2017/11/30

171129浦和0-1川崎(J1 #33)

浦和0-1川崎(埼玉スタジアム, 19:30KO, 24,605人)

G大阪戦(J1 #32)から中10日、アウェイ浦和戦。
浦和がACL決勝に出場したため、変則的な日程となった。
11月末の平日ナイターだが、寒すぎることはなかった。

すでに第33節を終えた1位鹿島と勝ち点5差、3位C大阪と勝ち点6差。
ドローに終わると、今シーズンの2位が確定することとなる。

先発はG大阪戦とまったく同じ。
ベンチからは武岡が外れて、登里が入った。














浦和はACL決勝第2戦を制し、ACLのタイトルを獲得した。
J1リーグは7位。2試合を残して、7位以下が確定している。
中3日かつ消化試合となったこともあり、ACLから先発6人を変更。

今シーズン、浦和との対戦は4試合目。
 J1リーグのホーム(J1 #13)では4-1で勝利。
 ACL準々決勝(ACL QF #1,#2)は優位に進めていたが、第2戦、車屋の一発退場から敗退した。

■1st half
浦和は立ち上がりからプレスを仕掛けるが、なかなかボールを奪えない。
徐々に引いてブロックを構え、体力を温存するようになる。

川崎がボールを支配して、14分に早くも先制。
谷口が奪って右サイドの家長に展開するショートカウンター。
家長は菊池大介(38)とマウリシオ(2)をドリブルで華麗に抜き去って、クロスを入れる。
ゴール前で右に動いたGK西川周作(1)の逆を突いて、小林がゴール。

1点リードしたあとは浦和がボールを保持する。
川崎にボールを渡しても、ラインを高く保ったまま素早くプレス。
大島とネットに簡単にプレーさせず、縦パスを入れさせない。
パスコースを消して、サイドに追い込んで囲んでいった。

浦和の攻撃は単純なアーリークロス主体。
崩すプレーはできなかったが、それでも何度かチャンスを作れていた。
















■2nd half
後半になっても浦和の攻勢は続く。
川崎はゴール前に釘付けになり、60分以降は防戦一方となる。
セカンドボールを拾えず、ボールを奪っても、浦和のプレスバックにはまった。
プレスを切り抜ければチャンスになったが、少なかった。

浦和はPA近くでのワンタッチパスで揺さぶってくる。
大島とネットが前半にイエローを受けていたため、バイタルでの守備が緩かった。
中央突破は許さなかったものの、サイドを広く使われて攻撃を受ける。

右サイドはエウシーニョが粘れなくなったが、奈良が手広くカバー。
そして78分に登里を左サイドに入れると、浦和はアーリークロスに転換した。
しかし、谷口と奈良が固めるゴール前は攻めきれない。
82分に槙野智章(5)、84分に柏木陽介(10)と主力を投入するが、時間が足りなかった。

■summary
決定機を量産したG大阪戦と結果は同じ1-0。
勝てたことは良かったが、目を惹くような美しい攻撃は少なかった。
押し込まれて防戦を強いられる時間が長く、ボールもつなげなかった。

ただ、守りは集中していて、最後まで綻びを見せなかった。
欲をいえば、先制したあとも攻撃を続けたかったところ。













浦和は消化試合でサブ組主体だったが、善戦を見せた。
柏木の不在が響き、ゴールに至るアイディアが足りなかった。
それでもボールを支配して、サイド攻撃を中心にゴールに迫った。
マンマークも効いていて、川崎のプレーの選択肢を奪って攻撃を封じた。

次節は中2日、勝ち点2差の2位で迎える大宮戦(J1 #34)。
今シーズンの最終戦となる。良い内容で、良い結果を残したい。

■goal
14小林悠(11) 

