2017/01/20

170120シーズン回顧(2) 2016ランキング

シーズン回顧(2) 2016ランキング

2016シーズンの川崎フロンターレを2回に分けて振り返る。
2回目は各種ランキングを見る。

high player (season) 
 1,000分以上出場した17選手で、シーズン平均採点が高かったのは次の選手。
 カッコ内は2015年の順位。2015年に1,000分以上出場したのは18選手だった。

1位(9位) 小林悠(11) 37試合3326分出場 平均採点6.30 ベンチ2試合
2位(-) エドゥアルド(23) 36試合2799分出場 平均採点6.24 ベンチ1試合
3位(1位) 大島僚太(10) 26試合2325分出場 平均採点6.24 ベンチ0試合
4位(-) チョン・ソンリョン(1) 36試合3453分出場 平均採点6.22 ベンチ0試合
5位(-) 奈良竜樹(3) 15試合1383分出場 平均採点6.21 ベンチ2試合

 昨シーズン、ケガが多かった小林は出場時間を伸ばし、結果を出した。
 守備的なポジションの新規加入選手が、5位までに3人入った。
 2015年に上位だった大島は3位(1位)、田坂は15位(2位)、森谷は16位(3位)。

■low player (season)
 逆に1,000分以上出場した17選手で、シーズン平均採点が低かったのは次の選手。

17位(12位) 武岡優斗(17) 23試合1160分出場 平均採点5.58 ベンチ2試合
16位(3位) 森谷賢太郎(19) 27試合1495分出場 平均採点5.64 ベンチ16試合
15位(2位) 田坂祐介(6) 29試合1785分出場 平均採点5.83 ベンチ10試合

 武岡、森谷は際だって活躍した試合が少なく、高い採点が付かなかった。
 この2人と田坂には大きな差があった。
 2015年に下位を占めた車屋は10位(18位)、杉本(17位)は移籍、エウシーニョが14位(16位)だった。

■play time (season)
 47試合4,609分のうち、出場時間が長かったのは次の選手。
 カッコ内は2015年の順位。

1位(1位) 谷口彰悟(5) 46試合4211分出場 平均採点5.88 ベンチ0試合
2位(2位) エウシーニョ(18) 42試合3866分出場 平均採点5.86 ベンチ3試合
3位(4位) 大久保嘉人(13) 40試合3787分出場 平均採点6.02 ベンチ0試合
4位(7位) 車屋紳太郎(20) 42試合3718分出場 平均採点5.96 ベンチ0試合
5位(3位) 中村憲剛(14) 38試合3510分出場 平均採点6.17 ベンチ1試合

 谷口が2年連続で出場時間、試合数とも1位。他の選手を大きく引き離した。

■high game
 各試合ごとに出場選手の採点を、出場時間に応じて平均した。
 この平均採点が高かったのは、47試合のうち次の試合。

1位 160227広島0-1川崎(J1 #1) 平均採点6.64
 開幕戦。無失点で耐え、最後に小林が決勝ゴールを決めた。
2位 160709名古屋0-3川崎(J1 #19) 平均採点6.57
 15位と低迷する名古屋を終始押し込んで、危なげなく完勝した。
3位 160319甲府0-4川崎(J1 #4) 平均採点6.54
 自陣に引き籠る消極的な甲府のゴールを次々と割った。

 3位まですべてJ1リーグのアウェイでの試合となった。

■low game
 逆に平均採点が低かったのは47試合のうち次の試合。

47位 160827川崎2-5柏(J1 #27) 平均採点4.91
 セットプレーでマークミスを重ねて、5失点を喫した。
46位 161001神戸3-0川崎(J1 #31) 平均採点5.05
 ボランチのパスを何度もカットされ、カウンターを浴びて仕留められた。
45位 160420柏2-1川崎(YNC GL #4) 平均採点5.26
 谷口が信じられないミスを2度繰り返し、どちらも失点した。

 エドゥアルドが契約上出場できなかった柏戦が2つ含まれる。

■high player (each game)
 各試合の採点で、最も高かったのは8.0点。3回あった。

8.0 チョン・ソンリョン(1) 160227広島0-1川崎(J1 #1) 
 至近距離からも含めて決定的なシュートをことごとくストップ。
8.0 中村憲剛(14) 160319甲府0-4川崎(J1 #4)
 2つの難易度が高いゴラッソを決める。中盤のバランスを保つ。
8.0 新井章太(30) 161029鹿島0-1川崎(J1 #33)
 決定機をたくさん作られて浴びた数多くのシュートをブロックした。

