2016/09/11

160910川崎3-1福岡(J1 #28)

川崎3-1福岡(等々力, 19:00KO, 23,759人)

代表ウィークによる中断を挟んで2週間ぶりのJ1リーグ。
前節柏戦(J1 #27)で大敗を喫したが、2位浦和も負けて勝ち点差は5のまま。
フル代表の小林、大島、U19代表の三好、韓国代表のソンリョンがそれぞれの代表から復帰。

前週は天皇杯2回戦(天皇杯 R64)
代表組が不在の中、ブラウブリッツ秋田(J3)に逆転で勝った。

天皇杯秋田戦の先発から、5人が外れる。
新井、武岡、森谷はベンチに、大塚、中野はベンチ外となった。
代わりに代表帰りのソンリョン、大島、小林と、エドゥアルド、田坂が先発する。
ベンチからは高木、長谷川、デューク・カルロスが外れ、橋本、三好が入る。

柏戦の先発と比べると、森谷とケガの井川が外れて、エドゥアルド、田坂が入っている。


福岡とは今シーズン3試合目。
ナビスコカップで負け(YNC GL #2)J1リーグではドロー(J1 #16)
それぞれYNCグループリーグの敗退、1stステージで優勝を逸す大きな原因となった。

ここまで福岡はJ1リーグで年間18位。
この2週間でルヴァンカップ準々決勝2試合、天皇杯1試合を戦っている。
水曜日の天皇杯では延長120分プレーして、中2日の試合。

■1st half
川崎は田坂が右CBに入る3バックでスタート。
田坂にはぎこちなさも見えたが、ワンタッチパスで右サイドからリズムを作った。

福岡は自陣深くに引いてブロックを作る。
5バック4ボランチで、1トップにはFW金森健志(7)。
ボールホルダーにプレスを掛けず、ゴール前で待ち構える。
金森の位置が自陣ゴール寄りとなるほど、引いていた。

川崎はプレッシャーなくボールを長く持てる。
両サイドにはスペースが少なく、中央からの攻撃が主体。
ネット、大島、中村だけでなく、田坂からも縦パスが入る多彩な攻撃。
パスの出し手が多く、福岡が間合いを詰めても簡単にかわした。

大きなチャンスはCKから生まれる。
15分、谷口が中村の左CKをヘッドで斜めにシュート。
しかし、強い弾道はGKイ・ボムヨン(23)の正面だった。
29分にはまったく同じ形で、谷口が中村の左CKをヘッド。
今度は緩やかにボールが弧を描き、GKの頭上を越えてゴールに収まった。

福岡は攻撃の形をほとんど作れず。
守りに守ってなんとか1失点で済ませることができた。

■2nd half
後半開始直後の47分。
車屋のショートパスを中村がPA内からシュート。
至近距離のシュートをGKがストップし、転がったボールはMFダニルソン(6)がキープ。
ダニルソンはGKにキャッチさせたかったが、背後から中村にボールを突かれてしまう。
ボールはそのままGKの股も抜いてゴールに転がった。

ダニルソンの判断ミスを見逃さない中村の泥臭いゴール。
ゴールのすぐ近くでのプレーで、ダニルソンにクリアする時間は十分にあった。
攻撃の手段がほとんどない福岡にとって、ゲームは終わった。

55分に決定機を外していた大久保が、60分にゴール。
中村にボールを預け、小林からの足元へのパスに走り込んでダイレクトで決めた。

3点差となって、川崎はテストを開始する。
機能していた3バックから、4バックに移行。
右CBの田坂を左ウィングに配置転換するが、このテストは裏目となる。

74分にFWウェリントン(17)が投入され、福岡は最終ラインにプレッシングをかける。
エドゥアルドの球離れが遅いところを狙われ、チャンスを作られる。

85分にはFW平井将生(14)がミドルを決めて2点差。
ロスタイムにもウェリントンがヘディングするが、ソンリョンがセーブした。

■summary
福岡は前半、守備的なプレーに終始した。
プレッシングを仕掛けたくとも、120分プレーした天皇杯から中2日。
川崎に比べて試合間隔が詰まっていたため、走れなかった。

最終ラインは下がりっぱなしで、耐えるだけ。
セットプレーからの1失点で前半を終えることができたのは、内容を考えれば上出来。
後半、なんとか1点を奪えばドローで勝ち点を得ることができる状況だった。
しかし、ダニルソンの安易なプレーで2点目を失うと、試合は決まった。

川崎は中央から攻撃を続けて3点を奪った。
福岡のプレスがほとんどなく、余裕を持ってボールを動かした。
3バックに入った田坂は、長短のパスで右サイドを活性化した。
ハイボールの処理に懸念はあったが、谷口とエドゥアルドがカバーした。
福岡が田坂を狙って放り込んでくれば、違った展開があったかもしれない。

3バックから4バックに移行すると守備が停滞。
ロングボールへの対応は、3バックの方が安心できる。
今後の対戦相手は、川崎対策でロングボールを多用してくることも考えられる。
相手の攻撃の芽を3バックでしっかり摘んでから、圧倒的に攻撃を仕掛けたい。

■goal
29谷口彰悟(5) 47中村憲剛(14) 60大久保嘉人(13) 
85平井将生(14)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 73分にDF亀川諒史(18)、90+4分にウェリントンのシュートをセーブ。
田坂祐介(6) 6.5 CBで強い守備を見せ、新たなパスの起点となる。最後は左ウィングに。
エドゥアルド(23) 6.0 高く強い守備は鉄壁。ボールを持ちすぎて何度もボールを失う。
谷口彰悟(5) 6.5 ハイボールを処理。CKからの2本目のシュートで先制ゴールを決める。
大島僚太(10) 6.0 代表帰りの疲れも見えたが、フリーで受けて中央から攻め続けた。
ネット(21) 6.0 小さなモーションで縦パスを狙う。14分、小林へスルーパスを通す。
エウシーニョ(18) 6.0 亀川に抑えられた。45分に右から決定的なクロス。46分にミドル。
車屋紳太郎(20) 6.0 左サイドから仕掛けてチャンスを作る。47分に中村へラストパス。
小林悠(11) 6.0 最前線でボールを受けてトラップでDFを抜き去る。ゴールは決まらず。
中村憲剛(14) 7.0 47分、相手のミスを突いてゴール。勝利に必要不可欠なプレーだった。
大久保嘉人(13) 6.5 1ゴールの結果は少ないほど。フリーでのシュートを多く放った。

■sub
82(6)森谷賢太郎(19) 5.5 左ウィングで出場。カウンターを狙ったが、成功しなかった。
86(11)武岡優斗(17) 6.0 4バックの右SBに入る。福岡の左サイドからの攻撃を抑えた。
90+1(10)森本貴幸(9) 5.5 90+3分、森谷からのラストパスを引き出す。

■bench
新井章太(30) 板倉滉(28) 橋本晃司(7) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 6.0 4バックのテストで福岡にチャンスを与える。3点差となっても交代が遅い。

■referee
廣瀬格 6.0 少し川崎寄りのファウル判定があったが、ストレスの少ないジャッジ。

■おまけ

川崎ものづくりフェアin等々力の一環で、ハーフタイムに山本昌が登場。
プロ野球で通算219勝のピッチャーが、フロンターレのユニフォーム姿で登場した。
ラジコンでも有名だが、この日はスタート直後、あえなくリタイアした。