2017/03/11

170310川崎2-1柏(J1 #3)

川崎2-1柏(等々力, 19:00KO, 18,608人)

開幕から2週間、ACLとJ1リーグで週2試合ずつあった。
今週はACLの試合がなかったが、それでも変則的な日程。
翌週火曜日のACL広州恒大戦を睨み、柏戦は金曜日のナイター開催となった。
日曜日の鳥栖戦(J1 #2)からは中4日となる。

先発には、鳥栖戦のメンバーから大塚が外れ、奈良が入る。
CBに奈良が入り、車屋が右SBへ、登里が右MFに動いた。
大塚はベンチ外となって、狩野がベンチに入った。

奈良はJ1リーグでは1度目の骨折をした去年5月の神戸戦(2016 J1 #12)以来の先発。
ただしこの間、天皇杯千葉戦(2016 天皇杯 R32)ACLイースタン戦(ACL GL #2)で1試合ずつ先発している。

週中に2日間、U-20日本代表候補合宿があった。
板倉は参加したが、三好はチーム事情により辞退している。
ただ、2人ともベンチスタートとなった。














柏はJ1リーグで1勝1敗。
開幕戦は2PKで鳥栖に勝ち、前節はG大阪に敗れている。

■1st half
柏は高い位置でのボール奪取を目指し、前線からプレスをかける。
1トップのFWディエゴ・オリヴェイラ(11)が川崎のパスコースを切る。
サイドにボールを出させ、MFクリスティアーノ(9)やMF伊東純也(14)が素早く取り囲む。

しかし、川崎は間合いを詰められても、ボランチにパスをつなぐことができた。
柏のファースト・プレスを切り抜ければ、次のプレスは緩く、ボランチが中盤のスペースを使うことができた。

サイドもほどよく使いながら、ショートパスをつなぐ。
特に左サイドでは、登里と車屋が交互にPA横まで入り込む。
柏の右SBは、J1初先発のDF古賀太陽(28)。ユース昇格1年目。
伊東のサポートが遅いこともあり、2人の連続攻撃に苦しんでいた。

6分、13分、34分と小林、20分には登里がシュート。
GK中村航輔(23)の好セーブもあり、ゴールは決まらない。
前半終了近くの42分。中村の6本目のCK。
谷口がニアサイドで高い打点のヘッド。
ゴール右隅を狙いすまして決めて先制する。

45+1分にはDF中山雄太(5)が低レヴェルのミス。
ゴール前で阿部に緩く迫られると、ターンでかわそうとして、ボールを残してしまう。
そのまま阿部に拾われ、中央の中村がゴールに流し込んだ。

■2nd half
後半になると、2点を追う柏が動きを強める。
逆に川崎は足が止まってきて、押される展開。
伊東やクリスティアーノがサイドに流れ、中に単純なクロスを放り込む。
奈良と谷口が難なくクリアするが、セカンドボールを拾われてしまう。

川崎は前掛かりになった柏の背後を狙う。
55分、阿部がGKとの1対1となり、2度シュートするが決められない。

柏はセットプレーを中心にチャンスを作る。
60分、クリスティアーノの右CKをFW武富孝介(8)がヘッドで決めて1点差。
田坂が武富のマークを外し、ゴール前でフリーにしてしまった。

柏がますます勢いを増し、川崎のミスが目立つが、71分。
カウンターで抜け出した中村を、中山とDF中谷進之介(4)が挟みこんで倒す。
中村は2人の前に出ていたため、中山にレッドカードが出された。

柏は10人となっても、セットプレーで同点を狙う。
運動量も遜色なく、川崎のパスミスを誘ったが、ゴールは奪えなかった。

■summary
前半は終始押し込んだ。
柏は途中で手を打つべきだったが、下平監督は動かなかった。
無失点で耐え、後半勝負する戦略と思われるが、終了間際に2失点。

後半、柏は勝負を仕掛けてきた。
ロングボールで伊東やオリヴェイラを狙い、サイドのスペースを活かした。
人数をかけない単純な攻撃は徹底できていた。
クリスティアーノのセットプレーは脅威的。
得点力のある人材は揃っているので、守備を固めれば勝ち点を拾えると思われる。

2点目を招いた中山のプレーは、考えられないミス。
レッドカードも含め、試合を壊してしまったのは残念。
これがなければ、もっと緊迫した面白い試合を観ることができたと思われる。
中山には今日の失敗を糧にして、次も堂々と川崎の前に立ちはだかってほしい。













川崎は今シーズン5試合目。
舞行龍、家長、田中とケガ人が増える中、攻撃が嚙みあってきた。
阿部、ハイネルの動きも少しずつ周囲と合ってきている。
今日の得点はセットプレーと相手のミスからだったが、ボールを長く握った。
相手を押し込んでシュートすることが増えてきた。

ネットは81分、MF大谷秀和(7)にボールのないところで報復。
レッドに相当すると思われるが、イエローにとどまった。
報復のきっかけとなった大谷との競り合いは正当なもの。
何でもないプレーにもかかわらず、ネットは自分だけ熱くなってしまう。
後半になると集中力が欠けるところがあり、精神的なムラが大きい。
感情を制御できないネットをすぐに下げた鬼木監督の判断はとても良かった。













次は中3日の広州恒大戦。
グループリーグ突破のために大切な一戦となる。
奈良、ハイネルが出場停止。
最終ラインの構築も含め、きちっと結果を出したい。

■goal
42谷口彰悟(5) 45+1中村憲剛(14) 
60武富孝介(8)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 21分の武富、56分のオリヴェイラのシュートをセーブ。
田坂祐介(6) 6.0 右サイドでパスの受け皿となった。武富のゴールはマークミス。
奈良竜樹(3) 6.5 安全な選択で守備を固める。77分にイエローをもらったが、接触なし。
谷口彰悟(5) 6.5 完璧なゴール。35分にミスパス、56分にオリヴェイラに突破を許す。
車屋紳太郎(7) 6.5 登里と役割分担して左サイドを攻略。伊東をきちっと抑え込んだ。
ネット(21) 5.5 パスの選択も守備も素晴らしかった。81分、報復でイエロー。
大島僚太(10) 6.5 相手の間に入り込んでフリーになる。ラストパスを狙い、69分にミドル。
小林悠(11) 6.5 ゴールには絡まなかったが、多くのシュートを放った。好調を持続。
中村憲剛(14) 7.0 1アシスト1ゴール。70分に中山を退場に追い込む。守備の負担が少なく、攻撃で躍動。
登里享平(2) 6.5 守備も含め上下動を繰り返す。20分、車屋のスルーパスを受けた決定機を決められず。
阿部浩之(8) 6.5 1トップ。45+1分にアシスト。55分にはGKとの1対1を2度外した。

■sub
68(2)ハイネル(22) 6.0 73分にシュート、90分にカウンターから決定機。守備は粗い。
84(21)板倉滉(28) 6.0 ネットに代わって入る。バイタルを埋め、ハイボールも競り勝つ。
89(8)森本貴幸(9) 5.5 プレー機会は少なかったが、最前線でボールを追いかけた。

■bench
新井章太(30) 狩野健太(25) 森谷賢太郎(19) 三好康児(13) 

■coach
鬼木達 6.5 奈良のCB起用、そして3人の選手交代が絶妙だった。

■referee
今村義朗 6.0 カードの選択は微妙だったが、試合を中立にコントロールした。