 今シーズンはGKの活躍が目立ち、2人がランクインした。

■low player  (each game)
 各試合の採点で、最も低かったのは3.0点。1回だった。

3.0 エドゥアルド・ネット(21) 160827川崎2-5柏(J1 #27)
 何度もセットプレーでマークを外し、次々とゴールを決められた。

 次に低かったのは3.5点で、3回あった。

3.5 谷口彰悟(5) 160420柏2-1川崎(YNC GL #4)
 内容的には押していたが、簡単なプレーのミス2回で敗戦を招いた。
3.5 三好康児(26) 160813鳥栖1-0川崎(J1 #25)
 1点を追いかけて投入されたが、5分後にレッドカードで退場。
3.5 大久保嘉人(13) 160917大宮3-2川崎(J1 #29)
 報復行為で36分にレッドカード。勝てた試合を落とした。

 今シーズン、チームの退場は2回だったが、どちらも採点は低い。
 ネットと谷口は、2点以上のミスを繰り返したもの。

2017/01/19

170119シーズン回顧(1) 2016選手別平均採点

シーズン回顧(1) 2016選手別平均採点

2016シーズンの川崎フロンターレを2回に分けて振り返る。
1回目は選手別平均採点。

公式戦はJ1リーグ34試合、チャンピオンシップ1試合、ナビスコ6試合、天皇杯6試合の47試合。
天皇杯で決勝まで進んだため、2015年の43試合から4試合増えた。
なお、サテライトリーグにも参加し、5試合を戦っている。

■J1リーグ 年間3位。
 1stステージ 2位 勝ち点38 17試合11勝5分1敗 得失点差+18
 2ndステージ 3位 勝ち点34 17試合11勝1分5敗 得失点差+11
 年間勝ち点 2位 勝ち点72 34試合22勝6分6敗 得失点差+29
 年間順位 3位 チャンピオンシップ1試合1敗 準決勝で敗れて3位。
■ヤマザキナビスコカップ 予選リーグ敗退。
 予選リーグB組3位 勝ち点8 6試合2勝2分2敗 得失点差+4
 決勝トーナメントに進めなかった。
■天皇杯 準優勝。
 6試合5勝1敗。クラブ史上最高順位となった。

47試合のプレー時間の合計は、4,609分。
この時間には、前後半及び延長のロスタイムを含んでいる。
ロスタイムの時間は、www.football-lab.jpフロンターレ公式サイトを参考とした。

各選手の試合ごとの採点から、出場時間に照らしてシーズンの平均採点を計算した。
チーム全体の平均採点は、6.028点(2015年6.014点)だった。

GK、DF、MF、FWのポジション別に、出場時間順に並べた。
ポジションはチームの登録のものではなく、実態に合わせた。
ウィング系の選手は、4バックではサイドバックになるが、MFに含めている。

■goal keeper
チョン・ソンリョン(1) 36試合3453分出場 平均採点6.22 ベンチ0試合
 決して慌てない落ち着いたプレースタイルで、ゴールを守った。
 川島永嗣が移籍した2011年夏以来、久しぶりの代表級のGK。
 現役韓国代表で、特にシュートストップに強みを発揮した。
新井章太(30) 10試合933分出場 平均採点6.55 ベンチ35試合
 第2GKとして控え、出場機会を得ると素晴らしい活躍を見せた。
 ソンリョン離脱中の横浜Fマリノス戦(J1 #30)でのケガは不運だった。
高木駿(29) 2試合128分出場 平均採点4.88 ベンチ3試合
 期限付き移籍の千葉(J2)から復帰。2試合に出場した。
 試合勘が乏しく、先発した神戸戦(J1 #31)では活躍できなかった。
 (2017 大分(J2)へ移籍)
安藤駿介(24) 1試合95分出場 平均採点7.00 ベンチ7試合
 シーズンを通じてほぼ第3GK。
 しかし、ソンリョンと新井のケガで巡ってきた出場チャンスは高木に奪われる。
 仙台戦(YNC GL #6)のみの出場だったが、よい出来だった。

