2017/06/27

170625G大阪1-1川崎(J1 #16)

G大阪1-1川崎(市立吹田サッカースタジアム, 19:00KO, 24,835人)

水曜日開催の栃木ウーヴァFC戦(天皇杯 R64)から中3日。
吹田開催で、日曜日19時キックオフ。
川崎から訪れるには厳しい日程。
そのため、アウェイゴール裏は空席が目立った。
C大阪戦(J1 #9)も4月30日(日)だったので、今年の大阪遠征はハード。

梅雨前線の影響で、雨は強く降ったり、止んだり。
湿度が高く、蒸し暑いコンディションとなった。

栃木U戦はターンオーバーしていて、その前の広島戦(J1 #15)と同じ先発に戻る。
ただし、エウシーニョが右ウィングから右SB、登里が右SBから左ウィングに移る。
前線の小林、阿部も含め、ポジションは動かしている。
なお、ベンチも広島戦と同じとなっている。














G大阪はJ1リーグで暫定3位(1試合未消化)。
川崎との勝ち点3差となっている。
ACLはグループリーグで敗退した。

FW堂安律(38)は、オランダ1部フローニンゲンへの期限付き移籍が決まった。
また、FWパトリック(55)も契約満了。広島への移籍が報道されている。
2人にとって、ガンバでの最後の試合。
堂安は先発し、パトリックはベンチ外となった。

■1st half
川崎は試合開始からパスミスが続くが、5分ほどで落ち着いてくる。
ボールを持ってサイドに散らし、中を狙っていく展開。

ガンバはPA内までラインを下げて守る。
ブロックは固く敷いたが、広いバイタルを使われる。
12分のネット、26分のエウシーニョなど、川崎はミドルシュートを放っていく。

ガンバは13分、ネットからボールを奪ってカウンター。
MF倉田秋(10)のシュートはソンリョンが防いだ。
44分にも倉田が決定機を迎えたが、シュートは左に外れる。

川崎がボールを持つ時間が長かったが、互角に攻め合った。

■2nd half
後半、ガンバの足が先に止まる。
戻りが遅くなり、カウンターでも攻め急がずボールを戻していた。

52分、エウシーニョの右クロスをPA内の中村がスルー。
左サイドの登里に届き、シュート性のクロスで中村に戻す。
中村のシュートは枠に行かなかったが、DFファビオ(3)に当たってゴール。
GK東口順昭(1)は登里のクロスに反応し、ゴールを空けてしまっていた。

その後も川崎の攻勢が続く。
58分、60分と阿部がチャンスを迎えるが、外してしまう。

64分、ガンバは堂安と疲れの見えたMF遠藤保仁(7)を下げる。
FWアデミウソン(9)とMF藤本淳吾(25)を入れて、中盤を制して攻勢を強める。

65分、PA内に進入したアデミウソンに、エドゥアルドがチャージ。
接触して倒し、ボールに触っていなかったが、PKにはならなかった。

続く68分。早いスローインからMF井手口陽介(8)のクロス。
PA内でエドゥアルドの前に出たFW長沢駿(20)が鮮やかにゴール。
川崎は体制を整える前に、あっさりとやられてしまった。

■summary
結果はドローだったが、今シーズンで最も面白かった。
川崎もガンバもお互いの良さを存分に見せ合い、攻撃を仕掛け続けた。
どちらも決定機を外すことが多かったが、見ていて楽しかった。














ガンバが追い付けたのは、64分の交代策によるもの。
疲れていた遠藤を外して、アデミウソンと藤本でペースを掴んだ。
川崎はそれまで優勢だっただけに、この時間帯で後手を踏んだことが残念。

終盤は動きが重くなってカウンターの応酬となった。
プレーしやすい気候であれば、もっといい内容になったと思われる。

同点の状況で、中村が交代した。
今日の試合だけを考えれば、中村を残す方がゴールの可能性は高かったと思われる。
しかし、シーズンを見据えれば、無理をさせないことも重要。
あえて休養させた鬼木監督の判断は支持できる。

