2017/05/31

170530川崎4-1ムアントン(ACL R16 #2)

川崎4-1ムアントン(等々力, 19:00KO, 11,931人)

ACLのラウンド16は、タイのムアントン・ユナイテッドとの対戦。
アウェイでの第1戦(ACL R16 #1)は、1-3で勝利した。
第2戦は負けても、1点差もしくは0-2でも勝ち抜ける。

J1リーグ第13節浦和戦を延期したため、中6日でのホームゲーム。
ムアントンも予定されていたタイ国内リーグを延期し、間隔を空けている。















先発はアウェイゲームから3人が変わる。
左SBに登里が入り、右股関節を痛めた谷口がベンチスタート。
車屋が左SBからCBに回って、奈良と組むこととなる。
前線には小林、長谷川が入って、ハイネル、森本がベンチに回った。

ベンチには新たに大塚が入り、大島、武岡が外れている。




ムアントンはDF青山直晃(5)がベンチスタート。
さらに、札幌への7月移籍が決まっているMFチャナティップ・ソングラシン(18)もベンチ。
勝ち抜くためには最低でも3点が必要となっている。

■1st half
ムアントンは前半から仕掛けなければ3点を奪うのは難しい。
しかし、予想に反してゆっくりとしたスタート。
コンパクトだがプレスが緩く、攻撃になっても前に急がない。

川崎にとっては時間を進められる望外の展開。
最終ラインを中心に、急がずボールを動かしていく。
ただ、プレスに来ないので、簡単に前線にボールが入る。

31分、左の登里から中央の小林に長い縦パスが入る。
阿部が途中でスルーして、DFを引き寄せた。
小林は切り返してDFティーラトン・ブンマタン(3)を振り切ってシュート。
GKカウィン・タムサチャナン(1)の右下を抜き、先制ゴールが決まった。

さらに32分には長谷川、40分にはネットが追加点を挙げる。

■2nd half
前半を3-0で折り返したことで、ムアントンには6点が必要。
少しだけゴールを狙う姿勢が強まったが、あまりにも遅すぎる。

後半開始から、阿部に代えてハイネルを投入。
62分には中村を下げて、狩野を入れた。
2人とも第1戦でフル出場していて、余裕がある選手起用となった。

阿部、中村が抜けて攻撃の連動性は少なくなった。
しかし、ボランチに入った狩野がボールを持って、前線を狙う。
79分、狩野がPA内の小林にパスを通すと、小林のヒールパスをハイネルがゴール。

4-0で終えることができれば良かったが、最後に失点する。
89分、CKからのクロスをFWティーラシル・ダンダ(10)がヘッドで決めた。

■summary
3点が必要だったムアントンだが、なぜか攻めてこなかった。
前半さらに3点を失ってから、ようやく後半仕掛けてきたが、戦略としてありえない。
技術的なクオリティは高くないだけに、運動量で勝負すべきだった。
途中でガス欠に陥るかもしれないが、可能性を追求しなければ、結果は生まれない。
ただ、敗色濃くなってもプレーが荒れなかったことは素晴らしい。














川崎は、谷口や大島には無理をさせなかったが、主力を先発起用。
ターンオーバーは敷かず、前半だけで試合を決めた。

ACLはしばらく中断となる。
8月下旬に再開されて、次は準々決勝。
それまではJ1リーグに専念して、勝ち点を積んでいきたい。

■goal
31小林悠(11) 32長谷川竜也(16) 40エドゥアルド・ネット(21) 79ハイネル(22) 
89ティーラシル・ダンダ(10)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 後半、ギリギリで決定機を防いでいたが、最後に決められた。
田坂祐介(6) 6.0 上がりすぎず、落ち着いた動きで左右のバランスをとった。
奈良竜樹(3) 6.0 20分、カウンターで抜かれる。73分、ゴールライン上でクリア。
車屋紳太郎(7) 6.5 臆さずに縦にパスを入れる。守備では積極的に前に出た。
登里享平(2) 6.5 左サイドの高い位置でボールを受けた。1アシスト。
中村憲剛(14) 6.0 アンカーに落ちてボールをさばく。クロスで1アシスト。
ネット(21) 6.0 ロングボールを展開。40分、DFの前に入り込み、ヘッドでゴール。
小林悠(11) 7.0 個人技で先制点を決める。さらに2アシスト。迷いがなかった。
家長昭博(41) 6.0 抜群のキープ力を見せる。50分、ゴールに迫るがシュートできず。
阿部浩之(8) 6.5 DFを引き寄せてからのスルーで1点目に繋げる。異議によるイエローで交代。
長谷川竜也(16) 6.5 ハイプレスを仕掛けた。32分にゴール。後半は動きが鈍った。