■defender
谷口彰悟(5) 46試合4211分出場 平均採点5.88 ベンチ0試合
 5月に2試合先発から外れたが、今シーズンも最多の出場時間。
 周囲が次々と離脱する中、ケガなくフル稼働を続ける。
 例年よりも守備力が高いCBと組むことが多く、守備の負担が減った。
エドゥアルド(23) 36試合2799分出場 平均採点6.24 ベンチ1試合
 開幕後、柏(J1)からレンタルで加入。クリーンで力強い守備を見せる。
 6月に肉離れで5週間離脱。復帰後、肩の脱臼に苦しみながらも出場を続けた。
 チームの失点減少に大きな貢献をした。
奈良竜樹(3) 15試合1383分出場 平均採点6.21 ベンチ2試合
 FC東京(J1)から移籍。開幕からレギュラーを掴んだが5月に左腓骨骨折。
 リオ・オリンピックを欠場し、9月に復帰するものの、直後に再び同じ箇所を骨折。
井川祐輔(4) 16試合1292分出場 平均採点5.96 ベンチ6試合
 2ndステージ前半、奈良とエドゥアルドの欠場中に最終ラインを支える。
 頼りがいある活躍を見せたが、左靭帯を損傷して離脱してしまった。
武岡優斗(17) 23試合1160分出場 平均採点5.58 ベンチ2試合
 試合終盤に投入されるパターンが多く、守備を固める。
 シーズン中に3度、ケガでの離脱がリリースされた。
 逃げ切るために貴重な手駒だっただけに、シーズン終盤の不在が痛かった。
小宮山尊信(8) 3試合242分出場 平均採点5.70 ベンチ2試合
 今季初出場の新潟戦(YNC GL #3)で右足関節を骨折。
 5か月の離脱後に復帰したが、出場機会、ベンチ入りの機会は限られた。
 (2017 横浜FC(J2)へ移籍)

■midfielder
エウシーニョ(18) 42試合3866分出場 平均採点5.86 ベンチ3試合
 シーズンを通じて今年もフル稼働。攻撃に独特のアクセントを与えた。
 反面、サイドでの守備を狙われることが多かった。
車屋紳太郎(20) 42試合3718分出場 平均採点5.96 ベンチ0試合
 相手に研究されてきたが、左サイドで攻守に活躍した。
 特に2ndステージ前半は、クロスからのアシスト、ゴールでチームを主導した。
中村憲剛(14) 38試合3510分出場 平均採点6.17 ベンチ1試合
 J1リーグのベストイレブン(6度目、2010年以来)、最優秀選手(MVP)を獲得。
 ポジションを攻撃的MFに移して、パスの展開力を十分に発揮した。
 年々運動量は少なくなり、ボランチでは守備でバイタルを空けがち。
エドゥアルド・ネット(21) 38試合3338分出場 平均採点6.05 ベンチ3試合
 新加入。馴染むまでに時間がかかったが、5月からポジションを掴む。
 パスコースを作ってボールを受けるために何度も動き出す。
 高身長を活かしてハイボールを跳ね返した。
大島僚太(10) 26試合2325分出場 平均採点6.24 ベンチ0試合
 リオ・オリンピックに出場して、フル代表でもデビューも飾った。
 パスやトラップの技術だけでなく、戦術眼も磨いていきたい。
田坂祐介(6) 29試合1785分出場 平均採点5.83 ベンチ10試合
 リハビリからのスタートだったが、複数のポジションを高い水準でこなした。
 終盤戦で右CBに入ると、パスの供給源として機能した。
森谷賢太郎(19) 27試合1495分出場 平均採点5.64 ベンチ16試合
 美しいゴールや献身的な運動量を見せたが、6月以降ポジションを失う。
 ベンチやベンチ外が多くなったが、終盤には出場機会を取り戻す。
三好康児(26) 27試合1421分出場 平均採点6.02 ベンチ13試合
 ユースからの昇格2年目。
 粗さも少しずつ取れてきて、順調な成長曲線を見せる。
 U19代表に招集されると痛手となるほど欠かせなくなった。
登里享平(2) 21試合1267分出場 平均採点5.96 ベンチ5試合
 7月に左膝を手術して3か月間離脱する。
 試合を決めるような活躍はなかったが、左の攻撃的MFで継続的に起用された。
橋本晃司(7) 13試合749分出場 平均採点6.04 ベンチ14試合
 前年よりも出場時間を増やした。サブ組主体のYNCでは主力。
 J1リーグでは第21節から5試合連続して先発した。
 (2017 水戸(J2)へ移籍)
中野嘉大(22) 21試合748分出場 平均採点5.34 ベンチ12試合
 ドリブルの輝きが失われ、安易なボールロストが多かった。
 途中出場することが多かったが、プレーに迷いが見られ活躍できなかった。
 (2017 仙台(J1)へ期限付き移籍)
狩野健太(25) 9試合563分出場 平均採点6.06 ベンチ17試合
 柏(J1)から移籍。J1リーグで開幕から3試合先発する。
 その後の出場機会は少なくなったが、出場するといいパフォーマンスを披露した。
板倉滉(28) 7試合474分出場 平均採点6.48 ベンチ12試合
 ユースからの昇格2年目。去年に続いてベンチにも入れない期間が続く。
 徐々に出場機会を掴み、浦和戦(天皇杯 R16)ではフル出場。勝利に大きく貢献した。
原川力(15) 7試合403分出場 平均採点5.72 ベンチ6試合
 京都(J2)から移籍。リオ・オリンピック代表に大島とともに出場した。
 ただ、川崎では周囲との呼吸が合わず、出場機会を得られなかった。
 (2017 鳥栖(J1)へ期限付き移籍