■goal
68長沢駿(20)
52中村憲剛(14)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 13分、倉田のシュートを止める。失点はさすがに止め切れず。
エウシーニョ(18) 6.5 サイドから中に入る動きが光った。26分、51分のミドルは上に外す。
エドゥアルド(23) 5.0 集中力が途切れ長沢に振り切られて失点。65分にもPA内でアデミウソンを倒す。
谷口彰悟(5) 5.5 カウンター対応もパスも良かった。83分、パスミスで決定機を与えた。
車屋紳太郎(7) 5.5 9分登里、32分小林、58分阿部にラストパス。後半は守備に比重を置く。
大島僚太(10) 6.0 小さなトラップで局面を動かす。しつこく守る。シュートを打ちたい。
ネット(21) 5.5 ミドルシュートを何度も放つ。13分、81分と奪われてカウンターを許す。
中村憲剛(14) 6.5 自由に動いてゲームを支配する。セットプレーも良かった。ラッキーなゴール。
小林悠(11) 5.5 1トップでボールを呼び込む。86分のシュートは決まらず。ゴールが遠い。
登里享平(2) 6.0 ドリブルで積極的に仕掛け、ミドルシュートも多かった。1アシスト。
阿部浩之(8) 5.5 思い切りよくシュートを打った。58分の決定機は決めたい。

■sub
72(2)長谷川竜也(16) 6.0 走り回ってチャンスを作り出す。ポストプレーもこなす。
72(14)家長昭博(41) 5.5 結果は出なかったが、シュートの御膳立てをしっかりこなした。
90(8)三好康児(13) 5.5 90+4分、左サイドでシュート。クロスでも良かったか。

■bench
新井章太(30) 奈良竜樹(3) 田坂祐介(6) 森谷賢太郎(19)

■coach
鬼木達 5.5 ガンバの選手交代への対応が甘く、同点に追い付かれる。

■referee
東城穣 5.5 PKの判定は笛を吹くべき。全体的としては的確に裁いた。

■おまけ
試合後、堂安が移籍の挨拶とピッチを1周。
川崎ゴール裏にも寄って、ハイタッチをしてくれた。
バナナとパイナップルも渡された。




2017/06/22

170621川崎2-0栃木U(天皇杯 R64)

川崎2-0栃木U(等々力, 19:00KO, 4,155人)

昨年までの天皇杯は、ACL出場組はシードされ、4回戦からだった。
 今年の天皇杯は、ACLシードがなく、他のJ1チームと同じ2回戦から出場する。

広島戦(J1 #15)から中3日、水曜日のナイター開催。
 日中から風雨が強い日だったが、試合開始前に雨は止んだ。


先発は広島戦から11人全員が変わった。
 GK新井、3バックは田坂、奈良、板倉。
 WGは右ハイネル、左長谷川。
 ボランチには狩野と森谷。
 前線は大塚、三好、家長で構成する。
 このうち、奈良と家長は広島戦で途中出場している。

広島戦で先発したエウシーニョ、谷口、車屋、小林の4人がベンチ。
 残りの7人はベンチ外となっている。
 新たにGK安藤、タビナス、知念がベンチスタート。
 高卒ルーキーのタビナスは、プロ初のベンチ入りとなった。


対戦相手は栃木ウーヴァFC(栃木県代表)。
 2010年からJFLに所属し、今シーズンのJFLは16チーム中15位。
 天皇杯1回戦では、FCパラフレンチ米沢(東北リーグ2部)に6-1で勝利している。

■1st half
栃木Uは最終ラインを高く設定して、コンパクトに守る。
 川崎がバックパスするたびに、ラインを積極的に上げてきた。
 攻撃は1トップのFW若林学(25)にボールを入れる。
 しかしサポートが少なく、なかなかゴールには近づけない。

