、2ndステージは勝ち点3差の2位。
浦和が年間で勝ち点2差の2位、2ndステージ首位。
前節鳥栖に川崎が敗れたことで、勝ち点差も狭まってこの試合を迎えた。

1stステージの対戦はミスの少ない攻防だった。
しかし、この試合はクオリティは下がった。
川崎にも浦和にもミスパスがあったが、それでもレベルの高いゲームだった。

浦和は5度の決定機(2分、27分、47分、54分、88分)を作り出した。
ダイレクトパスやスルーパスで川崎の守備のギャップを突く。
しかし、ゴールは1つだけ。
ソンリョンが立ちはだかり、シュートも枠に飛ばなかった。

川崎は中央からの攻撃で、きれいなゴールを2つ決めた。
ボランチを動かし、ショートパスのためのスペースをバイタルに作る。
後半リードしてから多くの決定機を迎えたが、決めきれなかったのは課題。

結果は妥当。ただ、ドローでもおかしくはなかった。
緊迫感があり、見るべき価値のある攻防だった。

次に浦和と対戦したら、勝てるかどうかは分からない。
チャンピオンシップで可能性がある。今から楽しみ。

■goal
27李忠成(20)
15中村憲剛(14) 74森谷賢太郎(19)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 7.0 47分の武藤の決定機を間一髪で止める。勝ち点3を呼び込む。
武岡優斗(17) 6.0 右のCBで落ち着いたプレー。失点シーンでは李に押されて倒れた。
井川祐輔(4) 6.0 前半はラインを上げられず。後半は改善。足をつって途中交代。
谷口彰悟(5) 6.5 カバーに奔走しながら中央を固める。サイドの中野へのフォローは足りなかった。
大島僚太(10) 6.5 74分の3人抜きのドリブルは圧巻。病み上がりで動きは少なかった。
エドゥアルド・ネット(21) 7.0 中央でバランス良くスペースを埋める。大島を力強くサポート。
エウシーニョ(18) 6.0 左サイドで劣勢になりながらギリギリで守る。完璧なクロスで決勝アシスト。
中野嘉大(22) 5.5 1対1のドリブルで2度抜かれる。守備の負荷が高く、自らのドリブルは活きなかった。
小林悠(11) 6.5 素早いトラップとシュートで高い技術を見せる。フリーの中村を見つけてアシスト。
中村憲剛(14) 6.5 1点目はゴラッソ。82分のシュートは逆に西川が素晴らしかった。パスミスも散見。
大久保嘉人(13) 6.0 ファウルをもらってポイントを作る。83分のゴールは、ハンドの判定。


■sub
71(22)森谷賢太郎(19) 6.5 投入直後に決勝ゴール。左サイドの局面を優位に持ち込む。
78(4)エドゥアルド(23) 6.5 積極的にボールホルダーとの間合いを詰める。試合を落ち着かせる。

■bench
新井章太(30) 板倉滉(28) 田坂祐介(6) 長谷川竜也(16) デューク・カルロス(32)

■coach
風間八宏 7.0 車屋の不在を埋める解を3バックに見出した。ロスタイムに交代カードを切りたい。

■referee
西村雄一 6.5 適正なジャッジでビッグゲームをうまくコントロール。