■sub
HT(8)ハイネル(22) 6.0 安全なプレーを選択せず、攻撃を仕掛ける。1ゴール。
62(14)狩野健太(25) 6.0 パスを集め、前線にスルーパスを供給。バイタルも埋めた。
88(2)森本貴幸(9) 5.5 ほとんどプレー機会がなかった。

■bench
新井章太(30) 谷口彰悟(5) 森谷賢太郎(19) 大塚翔平(27)

■coach
鬼木達 7.0 主力を起用してきちっと勝ち抜けた。交代策も適切だった。

■referee
アリレザ・ファガニ(IRN) 5.0 前半は微妙な判定が多かった。後半は少し安定した。

2017/05/24

170523ムアントン1-3川崎(ACL R16 #1)

ムアントン1-3川崎(サンダードームスタジアム, 19:30KO(21:30JST))

ACLのグループリーグは勝ち点10、2勝4分。
グループGを1位通過して、決勝トーナメントが始まる。
2試合制のラウンド16は、タイのムアントン・ユナイテッドとの対戦。
1位通過のため、第1戦がアウェイ、第2戦がホームとなる。

金曜日の鹿島戦(J1 #12)から中3日。
タイへの長距離移動もあり、先発は鹿島戦から5人が変わる。
最終ラインに田坂と奈良、前線に森本、家長、ハイネルが入った。
10人を入れ替えたアウェイのイースタン戦(ACL GL #2)ほどではないが、ターンオーバーを行ってきた。

先発から外れた武岡、小林、長谷川、大島はベンチスタート。
エドゥアルドはACL登録外のため、ベンチ外となる。
ベンチには新たに狩野、森谷が入り、登里が外れている。

ムアントンはグループEを2位で通過。
グループ1位だった鹿島との対戦成績は、1勝1敗だった。
清水、横浜FM、甲府に所属していたDF青山直晃(5)がCBで先発する。

■1st half
気温・湿度が高いため、両チームともゆったりした立ち上がり。
ムアントンは守備ではプレスをかけず、引き気味にブロックを作る。
カウンターを仕掛けることができても、前のスペースをすぐに使わない。
走る距離をなるべく短くして、体力を温存していた。

川崎もゆっくりとしたプレーを選択。
ワンタッチでの早いパス交換を控え、キープできるなら長めにボールを持った。
ときおり両SBの田坂、車屋がサイドを深くえぐったが、その先は崩せない。
中央からショートパスで攻めても、ムアントンのDFに引っかかった。

無得点で前半が終わりそうだった45+3分。
バイタルへのパスをMFチャナティップ・ソンクラシン(18)がスルーする。
川崎のボランチを剥がして、FWティーラシル・ダンダ(10)がゴール。
ムアントンはチャンスを作れていなかったが、ワンチャンスを活かした。

■2nd half
後半開始から小林、59分には大島を投入する。
特に大島が入ると、目に見えて攻撃が早く、スムースになった。
ボールを受けると、ムアントンの守備を十分に引きつけてから逆を突いた。

66分、家長のロングボールを左サイドの車屋がヘッドで折り返す。
高く上がった弱いボールだったが、青山が目測を誤ってクリアできない。
そのまま落ちてきたボールを拾った中村が、GKとの1対1を制して同点ゴール。
両手を突き出してトラップしたため、中村のハンドにも見えたが、笛は吹かれず。

さらに69分。右サイドから家長が低い弾道のクロスを入れる。
難しい体勢だった小林だが、ダイレクトボレーでゴールを決める。
去年のアウェイ柏戦(2016 J1 #11)のボレーに匹敵する、驚愕を伴う美しいゴラッソだった。

その後はムアントンに押されていたが、89分に3点目。
森谷のスルーパスで抜け出した小林が、GKとDFの間に右からクロス。
阿部がゴールに蹴り込んで、貴重なアウェイゴールを積み重ねた。