川崎は3バックでスタート。
 裏に抜け出すFWにボールを入れていくが、オフサイドが多い。
 スペースがなく詰まり気味だったが、徐々に押し込んでいく。

27分、狩野の右CKを家長がヘッドするが、惜しくもバーに当たる。
 続いて29分。いったん左サイドに展開してから、家長が田坂へ横パス。
 田坂が豪快にミドルシュートを決めた。

■2nd half
後半開始から狩野に代えて車屋を投入。
 4バックとして、ボランチには大塚が下がった。

栃木Uは前半に引き続き高いラインを敷く。
 ただ、ボールホルダーへの寄せが遅くなり、川崎の攻撃が続いた。

車屋が入った左サイドで、長谷川や家長と短いパスを出し入れする。
 62分、森谷がDFに触られないギリギリの間合いで車屋へスルーパス。
 ダイレクトの左クロスをニアサイドに走り込んだ長谷川が合わせて2点目を挙げた。

67分には知念、82分にはエウシーニョを投入し、試合を終えた。

■summary
栃木Uは果敢にラインを上げてきた。
 引いて耐え忍びながら、カウンターで狙う選択肢もあったと思われる。
 しかし、真っ向から勝負を挑んできた。
 何度もオフサイドを取って、後半、動きが鈍ってからもラインは保っていた。
 パスやトラップなど技術的な差はあったが、素晴らしいプレーを見せてくれた。


川崎はサブメンバーで2点を奪って勝利を得た。
 相手にボールを引っ掛けることもあり、攻撃はスムースではなかった。
 それでも多くの決定機を作り出し、守備でも危ない場面は少なかった。

欲をいえば、もっと早く2点目をとりたかった。
 前半のうちに2点差(以上)にしていれば、車屋を休ませることができた。
 タビナスを起用できる展開となればよかったが、難しかった。

次は中3日で、J1リーグのG大阪戦。
 ターンオーバーの効果を発揮したい。
 天皇杯3回戦は7月12日(水)、群馬との対戦となる。

■goal
29田坂祐介(6) 62長谷川竜也(16) 

■judge
新井章太(30) 5.5 悪くはなかった。雨のせいか不安定なキャッチングが見られた。
田坂祐介(6) 6.5 先制ゴール。3バックでも4バックでも右サイドを上がっていった。
奈良竜樹(3) 6.5 周囲をサポートしながら最終ラインを統率。危な気なかった。
板倉滉(28) 6.0 CBで出場。前につないだが、少しパスが弱い。24分、ファウルスロー。
狩野健太(25) 6.0 パスを散らす。若干ミスもあった。20分、家長へスルーパスを通す。
森谷賢太郎(19) 6.5 フリーランを繰り返して、ボールをもらってドリブルで仕掛けた。
ハイネル(22) 6.0 よく動く。6分、シュートは外す。7分、三好にラストパスを供給。
長谷川竜也(16) 6.5 ワンタッチゴールで試合を決めた。もっとボールに触りたかった。
三好康児(13) 6.0 積極的なプレーが見られたが、いずれもシュートは外した。
家長昭博(41) 6.0 持ちすぎな面もあったが、ラストパスを何度も供給した。
大塚翔平(27) 6.5 後半、ボランチで受ける動きを続ける。向いているかも。

■sub
HT(25)車屋紳太郎(7) 6.5 攻撃参加のタイミングが上手かった。62分、クロスでアシスト。
67(13)知念慶(20) 6.5 1トップに入る。78分のヘディングはGKの正面だった。
82(22)エウシーニョ(18) 6.0 86分、田坂とのワンツーで抜け出してクロスを上げる。

■bench
安藤駿介(24) タビナス・ジェファーソン(26) 谷口彰悟(5) 小林悠(11) 

■coach
鬼木達 6.5 ターンオーバーを実施しながらも、結果を出した。

■judge
飯田淳平 6.5 接触プレーがあると早めに笛を吹き、落ち着かせた。

■おまけ
試合前の整列。

試合前の握手。


試合後の握手。
ゴール裏への挨拶。

ゴール裏からの戻り1

ゴール裏からの戻り2

再びゴール裏に向かう。

2017/06/18

170617川崎1-0広島(J1 #15)

