2016/09/18

160917大宮3-2川崎(J1 #29)

大宮3-2川崎(熊谷スポーツ文化公園陸上競技場, 18:00KO, 13,787人)

J1リーグも残り6節となり、年間順位2位の浦和とは勝ち点5差。
福岡戦(J1 #28)に勝利して、アウェイでの大宮戦。

Nack5スタジアム大宮ではなく、年1回開催される熊谷。
アクセスは熊谷駅からの臨時バス、駐車場も2時間前には満車。
ヴィジョンは1つ静止画のみで、ピッチが広い陸上競技場。
条件のいいNack5スタジアムと比べると、観客にとって厳しいスタジアム。



先発は福岡戦とまったく同じ。
サブから武岡が外れ、奈良が入った。
奈良は5月14日の神戸戦(J1 #12)で左脛骨骨折して以来の復帰となる。

昇格組の大宮は、ここまで年間7位。
前節でJ1リーグ残留を決め、年間上位が狙える位置。
1stステージでの対戦は、最終節にホームで勝っている(J1 #17)

■1st half
川崎は3バックで田坂を右CBに置く。
福岡戦と同じシステムで、ボランチだけでなく田坂からもパスが出る。
そのため、大宮は前線からのボールチェイスが難しい。
後方と連動した守備がなかなかできず、川崎のボランチには余裕があった。
ショートパスをつないでチャンスを伺い、ボールを保持する時間が長くなる。
15分過ぎからは大宮を自陣に押し込んでいく。

大宮は斜めのパスとクロスで打開しようとした。
しかし、FWムルジャ(8)の動きが鈍く、パスミスが相次ぐ。

36分、川崎が押していたゲームが崩れてしまう。
大久保がMF横谷繁(17)に頭突きしてレッドカード。
横谷はいつもの大久保のように、自力で派手に倒れて見せた。
この倒れ方を見ていれば、注意にとどめるべきところかとも思う。
だが、頭突きしたことは事実なので、レッドカードは当然。

数的不利になって、44分、ネットが詰められてボールを失う。
前掛かりになっている守備陣の間にムルジャがスルーパス。
抜け出したFW家長昭博(41)をソンリョンが倒してPK。
PKを家長がそのまま決めて、先制を許した。

■2nd half
1人多くなった大宮は、ボランチがボールを持てるようになる。
ピッチを左右に広く、フリーの選手を使って組み立てていく。
前半よりも多くチャンスを作り出す。

川崎は守備に奔走しながらも、ショートカウンターを狙う。
ボールを奪うとすぐにゴールに向かっていく。
63分に中村がゴラッソを決め、81分には小林が逆転ゴールを決める。

残り10分。
守り切ろうとラインを下げて大宮の攻撃を待ち受ける。
しかし、1人少ない分を走ってカバーしてきた川崎の疲労は濃かった。
シュートブロックなどの最後の一歩が遅くなる。
84分に家長、89分にはMF江坂任(7)に決められて逆転を許した。

■summary
大久保の退場で決まってしまった試合。
それまでは、川崎が仕掛けながらも大宮もよく耐え、見応えがあった。
しかし、数的不利となって内容も結果も台無しになってしまった。

後半、2点を奪ったのは素晴らしかった。
守備のリスクを抱えながらも、果敢に攻めてゴールを奪った。
ただ、リードを奪ってから、残り時間を耐える策がなかった。
疲弊したボランチの交代がなく、最終ラインがカバーする範囲が広くなる。
谷口が右サイドに吊り出され、薄くなった中央を突かれてしまった。

この敗戦で、年間2位の浦和に勝ち点2差に詰め寄られた。
2ndステージでは、首位から陥落して3位に。
8月以降に内容が悪くなり、接戦を勝ちきれない。
今後の対戦相手も強豪が続く。

次は中4日で天皇杯3回戦千葉戦。
その次には中2日でJ1リーグ横浜FM戦(J1 #30)がやってくる。
J1リーグに集中して、勝ち点を拾い続けていきたい。

■goal
44,84家長昭博(41) 89江坂任(7)
63中村憲剛(14) 81小林悠(11)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 3失点はしたが、多くの決定機を防ぐ。キックミスが散見。
田坂祐介(6) 5.5 攻守ともにそつなくこなしていたが、戦術的な交代となった。
エドゥアルド(23) 5.5 後半は守備に専念する。ギリギリの攻防を繰り広げていた。
谷口彰悟(5) 5.0 右サイドを広くカバーしたが、3失点目は大宮の圧力で冷静さを失った。
大島僚太(10) 5.5 相手をかわすトラップは美しかったが、チャンスにつなげらなかった。
ネット(21) 5.0 縦パスが狙われてしまう。イエローをもらったため次節出場停止。
エウシーニョ(18) 5.5 前線で駆け回った。カウンターでは積極的に前に飛び出した。
車屋紳太郎(20) 5.5 サイドからのクロスは不発。DF奥井諒(19)に守り切られる。
小林悠(11) 6.5 2トップでチャンスに多く絡む。1トップでは孤立しながらも逆転ゴール。
中村憲剛(14) 6.0 ゴラッソで同点とする。最後の苦しい時間にチームを鼓舞したい。
大久保嘉人(13) 3.5 報復行為でレッドカード。ひとりでゲームを壊してしまった。

■sub
61(6)三好康児(26) 5.0 62分、エウシーニョの完璧なクロスを吹かす。家長の2点目をオンサイドに。
71(18)森谷賢太郎(19) 5.0 攻撃は良かった。MF泉澤仁(39)に右サイドを崩されてしまう。
90(19)森本貴幸(9) 5.5 攻め込まれる時間帯に1点を追って投入される。見せ場はなかった。

■bench
新井章太(30) 奈良竜樹(3) 板倉滉(28) 橋本晃司(7) 

■coach
風間八宏 5.5 1人少なくても逆転したが、足が止まった守備陣の交代策が打てなかった。

■judge
扇谷健司 4.5 ゲームの流れをコントロールできず、荒れた試合を作ってしまった。