■judge
ソンリョン(1) 6.5 7分、武藤雄樹(9)の決定機を防ぐ。足を痛め谷口にキックを委ねる。
エウシーニョ(18) 5.5 淡白な守備でボールに喰い付けず。31分、ボレーシュート。
奈良竜樹(3) 7.0 右サイドを手広くカバー。詰められる前に的確にパスを出した。
谷口彰悟(5) 7.0 クロスを跳ね返し続けた。77分、ズラタン(21)の独走を止める。
車屋紳太郎(7) 5.5 攻守とも武藤と森脇良太(46)の2人と対峙。数的不利で苦しむ。
大島僚太(10) 5.5 15分にイエローを受け、厳しく守れない。マンマークで封じられる。
ネット(21) 5.5 サポートが少なく慌ててプレーしてしまう。落ち着けなかった。
家長昭博(41) 6.5 ドリブルで局面を何度も切り開いた。14分、2人抜きからアシスト。
中村憲剛(14) 5.5 ボランチ横に落ちてボールに触る。71分、ヘッドは右に外れる。
阿部浩之(8) 5.5 まだまだ本調子には遠い。守備では奮闘するが、パスが来なかった。
小林悠(11) 6.5 14分に決勝ゴール。31分にも美しいトラップから決定的なシュート。

■sub
78(8)登里享平(2) 6.0 左サイドに鍵を掛けた。縦へのドリブルも仕掛けた。
90+1(14)田坂祐介(6) 5.5 慎重にポジションをとって、守備ブロックを構築。
90+4(11)森本貴幸(9) 6.0 思い切り良くロングシュートを放った。

■bench
新井章太(30) 森谷賢太郎(19) 三好康児(13) 長谷川竜也(16) 

■coach
鬼木達 6.0 結果は出したものの、守勢に回る時間帯が長くなった。

■referee
松尾一 5.0 前半のイエロー4枚は簡単に出しすぎ。リスタートの位置も神経質に直した。

2017/11/18

171118川崎1-0G大阪(J1 #32)

川崎1-0G大阪(等々力, 14:00KO, 21,529人)

YBCルヴァンカップ決勝(YLC Final)で、C大阪に敗れて2週間。
代表ウィークを挟み、しばらく間隔が空いた。
天候は小雨。気温が低く、観戦するには寒かった。














YLC決勝から先発は2人変更。
出場停止だった奈良とケガ明けの阿部が先発する。
代わりにエドゥアルドがベンチ外、三好はベンチスタートとなる。
日本代表のヨーロッパ遠征に招集された(出場なし)車屋も先発。

ベンチには武岡、田坂、森本が新たに入る。
武岡は5月23日のムアントン戦(ACL R16 #1)以来のベンチ入り。
6月15日に左膝蓋骨軟骨を手術し、6ヶ月程度を要する見込みだった。
登里、板倉、知念がベンチから外れている。














ガンバ大阪はJ1リーグ10位。
6月25日のアウェイ(J1 #16)は1-1のドロー。
お互いの良さを存分に見せ合い、攻撃を仕掛け続けた好ゲームだった。

■1st half
ガンバはつなぐことができず、縦へのロングボール主体の攻撃。
川崎のコンパクトな陣形を崩せず、プレッシングで抑え込まれた。
中盤も最終ラインも前線に蹴り込むことを強いられた。
1トップの呉屋大翔(13)が競り合ったが、ほとんど勝てなかった。

川崎は分厚い攻撃を披露する。
中盤で細かいパスワークを繰り広げ、ラストパスを供給する。
4分小林、15分中村、26分エウシーニョ、28分奈良、45分家長とチャンスを迎える。
ゴールは決まらなかったが、決定機を立て続けに作り出した。
45+2分には、小林が初瀬亮(35)にPA内で倒されるが、PKとはならなかった。

グルージャ盛岡公式マスコット「キヅール」














■2nd half
ガンバは46分、1トップを呉屋から赤﨑秀平(53)に交代する。
さらに52分、長沢駿(20)を入れて2トップとするが、大勢は変わらない。
ロングボールの精度は低いままで、チャンスを作れなかった。

川崎は前半と同じように攻撃を仕掛けていく。
50分阿部、54分小林、56分阿部、58分家長、60分エウシーニョとチャンスを量産。
さらには73分、76分、78分と家長が連続して決定機を迎えるが、決められない。