川崎1-0広島(等々力, 19:00KO, 23,209人)

横浜FM戦(J1 #14)に0-2で負けてから2週間。
代表ウィークを挟んで、広島を等々力に迎える。
J1リーグでは3試合アウェイが続き、新潟戦(J1 #10)以来、6週間ぶりのホーム。
ただ、この間、ACLのホームゲームが2試合あったので、久しぶりな感じはしない。


先発は横浜FM戦から3人が変わる。
登里、大島、エウシーニョが入り、田坂、家長、長谷川がベンチに回る。
エウシーニョは開幕前の練習試合で負傷して、今シーズン初出場。

ベンチには三好が入り、ハイネル、狩野、大塚が外れる。
ハイネルはエウシーニョの復帰に伴い、外国人枠の関係で外れたものと思われる。













広島はここまで2勝4分8敗の16位と低迷。
今シーズン獲得したFW工藤壮人(50)はベンチスタート。
今週、UAEのアル・アインへの移籍が発表されたDF塩谷司(33)は出場しない。
オフィシャルマスコット、サンチェくんも遠征に加わっている。

■1st half
広島は最終ラインを押し上げてコンパクトな陣形を保つ。
フォアチェックを仕掛けて、川崎に余裕を与えない。

16分、MF青山敏弘(6)に倒された大島が、珍しく青山に迫って抗議。
すると興奮したネットが駆けつけ、青山を手で押し倒してしまう。
イエローで済んだが、レッドに相当する乱暴行為だった。

18分には大島が強烈なミドルシュート。
至近距離でMF柏好文(18)の顔に当たり、柏は交代を余儀なくされた。

川崎はボランチから前線に縦パスを入れて、中央から攻める。
ただ、縦パスは広島に狙われ、すぐに囲まれて前線でボールを保持できない。
チャンスを作れず、シュートまで至らなかった。

■2nd half
後半、広島はプレスに行かず、ブロックを作って待ち構える。
間延びせずコンパクトではあるものの、川崎のパスが回るようになる。

川崎は1トップの阿部と左ウィングの小林を入れ替える。
広島の守備を崩してギャップを作り、チャンスを生み出す。
49分には登里の横パスを小林がシュート、52分には車屋がPA内に入りこむ。

56分、阿部がミドルを決めて先制する。
ネットの縦パスをエウシーニョが落として、阿部がシュート。
他の選手にラストパスを出すこともできたため、GK林卓人(1)に的を絞らせず、ニアサイドを破った。

広島は67分、MF森島司(29)を投入する。
プレスも復活して、川崎からボールを奪って攻撃を仕掛ける。
73分、MFミキッチ(14)の右クロスをFW皆川佑介(22)がヘッド。
惜しくもバーに当たったが、ミキッチが3度続けて右クロスでチャンスを作る。

川崎は78分に奈良を入れ、3バックに移行。
奈良は積極的にボールホルダーに寄せていく。
ただ、ラインが下がって広島にボールを持たれてしまう。
90+3分、MF清水航平(16)のシュートをソンリョンが弾き、無失点で終えた。

■summary
川崎はサイドからのクロスに頼らず、中央から仕掛けていった。
縦パスを狙い続けて、ついに阿部がゴールを決める。
残り25分間、広島に押し込まれたが、奈良を入れて3バックで耐えきった。

復帰したエウシーニョは、まだフィットしきれない。
周囲との連携を深める必要はあるが、運動量は豊富で悪くなかった。
ベンチスタートとなった家長は相変わらず。
もう少し時間がかかりそう。


広島は前半から固い守備を敷いた。
川崎に前線でのキープを許さず、仕事をさせない。
しかし後半、ボールホルダーにプレスに行けなくなった。

シャドーのMFアンデルソン・ロペス(44)が守備で下がりすぎた。
そのため、川崎からボールを奪っても、カウンターの距離が長くなった。
失点してからは両サイドが活性化して、迫力ある攻撃ができた。
ただ、ビハインドになる前に攻撃しなければ勝つのは難しい。