■forward
大久保嘉人(13) 40試合3787分出場 平均採点6.02 ベンチ0試合
 J1リーグ15得点。1stステージは11得点だったが、2ndステージでは4得点。
 中央からの崩しにこだわり、チャンスに絡む回数が少なくなった。
 コンディションが悪くても出場を続けたが、4年連続得点王を逃した。
 (2017 FC東京(J1)へ移籍)
小林悠(11) 37試合3326分出場 平均採点6.30 ベンチ2試合
 ベストイレブン(初受賞)。J1リーグで15得点、11アシスト。攻撃を牽引した。
 どのようなCBも苦にせず、多彩な動きからシュートを放った。
大塚翔平(27) 15試合935分出場 平均採点6.08 ベンチ5試合
 北九州(J2)からトライアウトを経て加入。
 中盤でポストプレーをこなし、ボランチと前線のリンクマンを務めた。
森本貴幸(9) 18試合656分出場 平均採点5.80 ベンチ2試合
 千葉(J2)から加入。左膝半月板手術で5か月間離脱。
 攻撃の切り札として、試合終盤に起用された。
長谷川竜也(16) 9試合560分出場 平均採点5.71 ベンチ9試合
 順天堂大学から新卒加入。シーズン終盤にFWで出場機会を得る。
 小柄だがスピードに乗ったドリブルを見せた。

(2種登録) ※出場なし
デューク・カルロス(32) 0試合0分出場 平均採点0 ベンチ4試合
 ユース2年生。右SBが不足したため、4試合でベンチ入り。
 (2018 岡山(J2)に加入)
田中碧(31) 0試合0分出場 平均採点0 ベンチ0試合
 ユース3年生。昇格決定後に2種登録される。
 (2017 トップチーム昇格)

■coach
風間八宏 平均採点6.21
 守備力の向上に力を注ぎ、5年間で最高の成績を導いた。
 ビハインドの状況が減ったこともあって、交代の遅さも少し改善された。

■referee

平均採点5.69

2017/01/02

170101鹿島2-1川崎(天皇杯 Final)

鹿島2-1川崎(市立吹田サッカースタジアム, 14:00KO, 34,166人)

大宮との準決勝(天皇杯 SF)から中2日。
川崎にとって初めての天皇杯決勝は、市立吹田サッカースタジアムでの鹿島戦。

天皇杯決勝としては小さな、収容人員が4万人弱。
例年よりもチケットが売り切れるのが早かったように思う。
スタンドは角度があるので、とても見やすい。
ただ、帰りのアクセスが厳しいスタジアムで、G大阪戦(J1 #9)では駅まで1時間以上かかった。

ネットが累積警告で出場停止となり、代わりに大島が先発する。
残りの10人は、FC東京戦(天皇杯 QF)から3試合変わらない。
ベンチには新たに大塚が入った。

試合前には「賀正」とスルガ銀行の富士山マークのコレオが登場。














鹿島はJ1リーグ年間勝ち点3位で、リーグ戦での対戦成績は1勝1分。
チャンピオンシップ(J1 CS SF)でも対戦して、負けている。

■1st half
鹿島はCSでの対戦とは異なり、プレスを掛けてこない。
ロングボールでFW赤﨑秀平(18)、FW土居聖真(8)に出しても、早く攻めてこない。
動きが鈍かったが、時間を使いながら体力を温存する。

川崎は大宮戦と異なり、パスをつないで崩していく。
ネットは攻撃時に最終ラインまで落ちるが、大島は中盤でボールを引き出す。
小林と登里との距離が近く、2人のポストプレーで上手くパスを回した。

20分、MF小笠原満男(40)が激高してピッチ上で中村を追いかける。
調子が上がらないチームを鼓舞するためだと思うが、見るに堪えない姿。
意図的にゲームを荒らす戦術だが、いつもながら残念な態度。