■summary
ムアントンは暑熱のピッチで、体力を温存しながら戦った。
技術的にはパスもトラップも粗削りだった。
しかし、少ない人数でゴールを狙う戦術が機能して、先制に成功した。

川崎は小林、大島を温存して後半勝負。
5人のターンオーバーは大きすぎるかと思ったが、先制されつつも逆転した。

フル出場した家長は、周囲と意図が合ったパス交換を見せはじめた。
しかし、ゲームを劇的に動かした大島が、足を痛めて交代したのは残念。

3つのアウェイゴールを得た意味は大きい。
ムアントンとの第2戦は中6日。
大島のケガだけでなく、フル出場した中村や阿部、ネットの疲労も懸念される。
次もターンオーバーを織り込みながら、準々決勝に勝ち上がりたい。

■goal
45+3ティーラシル・ダンダ(10)
66中村憲剛(14) 69小林悠(11) 88阿部浩之(8)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 7.0 C大阪戦(J1 #9)以来となる失点を喫したものの、決定機を止めまくった。
田坂祐介(6) 6.0 右からのクロス精度が低かった。状況を見て守備に注力した。
奈良竜樹(3) 6.0 相手FWのポジションを掴み切れず、苦労しながら中央を固めた。
谷口彰悟(5) 6.5 背後を警戒してラインを上げずに耐える。30分のミドルは上に外れる。
車屋紳太郎(7) 6.0 66分にアシストしたが、何度もクロスを上げながらも成功しなかった。
中村憲剛(14) 6.5 同点ゴール。大島が入るまではボランチ。暑い中、少し厳しかった。
エドゥアルド・ネット(21) 6.0 パスミスもあったが、ボールを差配する。もっと集中したい。
ハイネル(22) 5.5 ドリブルでは抜けなかった。25分のシュートはGKに防がれる。
家長昭博(41) 6.5 パス交換に参加しながらキープ力やスルーパスを見せた。1アシスト。
阿部浩之(8) 7.0 深く戻って守りながらも、要所でゴール前に顔を出した。最後に1ゴール。
森本貴幸(9) 5.5 1トップ。中央でフリーになっていたが、ボールが入らなかった。

■sub
HT(9)小林悠(11) 7.0 動きは少なかったが、1ゴール1アシスト。56分、反転してボレー。
59(22)大島僚太(10) 7.5 ボランチに入り、大きな存在感で逆転を導く。15分間で負傷交代。
74(10)森谷賢太郎(19) 5.5 89分、小林へスルーパス。最後にイエローをもらった。

■bench
新井章太(30) 武岡優斗(17) 狩野健太(25) 長谷川竜也(16) 

■coach
鬼木達 7.5 後半の選手交代で逆転を導き、5人のターンオーバーを成功させた。

■referee
アルマリ 6.5 ファウルの基準が明確で、どちらにも偏りなく判定した。

2017/05/20

170519鹿島0-3川崎(J1 #12)

鹿島0-3川崎(カシマサッカースタジアム, 19:00KO, 10,838人)

磐田戦(J1 #11)から中4日、次のACL準々決勝ムアントン戦まで中3日。
同じスケジュールとなっている鹿島との金曜日の試合。

J1リーグでは第11節を終え、勝ち点19。
7位と中位だが、混戦となっていて首位浦和との勝ち点差は3。

先発には長谷川が起用され、ハイネルはベンチへ。
残りの10人は磐田戦と同じ。
CBは谷口とエドゥアルドで組み、奈良はJ1リーグではベンチが続く。

ベンチには家長が入って、森谷が外れた。
家長はイースタン戦(ACL GL #6)で途中出場し、ケガから復帰している。

鹿島は勝ち点21の4位。
前節、神戸に負けるまでは首位に立っていた。
ケガ人が多く、MFレオ・シルバ(4)、DF植田直通(2)、MF遠藤康(25)を欠く。
さらにFW金崎夢生(33)、MF土居聖真(8)もベンチスタート。

■1st half
川崎はショートパスをつないで押し込んでいく。
ボールを失っても素早いプレスで鹿島の攻撃を遅らせる。
それでも、鹿島はダイレクトパスでゴールに迫る。
5分、12分とFW鈴木優磨(9)、15分にはMFレアンドロ(11)がシュート。
19分にも鈴木がGKとの1対1となったが、ソンリョンがセーブ。