次は中3日、水曜日の天皇杯2回戦、JFLの栃木ウーヴァFC戦。
サブ組を起用して、大きなターンオーバーを行いたい。

■goal
56阿部浩之(8) 

■judge
チョン・ソンリョン(1) 7.0 9分のロペス、90+3分の清水のシュートを防ぐ。素晴らしかった。
登里享平(2) 6.0 右SB。積極的に攻撃参加した。後半、清水の仕掛けに手を焼く。 
エドゥアルド(23) 6.5 ロペスと激しくマッチアップ。31分、ロペスに裏を取られて独走を許す。
谷口彰悟(5) 7.0 1トップの皆川を最後まで抑え込んだ。パスも的確に供給した。
車屋紳太郎(7) 6.5 前半、ミキッチに仕事をさせなかったが、先制後はクロスを入れられる。
大島僚太(10) 5.5 ケガ明け。ポジションチェンジを繰り返し、サイドやPA近くまで動いた。
エドゥアルド・ネット(21) 5.0 16分、感情を抑えられず手で青山を押し倒す。パスコースを作るために動き続ける。
エウシーニョ(18) 6.0 4か月ぶりの復帰戦。よく動いたが、意図が周囲に伝わらなかった。
中村憲剛(14) 5.5 縦にスルーパスを狙ったが、珍しく精度が足りなかった。
小林悠(11) 6.0 左サイドでは動きが窮屈だった。47分、49分と続けてシュート。
阿部浩之(8) 7.0 56分のゴラッソで試合を決める。58分にも決定的なシュートを放つ。

■sub
78(18)奈良竜樹(3) 6.5 3バックの右に入る。積極的に前に出て、ラインを引き上げた。
84(14)家長昭博(41) 5.5 1トップに入る。守備の時間が長かった。

■bench
新井章太(30) 田坂祐介(6) 森谷賢太郎(19) 三好康児(13) 長谷川竜也(16) 

■coach
鬼木達 6.5 後半、小林を1トップに戻してリードを奪う。3人目の選手交代を行わなかった。

■referee
西村雄一 6.0 ネットにはレッドを出すべき。ただ、イエローにとどめたことで試合が落ち着いた。

2017/06/05

170604横浜FM2-0川崎(J1 #14)

横浜FM2-0川崎(日産スタジアム, 17:00KO, 42,483人)

ACLのために第13節浦和戦が順延され、2週間ぶりのJ1リーグ。
ムアントン戦(ACL R16 #2)からは中4日となる。

先発はムアントン戦と10人が同じ。
右股関節痛の谷口が先発に復帰して、登里がベンチとなった。














ベンチからは森本が外れ、ACL登録外だったエドゥアルドが入る。
エドゥアルドは左足首を捻ったため先発を回避してベンチスタート。
三好と板倉はU20ワールドカップから戻ってきたが、ベンチ外。













横浜Fマリノスは、J1リーグで13試合6勝2分5敗の暫定8位。
ルヴァンカップはグループ4位。
ノックアウトステージに進めなかった。
キックオフ前、DF中澤佑二(22)のJ1リーグ550試合出場のセレモニーが行われた。

■1st half
マリノスはラインを高く保ってプレスをかける。
川崎は蹴らされることもあったが、前にボールをつないでいく。

15分を過ぎると、マリノスは前線からのプレスを緩める。
川崎のボールホルダーに自由を与えたが、自陣に引きこもって守る。
バイタルにもサイドにも人数を配置してスペースを埋めた。

川崎はボールを回しながらマリノスの守備の穴を探る。
緩急を付けてバイタルで勝負したが、ボールを引っ掛けられていた。

マリノスはカウンター主体の攻撃。
少ない人数で両サイドを広く使って縦に攻めてきた。

■2nd half
53分、マリノスの攻撃。
MF天野純(14)が左サイドのMFマルティノス(20)にロングボールを展開。
マルティノスの折り返しをFWウーゴ・ヴィエイラ(7)が合わせてゴール。
ダイレクトプレーで左右にボールを動かされ、崩されてしまった。
ウーゴ・ヴィエイラは奈良がマークすべきだったが、フリーになっていた。