枠内にシュートが飛べば、GK東口順昭(1)が素晴らしいセービングを披露。
何度も1対1の局面を迎え、至近距離からシュートを浴びたが、すべて防いだ。

82分、ようやく川崎にゴールが生まれる。
中村の右CKを家長が落とし、エウシーニョが東口の股抜きで決めた。

リードされてもガンバに迫力はないままだったが、90+4分。
なんでもないボールをPA内で谷口がハンドしたが、笛はなかった。

■summary
6月の対戦では両チームが拮抗していたが、今日は実力差が大きかった。
川崎のショートパスにガンバは振り回されて、ゴールに何度も迫られる。
2CBの三浦弦太(2)と今野泰幸(15)がラストパスをカットできず、マークを外した。

東口の素晴らしいセーブで耐えていたが、決壊は時間の問題。
攻撃も機能せず、前線を目掛けたロングボールは簡単に奪われた。

勝つ可能性は、失点ゼロで抑えつつ、PKをもらうくらいしかなかった。
ただ、そんなサッカーはガンバには似合わない。
願わくば、お互いに攻め合う好ゲームを期待したい。

川崎は数多ある決定機を決められず、ゴールが82分と遅かった。
しかし、ガンバ相手にこれだけ一方的に攻撃ができれば文句はない。
特にネットのラストパスが有効で、決定機を作った。
大島や中村、家長のサポートを得て、動きすぎずに効果的にパスを出した。
守備もコレクティブで、ボールへの寄せも早かった。

90+4分の谷口のハンドはPKに値する。
しかし、45+2分の初瀬のチャージを流していたことで、荒木主審は吹きにくかったのかもしれない。

■goal
82エウシーニョ(18)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 ボールに触る機会が少なかった。
エウシーニョ(18) 6.5 PA内中央からのシュートが多かった。82分、決勝ゴール。
奈良竜樹(3) 6.5 セットプレーでゴールを狙う。パスを散らしてプレスを抜けた。
谷口彰悟(5) 6.5 完璧に守っていたが、90+4分に安易にハンド。ジャッジに救われる。
車屋紳太郎(7) 6.0 左サイドをフリーで駆け上がったが、クロスは今ひとつ。
大島僚太(10) 7.0 積極的にゴールを目指すプレー。ドリブルでいとも簡単にかわした。
ネット(21) 7.5 何度もラストパスを通して決定機を作る。余裕を持ってプレー。
家長昭博(41) 7.0 中盤で攻撃の流れを組み立てる。フリーのシュートを外した。
中村憲剛(14) 6.0 プレースキックは素晴らしい。流れの中では光らなかった。
阿部浩之(8) 6.0 早いモーションから積極的なミドルを放つ。守備でも貢献。
小林悠(11) 6.0 ポストプレーは良かった。30分、GKと1対1となったがパスを選択。

■sub
76(8)長谷川竜也(16) 5.5 チャンスに絡めず。左サイドで時間を消費した。
87(10)森谷賢太郎(19) 5.5 どんどんスプリントして、ボールを追った。
90+4(41)田坂祐介(6) 5.5 プレー機会がほとんどなかった。

■bench
新井章太(30) 武岡優斗(17) 三好康児(13) 森本貴幸(9)

■coach
鬼木達 6.5 ゴールは少なかったが完璧なゲーム。交代策も適切。

■referee
荒木友輔 5.0 谷口のハンドは流すべきではなかった。これ以外は抑制的に裁いた。

2017/11/04

171104C大阪2-0川崎(YLC Final)

C大阪2-0川崎(埼玉スタジアム, 13:00KO, 53,452人)

YBCルヴァンカップの決勝は、C大阪との対戦となった。
水浸しの日立台での柏戦(J1 #31)から中5日。
3連休の中日で、秋晴れに恵まれた。














柏戦から先発は3人が変更。
ケガで離脱していたソンリョンと大島、出場停止だったネットが先発する。
新井、森谷がベンチへ、奈良は仙台戦(YLC SF #2)で退場したため出場停止。
谷口がボランチからCBに回り、エドゥアルドをコンビを組む。














C大阪はJ1リーグ3位。
YLCはグループリーグを2位で通過。
GL3位とのプレーオフを制し、トーナメントを勝ち抜いて決勝に進出。
J1リーグでの対戦は、長居(J1 #9)で負け、等々力(J1 #28)では勝っている。