その鈴木のシュートから、川崎がカウンターを仕掛ける。
車屋が長谷川に長いスルーパスを出すと、そのままドリブルして左サイドからシュート。
角度がなくGKクォン・スンテ(1)が弾いたが、フリーの阿部が詰めてゴール。
鹿島はMF永木亮太(6)が戻っていたが、なぜか阿部のマークに行かなかった。

さらに45分、中央右から谷口が縦パスを入れる。
DFを引き寄せた大島がスルーして、鹿島の守備陣を完全に崩し切る。
抜け出した小林の右クロスを阿部がボレー。
GKがブロックしたものの、こぼれたボールを同じようなボレーで長谷川がゴール。

■2nd half
後半、2点を追って鹿島は攻勢を強める。
川崎は押し込まれ、ボールを奪っても囲まれてすぐに渡してしまう。

しかし61分。途中出場の登里が、ドリブルでPA内へ切れ込む。
3人に囲まれながらも振り切って、DF昌子源(3)の股を抜いてゴール。
押し込まれた状況の中、3点差となったことで試合は決まった。

鹿島は勝ち点を得る可能性が少なくなったが、金崎を投入する。
押し込んでいるためサイドにスペースがなく、攻め手を欠く。
難しいミドルシュートやクロスが目立つ。

川崎は無理をせずに最終ラインを下げ、鹿島にボールを持たせた。
カウンターを狙いながら時間を使っていった。

■summary
前半の2得点はいずれも速攻からのゴール。
スルーパスで作り出した数的有利を活かして崩し切った。
後半は押されたが、登里のゴラッソで突き放した。

鹿島は遠藤とレオ・シルバを欠き、大きくチーム力が落ちていた。
さらにACLに向けて土居や金崎をベンチに置いたため、クオリティが保てない。
序盤にいくつかの決定機を作ったが、ソンリョンの壁を破れなかった。
一方的な展開となり、見応えは少なかったが、勝てたことは良かった。

次はACL準々決勝ムアントン戦。
大島が途中で交代したことが心配だが、アウェイで勝ち点を持ち帰りたい。

■goal
19阿部浩之(8) 45長谷川竜也(16) 61登里享平(2) 

■judge
ソンリョン(1) 7.5 素晴らしいセーブを連発。49分、DF山本脩斗の至近ヘッドも防ぐ。 
武岡優斗(17) 6.0 右サイドでボールを受ける。FW金森健志(14)には手を焼いた。
谷口彰悟(5) 6.0 決定機は作られていたが、慌てずに最終ラインを統率した。
エドゥアルド(23) 6.5 はっきりとプレーを切る。21分、金森のシュートをブロック。
車屋紳太郎(7) 6.0 背後のスペースを突かれた。先制点では長谷川にスルーパスを供給。
大島僚太(10) 6.5 珍しく判定に強く抗議。アンカーに入る。25分に小林にラストパス。
ネット(21) 6.0 ボールに触れる回数が多い。後半、パスミスが目立ちはじめる。
阿部浩之(8) 7.5 1ゴール。他の2点にも絡む。守備では何度も危ない局面をカバーした。
中村憲剛(14) 6.0 ボールを求めすぎず、トップ下でプレー。大島交代後はボランチへ。
長谷川竜也(16) 7.0 ボレーで決めて1ゴール。良く走ってボールを追いかけた。
小林悠(11) 6.0 25分、決定機に空振り。周囲を生かすためのプレーが目立ってきた。

■sub
56(16)登里享平(2) 6.5 単独でDFを切り裂いてゴール。押し込まれると右サイドを守る。
71(10)ハイネル(22) 4.5 ボールを追うのは良いが、レイトタックルを繰り返す。
83(11)家長昭博(41) 5.5 前に入ったが、ボールが来なかった。

■bench
新井章太(30) 奈良竜樹(3) 田坂祐介(6) 森本貴幸(9) 

■coach
鬼木達 6.5 押される展開となっても危なげなかった。ACLを睨んで交代を早めた。

■referee
東城穣 5.0 判定に偏りはなかったが、バックチャージや手で倒してもファウルを取らない。

2017/05/15

170514磐田0-2川崎(J1 #11)

磐田0-2川崎(ヤマハスタジアム, 15:00KO, 13,782人)

