2017/02/26

170225大宮0-2川崎(J1 #1)

大宮0-2川崎(NACK5大宮, 16:00KO, 11,962人)

J1リーグの開幕戦はアウェイ大宮戦。
ACLはすでに開幕していて、水原三星戦(ACL GL #1)から中2日。
昨シーズン年間5位の大宮はシーズン初戦となる。

水原三星戦の先発メンバーから舞行龍が外れ、登里が入る。
最終ラインは右から田坂、谷口、車屋、登里の組み合わせ。
前線は流動的だが、小林が1トップ、2列目に右から家長、中村、阿部と並べる。














舞行龍はベンチにも入らなかった。
過密日程を見据えた休養であればいいが、理由が気になるところ。
ベンチには長谷川と狩野が入り、板倉が外れた。














大宮は、家長が川崎に移籍したが、新たに清水からFW大前元気(10)を獲得。
湘南からMF長谷川アーリアジャスール(28)、柏からMF茨田陽生(40)、群馬からMF瀬川祐輔(44)も加入し、新戦力4人が先発する。

■1st half
スタートから10分は川崎の攻撃が続く。
3分、小林が単独でDF4人に囲まれながらシュート。
GK塩田仁史(21)の頭上を越えてバーに当てた。

大宮はラインを高く維持してコンパクトな守備。
ボールホルダーに素早く寄せていく。
大島とネットのところでボールを奪って、カウンターを仕掛ける。
両サイドの広いスペースで数的優位を作って攻撃した。

30分を過ぎ、大宮が立て続けにシュートチャンスを迎える。
34分、36分とFW大前元紀(10)、37分にDF菊地光将(2)。
40分にはCKからDF河本裕之(3)がヘッド。
45+2分、PA手前からの大前のFKは、ゴールポスト左にわずかに外れた。

川崎は前線4人それぞれの距離が遠い。
ボールを受けても厚みがなく、大宮に早く囲まれてしまう。
サイドは崩せていたが、中央で待ち受ける人数が揃わなかった。

■2nd half
後半、川崎は小林を右、家長を1トップにして2人を入れ替える。
プレスが弱まり、ボランチのボールロストが少なくなる。
大宮はカウンターの距離が長くなり、シュートまで至らない。

57分、家長に代えて森本を投入。
森本は1トップらしい動きで大宮の2CBとの駆け引きを繰り返す。
小林、阿部が、森本に連動してオフサイドラインから動き出す。
中村が2ボランチの近くに位置してボールが回るようになる。
大宮の最終ラインが下がり、スペースが生み出された。

65分、登里が左から森本にクロスするが、河本にクリアされる。
続いて小林を狙った中村のCK。ここも河本がクリア。
しかし、2度目のCK。
小林が河本のマークを振り切って、ヘッドで先制する。
河本はいいクリアを2回見せたものの、3度目は守れなかった。

大宮は72分にMF岩上祐三(47)、83分にFWネイツ・ペチュニク(9)を投入。
岩上のロングスローを起点にパワープレイを仕掛ける。
88分、岩上のCKをフリーのペチュニクが頭で合わせる。
決定的なシュートだったが、ゴールライン上で小林が止めた。

90+3分、川崎のカウンター。
菊地と中村が競ったルーズボールがPA右に流れ、拾った小林がダイレクトでクロス。
中央でフリーとなっていた中村がゴールに流し込んだ。

中村を追うべきDF奥井諒(19)は、ボールを眺めて歩いていた。
同点を狙って失点するのは仕方がない。
しかし、諦めてしまった奥井は残念だった。

■summary
川崎は前半、大宮のプレスに苦しんだ。
特にボランチのMF大山啓輔(15)、茨田は何度も食いついてボールを奪った。
それでも川崎はボールを動かし続けて大宮の足が止めるのを待つ。
後半、森本の投入とともに攻勢を仕掛けてゴールを奪った。

水原三星戦と同じように家長は機能しなかった。
ボールロストは少なかったが、安全を優先したパスが多い。
攻撃に時間がかかり、大宮に守備ブロックを構築する余裕を与えた。
スペースがなかったこともあったが、ゴールに向かって攻撃を早く仕掛けたい。
阿部も含め、周囲と役割を明確化していく過程にある。

鬼木監督は、森本の投入で勝利を呼び寄せた。
水原三星戦で出場機会がなかった登里、森本、狩野が起用された。
マイルドなターンオーバーを行ったことは評価できる。









大宮は押し込んだ前半にゴールを奪えなかった。
前半に激しいプレスを掛けたので、後半に動けなくなるのは仕方がない。
攻撃陣も大前をはじめとして後半は消えてしまう。
パワープレイに頼るしかなくなったが、岩上のロングスローとキックは機能した。
ペース配分を工夫できれば、勝ち点を積むことができると思われる。

■goal
66小林悠(11) 90+3中村憲剛(14)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 6.5 36分、大前の強いシュートをストップ。安定したセーブを見せる。
田坂祐介(6) 6.0 右サイドを広く使ってパスを引き出す。守りでは瀬川に対応。
谷口彰悟(5) 5.5 ファイルが多く、45分にイエロー。15分にクリアミスで決定機を与える。
車屋紳太郎(7) 6.0 CBに入り、スピードを生かす。59分、CKをヘッドで合わせる。
登里享平(2) 6.0 攻守のバランスを見て上下動を繰り返す。65分、森本に強いクロスを供給。
エドゥアルド・ネット(21) 5.5 プレスを受けて不正確なパスが多くなった。ロングボールでサイドを使った。
大島僚太(10) 5.5 33分、左足ミドルシュート。間合いを詰められてボールの展開が窮屈だった。
阿部浩之(8) 5.5 26分、PA手前でFKをもらう。森本投入後、FWの衛星的な動きでサポート。
家長昭博(41) 5.5 1トップでは動きが少なく、パスをもらっても次の判断が遅くなった。
中村憲剛(14) 7.0 1アシスト1ゴール。CKで何度もチャンスを作り、2ボランチに近づいてゲームを支配する。
小林悠(11) 7.5 1ゴール1アシスト。3分、単独突破でバーに当てる。88分、ペチュニクのシュートをブロック。

■sub
57(41)森本貴幸(9) 6.5 1トップでポイントを作って周囲を活かす。大宮の最終ラインを押し下げる。
85(8)奈良竜樹(3) 5.5 右CBに入ってパワープレイに対応。明確なクリアを見せた。
90+2(2)狩野健太(25) 5.5 3本のCKの守備のみ。ソンリョンをサポートした。

■bench
新井章太(30) 三好康児(13) 長谷川竜也(16) ハイネル(22)

■coach
鬼木達 6.5 前半は我慢しながら森本の投入とともに一気に仕掛けた。

■referee
村上伸次 6.5 ファウルの判断が良かった。谷口へのイエローカードも妥当。