42分、MF遠藤康(25)の右CK。
ファーサイドのDF山本脩斗(25)が戻りながらヘッド。
車屋がマークしていたものの、身体を寄せきれずゴール左下に決まる。

■2nd half
後半開始から、登里に代えて三好を投入する。
プレスを仕掛けてボールを奪い、中央から攻撃する。
特に大久保のプレーは光り、トリッキーなショートパスをつないで崩した。

54分、三好のパスを受けた小林が右足を一閃して同点ゴール。
その後も小林はDF昌子源(3)との駆け引きを制していく。
ただ、58分、65分に迎えた決定機を決められなかった。

鹿島は徐々に攻撃陣が戻らなくなるが、最終ラインは高く維持する。
スルーパスの脅威を受けながらもコンパクトな陣形を保つ。
昌子とDF植田直通(23)が体力的にきつくても踏ん張ってチームを支えた。

川崎も中村と大久保の運動量が落ちていく。
三好もロストが多くなって、攻撃のリズムが失われていく。

■extra time
後半開始から、鹿島が攻勢を仕掛ける。
川崎はボールホルダーにプレスできず、クリアボールを拾われる。
崩された守備陣形を整えることができず、バタバタとした状態が続く。
鹿島は決定機を外していたが、ついに94分、MFファブリシオ(11)にゴールを決められた。

1点を追いかけて、森谷、森本を投入する。
しかし、ボールを受ける動きが少なく、効果的に攻撃ができない。
大久保は前線に張り付くだけ。
中村も守備では走れないため、森谷が走りまくってカバーする。

最後はエドゥアルドも前線に残り、2度のCKではソンリョンも攻撃参加。
ハイボールを入れるが、シュートチャンスは作れなかった。

■summary
鹿島はコンディションが悪かったが、効率的に体力を使った。
攻め急がずに時間を使いながら、延長開始からギアを上げて決勝点を奪った。

川崎は小林が1点を決めただけ。
何度も決定機を作りながらも外してしまった。
大久保も中村も、延長戦まで体力を残しておくことができなかった。

風間監督は、主力選手を外すことは最後までなかった。
大久保か中村を外していれば、違った結末もあったかもしれない。
しかし、それでも監督は美学を貫いた。














天皇杯は準優勝だったが、延長戦が3試合。
そのうち、浦和戦(天皇杯 R16)はPK戦で、紙一重で勝ってきた。

2016シーズンはこの試合で終了。
しっかり守備を構築したため、タイトルに近づくことができた。
見ていて楽しい試合は、いつも通り多かった。

■goal
42山本脩斗(25) 94ファブリシオ(11)
54小林悠(11) 

■judge
ソンリョン(1) 5.5 2失点とも難しかった。93分、失点の前のプレーで、前に出る判断ミス。
田坂祐介(6) 5.5 右CBに入る。守備では破綻しなかったが、攻め上がる回数が少なかった。
エドゥアルド(23) 7.0 カウンター対応もカバーリングも素晴らしく、鉄壁の守備を見せた。
谷口彰悟(5) 6.0 赤﨑を抑え込んだが、押し込まれる局面では力を発揮できなかった。
大島僚太(10) 6.0 中盤でボールを散らす。27分、81分とミドルのチャンスに躊躇する。
中村憲剛(14) 5.5 ショートパスは良かったが、スルーパスを出せず。守備は機能せず。
エウシーニョ(18) 5.5 前半は右クロスで崩したが、後半以降は押し込まれてしまった。
車屋紳太郎(20) 5.0 1失点目でマークミス。後半、左サイドで三好を使って活性化する。
小林悠(11) 6.5 PA内で動いて何度も決定的なシュートを放つ。65分にはポストに当てる。
登里享平(2) 5.5 守備を意識しながら、ポストプレーもまずまず。前半のみで交代。
大久保嘉人(13) 5.5 後半途中まで素晴らしかった。が、徐々にボールに絡めなくなる。

■sub
HT(2)三好康児(26) 6.0 ドリブルで左サイドを崩した。少しずつボールロストが増えた。
98(6)森谷賢太郎(19) 6.0 ビハインドで投入。攻め上がる味方の背後を1人で守り続けた。
106(10)森本貴幸(9) 5.5 ボールを引き出したが、シュートは打てなかった。

■bench
新井章太(30) 板倉滉(28) 中野嘉大(22) 大塚翔平(27)

■coach
風間八宏 5.5 三好の投入で盛り返すことができたが、次の選手交代が遅かった。

■judge
松尾一 6.5 小笠原のキレ芸をカードなしで収束。妥当なジャッジを続けた。