新潟戦(J1 #10)イースタン戦(ACL GL #6)と2連勝して中4日。
J1リーグでは勝ち点16の6位で、首位鹿島まで勝ち点5差。

アウェイの磐田戦は15時キックオフ。
陽射しが強く、気温が高い中でのゲームとなった。














イースタン戦の先発から最終ライン2人が代わる。
ACL登録外のエドゥアルド、復帰後2試合途中出場していた武岡が入り、奈良と田坂がベンチに回った。CBは新潟戦でもエドゥアルドと谷口で組んでいた。

ベンチには登里が戻り、家長とU-20代表に招集された三好が外れる。

 

磐田は勝ち点15で、9位の戦績。
今シーズン、横浜FマリノスからMF中村俊輔(10)を獲得した。

■1st half
磐田は序盤から動いてチャンスを作る。
4分、スローインを受けたFW川又堅碁(20)が、ターンしてエドゥアルドを抜き去る。
シュートはソンリョンが防いだが、いきなりの決定機。

6分にもクロスボールのこぼれ球をDF櫻内渚(5)がボレー。
シュートはバーに当たり、わずかに入らなかった。

川崎はパスをつなぐが、低い位置でボールを失う。
磐田が間合いを詰めてくると、ミスが出てしまった。

25分すぎからは、磐田の動きが落ちてくる。
3バックとボランチの間が空きはじめ、徐々に押し下げていく。
ボランチとのパス交換に中村憲剛が参加して、縦にボールを入れていった。

■2nd half
後半、イエローを受けたハイネルに代えて長谷川を投入。
引き続き川崎が攻勢を仕掛けていく。

50分、左サイドから崩して大島が小林へラストパス。
小林はダイレクトボレーで狙うが、GKカミンスキー(1)が素晴らしいセーブ。

51分、小林から阿部へのスルーパス。
小林がパスを出すタイミングが一瞬遅くなったが、DF小川大貴(24)が上がりきれず。
オフサイドにならなかった阿部が、カミンスキーの右側を抜いてゴール。

先制してからは磐田が押し込んでくる。
71分には3バックから4バックに移行して勝負を掛ける。
ただ、前線が前掛かりになったため、後ろとの距離が開いた。

川崎は広いスペースを利用して、カウンターで対抗。
73分、小林のヒールパスを受けた長谷川がシュート。
MF太田吉彰(9)がギリギリでクリアしたが、このプレーで左膝を負傷してしまう。
(5/17 左膝内側側副靭帯損傷でトレーニング合流まで4~6週間程度と発表)
そのため、磐田は3バックに戻すこととなった。

77分、奈良を投入して4バックから3バックに。
ボランチが最終ラインに吸収されなくなって、磐田の攻撃を阻んでいく。

90+1分、ソンリョンのゴールキックを長谷川が頭でループ。
飛び出していたカミンスキーは触れず、2点目を挙げた。

■summary
磐田は最初の時間帯にゴールを決められなかった。
1トップの川又が奮闘したが、徐々にエドゥアルドと谷口に抑え込まれる。
そうなると攻撃は中村俊輔のセットプレー頼みとなった。

川崎はボールを動かして磐田の足を止めていく。
中央からワンツーで切り込んでいき、両サイドにも大きく展開する。
いろいろなパターンから崩して、ゴールを決めた。

1点を追い、磐田の攻撃が続いたが、粘り強く守った。
奈良を入れて3バックとした采配も奏功した。














次は中4日でJ1リーグ鹿島戦。
そしてその次はACLのアウェイ、ムアントン・ユナイテッド戦となる。
ケガ人が戻り、調子を上げてきただけに、勝利を積み重ねていきたい。

■goal
51阿部浩之(8) 90+1長谷川竜也(16) 

