2016/09/24

160922川崎4-1千葉(天皇杯 R32)

川崎4-1千葉(等々力, 18:00KO, 8,078人)

天皇杯3回戦はジェフユナイテッド千葉(J2)との対戦。
 代表ウィークに開催された2回戦とは異なり、週中の木曜日開催。
 J1リーグ大宮戦(J1 #29)から中4日、次の横浜Fマリノス戦(J1 #30)は中2日となる。

大宮戦では大久保が退場し、ネットが累積警告を貯めた。
 この2名は次のマリノス戦が出場停止で、この天皇杯千葉戦に登場する。
 残りの大宮戦の先発9名は、エウシーニョと車屋はベンチ、7名がベンチ外となった。

GKは新井、最終ラインは右から長谷川、奈良、板倉、小宮山。
 ネット、原川、森谷、橋本が中盤を構成し、2トップに大久保と森本。
 長く負傷離脱していた奈良と小宮山の復帰戦。
 オリンピックから戻ってベンチ外が続いた原川も出場機会を得た。


千葉はJ2リーグで10位。
 プレーオフ圏内に入る可能性はまだ残されている。
 このため、川崎と同じように大きなターンオーバーを行ってきた。
 昨シーズン、川崎に所属したFW船山貴之(11)は先発出場する。
 長谷部茂利監督は、1997年に半年間の在籍だったけど、川崎OB。

■1st half
千葉は前線からプレスを仕掛けてくる。
 川崎はプレスをかいくぐると押し込んでボールを握った。
 ネットが別格の存在感で中盤を支配し、対となるもう1人のボランチは交代制。
 最初は原川だったがミスが多く、橋本、森谷が状況の応じてボランチに入った。

20分、ボールを奪ったネットから森本にパスが通り、そのままシュート。
 PA外、遠距離からのシュートは、GK岡本昌弘(1)のニアサイドを抜いて先制ゴール。

千葉の攻撃は散発のカウンターが主体。
 41分には原川のバックパスを拾った船山の決定機など、チャンスは多かった。

■2nd half
後半開始から、千葉が攻勢を仕掛ける。
 CK、FKが続き、川崎は押し込まれて波状攻撃を浴びる。

51分にはMF井出遥也(8)のニアへのクロスを船山がワンタッチで同点ゴール。
 昨シーズン、シュートをすべて外していた姿からは考えられない。
 松本山雅時代のような、自信に溢れる華麗なゴールだった。

同点となって、川崎は61分に三好、67分にエウシーニョを投入。
 この2人が前線で働き、70分すぎから動きが鈍くなってきた千葉を押し込む。

すると81分には千葉も2枚の交代カードを切る。
 今度は逆に千葉に押し込まれ、ロスタイムには2回連続してビッグチャンス。
 GK新井とCB奈良を中心に、失点しないで切り抜けた。

■extra time
延長に入ると、両チームともに中盤が間延びする。
 ゴール前からゴール前へとボールがせわしなく動く。

川崎はじっくりと押し込むが崩せない。
 逆に千葉はカウンターからシュートを放つ。
 94分、スルーパスに抜け出した船山のシュートは、GK新井が辛うじて防いだ。

96分、長谷川が太ももを痛め、車屋が入ると試合が動く。
 小宮山が背後に控えているため守備の負担が少なく、車屋は左サイドから自由に攻撃する。
 対面するDF北爪健吾(4)は何度も上下動を繰り返していたため、守り切れない。

105分、右サイドを深くえぐったエウシーニョからやわらかいクロス。
 GKと大久保の頭上を越えてファーに届き、車屋が頭でループシュートを決めた。

延長後半になると、千葉は足が止まってしまう。
 108分にはネットからのロングボールに抜け出した大久保がゴール。

続いて115分、小宮山とのパス交換で左サイドを独走した車屋から強いクロス。
 三好のシュートのこぼれ球を大久保が押し込んで、3点差となった。

■summary
千葉は良いゲームを展開した。
 前からの守備でボールを奪い、カウンターから何度もゴールに迫った。
 船山は1ゴールを決めたが、41分、94分の決定機はGK新井に止められた。
 112分にはMF町田也真人(14)がポストに当てるなど、勝機は十分にあった。

しかし、最後の交代枠を117分まで切らなかった。
 1点差で中盤にフレッシュな選手を入れていれば、もっと粘れたものと思われる。
 3点差となるまで動かなかった長谷部茂利監督の采配には疑問が残る。


川崎はネットがゲームを作った。
 原川のパスミスが目立ち、千葉のカウンターを浴びたが、最終ラインが持ちこたえた。

90分で仕留めることはできなかったが、延長で突き放した。
 その原動力となったのは三好、エウシーニョ、そして車屋。
 サブ組だけの時間帯で崩せなかったのは少し残念。
 ただ、長いケガから復帰した奈良と小宮山が120分プレーできた。

J1リーグでは年間首位に立つものの、負けが多くなっている。
 週中開催の天皇杯に力を注ぐ状況ではなかったが、勝利することができた。

次の天皇杯は、11月9日もしくは12日。
 J1リーグの最終節が終わり、チャンピオンシップの前に開催される。
 このタイミングで公式戦に出場できることとなり、負けなくてよかった。

■goal
20森本貴幸(9) 105車屋紳太郎(20) 108,115大久保嘉人(13)
51船山貴之(11)

■judge
新井章太(30) 7.0 41分、94分、116分に決定機を止める。雨でキャッチが少なく、波状攻撃を浴びた。
長谷川竜也(16) 6.0 右SBで出場。大きく開いてボールを呼ぶ。守備は淡白で粘れなかった。
奈良竜樹(3) 6.5 判断の早さで周囲をカバーして防ぐ。ケガ明けでも対人に強かった。
板倉滉(28) 6.5 カウンターに対処しつつパスワークの中心となる。84分に井出に抜かれた。
小宮山尊信(8) 5.5 復帰戦で動きは鈍かった。ポジションは良く、最後は車屋を走らせた。
原川力(15) 5.0 積極的な姿勢は悪くはないが、ミスが多く、カウンターの要因となった。
ネット(21) 7.5 ボランチの相方が何度も変わったが、攻守に渡って試合を支配した。
森谷賢太郎(19) 5.5 チャンスに絡むも決定的な仕事はできず。パスを受ける回数も少ない。
橋本晃司(7) 6.0 ボランチでさばく。FKでもチャンスを作る。3分のシュートは右に外した。
森本貴幸(9) 6.0 1トップで最終ラインと駆け引き。20分にミドルシュートを決める。
大久保嘉人(13) 6.5 消えている時間が長かったが、延長では2ゴールで試合を決めた。

■sub
61(7)三好康児(26) 6.5 ゴールはなかったが、前線で動き回ってドリブルで牽引した。
67(9)エウシーニョ(18) 6.5 中央でキープする。106分のシュートはGKにキャッチ。
96(16)車屋紳太郎(20) 7.5 決勝ゴール。4点目も含め、左サイドでチャンスを作り出した。

■bench
高木駿(29) デューク・カルロス(32) 狩野健太(25) 大塚翔平(27)

■coach
風間八宏 7.0 最大限のターンオーバーを行いながら、結果を導き出した。

■referee
西村雄一 6.5 的確なジャッジ。79分に大久保の異議にイエロー。試合を落ち着かせた。

■おまけ

試合終了後に千葉サポーターに挨拶に行く、大塚、森本、高木。