■1st half
立ち上がり1分、ミスから失点する。
柿谷曜一朗(8)がヘッドで流したボールをエドゥアルドがクリアミス。
そのまま杉本健勇(9)が抜け出して、先制されてしまう。

川崎は1点を追いかけてボールを保持する。
大島とネットのボランチは比較的自由にプレーする。
セレッソが中央をしっかり固めていたため、サイド攻撃が中心となった。
特に右サイドからは、エウシーニョと家長が絡んでゴールに迫る。
左からは、三好がドリブルで変化を付けた。

セレッソは守備ブロックを作ってカウンター。
41分には清武弘嗣(46)が強烈なミドルを放ったが、ソンリョンが防いだ。

■2nd half
後半開始から、三好を下げ、長谷川を投入する。
48分、エウシーニョの右クロスを小林がシュート。
56分には家長の右クロスを再び小林がオーバーヘッド。
前半と同じように、サイドの深い位置から攻めていった。

75分、エウシーニョに代えて知念を投入する。
左サイドでスプリントを繰り返していた長谷川が右SBに回った。
しかし、この交代で、川崎の攻撃は失速してしまった。
左サイドでの優勢を失い、さらに長谷川は右サイドではミスが目立った。

90+2分、セレッソが深い位置からのカウンター。
川崎の選手は戻らず、3対2の状況を作られてソウザ(6)がゴール。
ロスタイムは残っていたが、谷口は立ち上がることができなかった。

■summary
開始直後の杉本のゴールで、両チームのゲームプランが大きく動いた。
セレッソは自陣中央を固めて、カウンターを仕掛けていく。
マテイ・ヨニッチ(22)がはっきりとしたクリアでプレーを切る。
分かりやすい戦術で、川崎にゴールを許さなかった。



川崎はセレッソの守備を攻略するためのアイディアに欠けた。
バイタルエリアからのミドルがほとんどなく、DFを引き出せない。
復帰戦となった大島は、消極的なパスの選択が目立った。
中村もパスの出し入れでギャップを生み出せず、崩せなかった。
サイド攻撃も、三好とエウシーニョを交代させると迫力が失われた。

ボール保持はできたが、膠着した状況を打ち破れなかった。
残念ながら、ルヴァンカップは4度目の準優勝に終わった。

■goal
1杉本健勇(9) 90+2ソウザ(6)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 安定したキャッチとキックを見せた。2失点は仕方がない。
エウシーニョ(18) 6.0 右サイドで広く受けて仕掛ける。16分、32分にシュート。
谷口彰悟(5) 6.0 カウンターを危な気なく止め、中盤にパスを入れる。
エドゥアルド(23) 4.5 1分、ミスで決勝点を与える。その後は持ち直した。
車屋紳太郎(7) 5.5 後半、高いポジションに進出してクロスを狙った。
大島僚太(10) 5.0 復帰戦。タッチは完璧だったが、勝負に出られなかった。
ネット(21) 5.5 ボールを受けて左右に散らした。落ち着いてプレーする。
三好康児(13) 5.5 強引なドリブルの仕掛けは効果的。30分、ロングシュート。
中村憲剛(14) 5.0 キック精度も状況判断も今ひとつだった。焦ってしまったか。
家長昭博(41) 5.5 右サイドで細かくつなぎ、ポイントを作っていった。
小林悠(11) 5.5 チャンスはあったが、シュートを決めることができなかった。

■sub
HT(13)長谷川竜也(16) 5.0 左サイドでは効いていたが、右SBでは活きなかった。
75(18)知念慶(20) 5.0 77分、ドリブルでカウンター。シュートはできず。
80(21)阿部浩之(8) 5.0 87分、フリーのシュートは大きく外す。

■bench
新井章太(30) 登里享平(2) 板倉滉(28) 森谷賢太郎(19)

■coach
鬼木達 4.5 エウシーニョを外し、長谷川を右SBに入れる采配は失敗。森谷も起用すべき。

■referee
西村雄一 6.5 イエローをぎりぎりまで出さず、試合を落ち着かせた。