■judge
チョン・ソンリョン(1) 7.0 4分の川又、53分のMF松浦拓弥(11)のシュート、59分の中村俊輔のFKを止めた。1アシスト。
武岡優斗(17) 6.0 当初2回ボールを失ったが、慣れると積極的に攻撃を仕掛ける。
エドゥアルド(23) 6.0 はっきりと守った。4分、川又に抜かれて決定機を与える。
谷口彰悟(5) 6.5 崩されてもそつのない守備で完封する。パスも良かった。
車屋紳太郎(7) 6.0 DF櫻内渚(5)の対応に追われながら、右サイド深くまで攻め込む。
エドゥアルド・ネット(21) 6.0 ワンツーで縦に走ってPA内に入り込む。78分の決定機は外す。
大島僚太(10) 6.5 シンプルに周囲を使って縦パスを狙う。バイタルを埋める。
ハイネル(22) 5.5 ドリブルは良かったが、レイトタックルでイエロー。前半で交代。
中村憲剛(14) 6.5 ボランチをサポートして状況を好転させる。スルーパスも狙った。
阿部浩之(8) 7.5 先制ゴール。左右に動いてパスをつなぐ。守備では素早く戻った。
小林悠(11) 6.5 飛び出す動きでパスを呼び込む。ラストパスもクロスも出す。1アシスト。

■sub
46(22)長谷川竜也(16) 6.5 73分のシュートは掻き出されるが、90+1分にループヘッドを決めた。
77(14)奈良竜樹(3) 6.0 3バックの右に入る。最終ラインを安定させた。
78(11)森本貴幸(9) 6.0 ポストプレーやチェイスで奮闘。2度目のチャージでイエローをもらう。

■bench
新井章太(30) 登里享平(2) 田坂祐介(6) 森谷賢太郎(19)

■coach
鬼木達 7.0 武岡の起用を成功させる。的確な交代策で勝利を導いた。

■referee
中村太 5.5 前半、磐田寄りの笛が多かった。ハイネル、森本へのイエローは適切。

2017/05/12

170509川崎4-0イースタン(ACL GL #6)

川崎4-0イースタンSC(等々力, 19:30KO, 11,235人)

ACLグループリーグ最終節。
イースタンSCとのホームゲーム。

川崎はグループGで勝ち点7の3位。
ただ、1位の広州恒大(勝ち点9)と2位の水原三星(勝ち点8)が最終節で直接対決する。
イースタン戦に勝てば2位以内が確定し、決勝トーナメント進出が決まる。

イースタンSCとのアウェイ(ACL GL #2)は、ターンオーバーを大幅に行った。
13分に奈良が退場したこともあって、ドローに終わっている。

J1リーグの新潟戦(J1 #10)から中3日。
先発には腰痛で2試合離脱していた中村が復帰し、長谷川がベンチに。
ACL登録外のエドゥアルドが外れ、新潟戦で休養した奈良がCBに入った。

ベンチには家長が入り、大塚が外れた。
右足骨挫傷で離脱していた家長は、2月25日の大宮戦(J1 #1)先発以来の復帰となる。

イースタンSCの勝ち点は、川崎戦でのドローの1のみ。
他の4試合はすべて負け、グループリーグ敗退が決まっている。

■1st half
イースタンは4バック、5ボランチ、1トップの布陣。
最終ラインを低く設定して、ブロックを組む。
ボールホルダーへのプレスは弱く、次のパスコースも切らない。
守備のフォーメーションをなるべく崩さずに守ってきた。

川崎のボランチには余裕があった。
特に大島の視野が広く、ギャップに顔を出す選手にボールを入れ、サイドも広く使った。
シュートチャンスを量産し、イースタンのゴールを脅かしていく。

8分、小林が右足首を負傷。
一旦プレーを続行したものの動きはぎこちなく、20分に長谷川と交代してしまう。

28分、車屋が左サイドからGKの頭上を越える柔らかなクロス。
誰もマークしていないハイネルが、ヘッドで押し込んで先制する。

45分には中村の右CK。
谷口が滞空時間の長いジャンプで合わせ、ポストに当てながら追加点を挙げる。

■2nd half
後半になっても川崎の攻勢が続く。
49分、右サイドをドリブルで長く駆け上がったハイネルがクロス。
ゴール前にDFをかわして飛び込んだ長谷川が蹴り込み、3点目。
56分には中村の右CKを今度は奈良がヘッドで決める。

4点差となったことで運動量を抑える。
阿部を交代させたこともあって前線の攻撃は停滞した。
いくつかの決定機は決まらなかったが、余裕のある展開で試合を終えた。

■summary
実力差が大きいイースタンとはいえ、順当に勝利した。
川崎が攻撃を続ける一方、イースタンはほとんどチャンスを作れなかった。
重要な試合でターンオーバーはできなかったものの、狙い通りの結果を得た。