失点直後、長谷川、田坂に代えてハイネル、登里を投入する。
車屋をCBに下げて3バックにして、入ったばかりの2人をウィングに配置する。

ボールは持てるが、マリノスのブロックはなかなか崩せない。
ミドルシュートを狙っても、GK正面に飛んでしまう。
クロスボールは中澤とDFミロシュ・デゲネク(34)に跳ね返された。

84分、ゴールキックから抜け出したマルティネスがラストパス。
FW富樫敬真(17)がループでソンリョンを抜く。
美しいカウンターで2点目を決められた。

■summary
マリノスはブロックを作り、川崎にボールを持たせる。
ボールが動いても緩やかにスライドしてバランスを保ち、体力を温存した。
バイタルまでボールが入ると、きちっと潰しに出てきた。

攻撃は分かりやすいカウンター。
ネットと中村の戻りが遅れると、そのまま谷口と奈良との勝負を仕掛けてきた。
精度は高くなかったが、何度も仕掛けてゴールを決めた。

GK飯倉大樹(1)は、リードしても時間稼ぎをしなかった。
3年前の日産スタジアム(2014 J1 #21)での榎本哲也とは違い、素晴らしかった。














川崎は前線の選手の流動性が少なかった。
ポストプレーでは前を向けず、バックパスすることが多い。
崩し切れずにクロスを入れても、中澤とデゲネクに簡単にクリアされた。
運動量の少なさが目立ち、セカンドボールも拾えなかった。

ムアントンとの2試合で、7ゴールを決めた。
ただ、川崎対策を行ってきたマリノスの守備は崩せなかった。

代表ウィークのため、次節広島戦まで2週間空く。
川崎からは招集がなく、コンディションをしっかり整えたい。

■goal
53ウーゴ・ヴィエイラ(7) 84富樫敬真(17)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 5.5 2失点目は詰めるタイミングがずれた。90+3分に決定機を止める。
田坂祐介(6) 5.0 マルティノスのスピードに苦しむ。右クロスは簡単にクリアされた。
奈良竜樹(3) 5.0 田坂をよくサポートしていたが、マークミスで1失点目を招く。
谷口彰悟(5) 5.5 支援が少なくカウンターで押し込まれる。パス出しは正確だった。
車屋紳太郎(7) 5.5 MF齋藤学(10)とマッチアップ。上がってもスペースがなかった。
中村憲剛(14) 5.5 パスでは存在感があったが、守備ではバイタルを埋められなかった。
エドゥアルド・ネット(21) 5.5 成功率は低かったが、トリッキーなパスで膠着状態を崩そうした。
小林悠(11) 5.0 すぐに囲まれてしまった。45+1分のシュートはDFにブロックされる。
家長昭博(41) 4.5 持ちすぎてリズムが悪くなった。積極的にシュートを放った。
阿部浩之(8) 5.0 ボールに絡めなかった。45+2分のシュートは弱くGKに防がれる。
長谷川竜也(16) 5.5 8分、21分とゴール前に飛び出す。左右によく走っていた。

■sub
54(16)ハイネル(22) 5.5 ドリブルで仕掛けた。64分のミドルはGKに弾かれた。
54(6)登里享平(2) 5.5 左サイドから攻め込む。80分の右クロスはオフサイド。
81(8)狩野健太(25) 5.5 ボランチに入って縦にパスを入れた。

■bench
新井章太(30) エドゥアルド(23) 森谷賢太郎(19) 大塚翔平(27)

■coach
鬼木達 5.0 1点を失って3バックにしたが、改善しきれず。フレッシュな選手を先発で起用すべき。

■referee
ダニエル・ステファスキ 4.5 川崎のコンタクトに厳しかった。82分のMF中町公祐(8)のファウルは流すべき。