ACLのグループリーグを突破して、ベスト16入り。
広州恒大と水原三星の対戦はドローに終わる。
川崎は広州恒大と勝ち点10で並んだが、直接対決でのアウェイゴール数で上回り、グループGを1位通過となった。

4点差となった直後の57分には、家長を投入。
復帰戦となった家長に、比較的長いプレー時間を与えることができた。
武岡も途中出場し、新潟戦に続いて復帰2戦目となった。
点差が開き、選手起用の幅が広がった。

このあとJ1リーグ2試合を挟み、ACLの準々決勝のアウェイが2週間後にやってくる。
三好と板倉はこの試合を最後にU20ワールドカップに招集されて不在となる。
途中交代した小林も心配だが、エドゥアルド、武岡、中村、家長と復帰が続いている。
内容の充実度が高まる中、結果を残していきたい。

■goal
28ハイネル(22) 45谷口彰悟(5) 49長谷川竜也(16) 56奈良竜樹(3) 

■judge
チョン・ソンリョン(1) 5.5 90分間、プレー機会はほとんどなく、標準点。
田坂祐介(6) 6.0 上がりすぎずカウンターのリスクを減らした。終盤は左MFに回る。
奈良竜樹(3) 6.5 32分、スルーパスをカット。56分にCKから4点目となるヘッドを決める。
谷口彰悟(5) 6.5 数少ないカウンターを危なげなく防いだ。45分、CKから美しいゴール。
車屋紳太郎(7) 6.5 28分にクロスでアシスト。35分にも阿部にクロスを供給した。
エドゥアルド・ネット(21) 6.0 ミスもあったが、パスを散らした。54分、惜しいミドル。
大島僚太(10) 6.5 ボールの置き方で相手を牽制し、中央から左右前後に展開した。
ハイネル(22) 7.0 1ゴール1アシスト。さらにミドルパスで2回、家長に決定機を与える。
中村憲剛(14) 6.5 CKで2アシスト。腰痛で2試合欠場したが、存在感を見せた。
阿部浩之(8) 6.5 35分、42分とシュートはGKに防がれた。ゴールには絡まず。
小林悠(11) 5.5 右足首のケガで早々に交代した。

■sub
20(11)長谷川竜也(16) 6.0 急遽の出場で1ゴール。走り回るスペースが足りなかった。
57(8)家長昭博(41) 5.5 動きが少なく、パスを受けられず。78分、90分と決定機を外した。
79(14)武岡優斗(17) 5.5 右SBに入る。高い位置を取り続けた。

■bench
新井章太(30) 三好康児(13) 森谷賢太郎(19) 森本貴幸(9)

■coach
鬼木達 7.0 結果を出した上に、ケガから復帰したばかりの家長、武岡を起用した。

■referee
アンマル・アルジネイビ 5.5 一方のチームへの偏りはなかったが、ファウルの判断が不安定だった。

2017/05/06

170505川崎3-0新潟(J1 #10)

川崎3-0新潟(等々力, 15:00KO, 25,095人)

C大阪戦(J1 #9)に完敗して中4日。
GWの5連休の中日、15時キックオフ。
快晴に恵まれ、暑い陽射し。少し厳しい環境となった。

先発はC大阪戦から5人が代わる。
大島、エドゥアルドがケガから復帰。
出場停止明けのネット、そして前線には長谷川とハイネルが入った。

奈良、森谷、大塚、三好がベンチに回り、登里はベンチ外となった。
ベンチには武岡が入り、板倉、狩野が外れた。
ケガと出場停止からの復帰者で層が厚くなり、大きく変更した。













新潟は第9節まで勝ち点5。
17位と不調が続く。
さらに前日練習でFWホニ(7)が負傷して、FW鈴木武蔵(49)が先発する。

試合前には、U-20ワールドカップの代表選出の報告があった。
三好、板倉と、新潟からDF原輝綺(34)が選出された。

■1st half
川崎はネットと大島がボランチを組んだ。
森谷と谷口が組んだC大阪戦よりボールは回るが、ミスパスも目立った。
トップ下のハイネルにはボールが届くものの、その先の小林、阿部にパスが入らない。

新潟は前からボールを奪いに来た。
強いプレッシングではないが、パスコースを切って囲んでくる。
ボールを奪うと鈴木が走り出してロングボールで仕掛ける。
9分、39分とMFチアゴ・ガリャルド(10)がシュートするが、ソンリョンが防ぐ。

40分、阿部からハイネルへ縦に早いスルーパス。
一旦外に動いてDF原の逆を突いたハイネルが、GK大谷幸輝(1)の股を抜いてゴール。

■2nd half
後半、新潟の守備が整わなくなる。
前線が川崎のボールを追っても、最終ラインの押し上げが中途半端。
バイタルが広く空き、ハイネルや長谷川のドリブルを許した。

50分、左サイドでボールを奪った長谷川が中央へカットイン。
十分にDFを引き付けてから中央の阿部にパス。
阿部はダイレクトで縦に走り出した小林に出してゴール。
GK大谷は飛び出しが遅れ、シュートコースを閉じ切れなかった。

2点差となり、川崎はプレーのリスクを減らす。
サイドバックの攻撃参加を減らし、新潟のカウンターに人数を揃える。

75分、阿部が小林のポストプレーからミドルでゴール。
強いシュートではなく、GK大谷は触ったが弾き出せなかった。

■summary
大島とネットが復帰して、躍動感が戻った。
簡単なミスパスが減れば、もっと相手を押し込むことができる。
前線の4人も持ち味をそれぞれ発揮した。

最終ラインもエドゥアルドを中心にラインを高く保った。
前半は危ないシュートがあったが、ソンリョンがきちっとセーブ。














新潟はロングボールを鈴木に出したが、チャンスは作れない。
川崎の高い最終ラインに苦しみ、オフサイドが多かった。
DF矢野貴章(19)がCKを2本、ヘッドで合わせたが、28分、ケガで交代したことも痛かった。

後半は攻め手が少なくなり、バックパスが多くなった。
守備は中央に人数を割いたが、サイドから中央に切り込むドリブルで崩された。
GK大谷は3失点のうち、1つは止めておきたいところ。




次の試合は中3日で迎えるACLイースタンSC戦。
勝てばグループリーグ突破が決まる重要な最終節で、ターンオーバーはできない。
なるべく早い時間で試合を決めたい。

■goal
40ハイネル(22) 50小林悠(11) 75阿部浩之(8) 

■judge
ソンリョン(1) 7.0 前半、スーパーセーブを連発。後半、ハイボールを的確に処理。
田坂祐介(6) 6.0 パス、トラップに高い技術を見せる。59分、原に抜かれPAに侵入を許す。
谷口彰悟(5) 6.0 ラインを統率して押し上げた。36分、抜け出した鈴木との1対1を防ぐ。
エドゥアルド(23) 6.5 復帰戦。足は吊ったが、最後まで力強い守備で引き締めた。
車屋紳太郎(7) 6.0 機を見て攻め上がる。23分、74分と深くえぐって左クロスを供給。
ネット(21) 6.0 押し込まれた局面でボールを跳ね返す。アンカーでのパスミスは怖かった。
大島僚太(10) 6.0 ケガから復帰。ミスもあったが、悪いなりに動いてパスをつなぐ。
ハイネル(22) 6.5 来日初ゴール。右CKやFKを担当。ドリブル以外でも攻撃に絡んだ。
長谷川竜也(16) 6.0 球離れが遅く、相手に囲まれた。50分、ボールを奪って2点目を演出。
阿部浩之(8) 7.5 1ゴールと素晴らしいスルーパスで2アシスト。守備でもよく戻った。
小林悠(11) 6.5 1ゴール1アシスト。53分、74分にも惜しいシュートを放った。

■sub
65(16)三好康児(13) 5.5 前からボールを追いかけた。3点目に絡む。
76(10)森谷賢太郎(19) 5.5 ボランチで良い動き。ロスタイム、中央でボールロスト。
87(22)武岡優斗(17) 5.5 右SBで出場。復帰戦。CBと並び、前に出なかった。

■bench
新井章太(30) 奈良竜樹(3) 森本貴幸(9) 大塚翔平(27) 

■coach
鬼木達 6.5 復帰した選手をうまく組み込んだ。奈良を休ませ、エドゥと武岡を起用する。

■referee
今村義朗 6.0 若干川崎寄りだったが、落ち着いて試合をコントロールする。